菓の辞典 A Historical Journey

  • 雷鳥社 (2022年12月9日発売)
4.02
  • (14)
  • (18)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 758
感想 : 26
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 / ISBN・EAN: 9784844137900

作品紹介・あらすじ

ラムセス3世が親しんだであろうBC時代のものから、近現代のティラミスやパフェまで。

約130種類の西洋菓子の起源と痕跡を探り、描きおろしイラスト約100点とともに紹介。



お菓子一つひとつが持つストーリーを古代から現代へと並べて掲載。

ぺージをめくるたびに現代へと近づき、まるで「お菓子」で時代を旅する気分に。



▶十字軍が遠征したり、王族の子女が他国に嫁いだりすると、もれなくお菓子文化が発展していた。

▶人から人へ、国から国へ。「人が動けばお菓子も動く」だったのです。



「お菓子MAP」やお菓子にまつわる「人物index」、レシピやペアリングのページも。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み



  • 菓の辞典 長井史枝(著) - 雷鳥社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784844137900

  • 書店芸人のカモシダせぶんさんが、アメトーークで推薦していらした、お菓子の来歴をまとめた本。

    見開きでお菓子のイラストと、解説がワンセットになっている。イラストが見事なのは、カモシダさんのご紹介のとおりだが、この本、それだけではない。造本からして優雅なのだ。私の手のひらより、ちょっとだけ小さい。そして、すごく上等の紙に、甘く華やかな香りや味が匂い立つようなイラスト。シックなフォントの文字。何が言いたいかというと、そう。

    本そのものの持っている佇まいが、愛らしいのだ。

    貴族の令嬢になった気分でパラパラ読むもよし。今も身近なお菓子が、古代からあったことに驚く、好奇心いっぱいの自分のまま、夢中で読むもよし。女性的な例をあげたけれど、紳士方だって、甘いものはお好きでしょ?

    誰が読んでも、そりゃ嫌いって人、珍しいと思う。楽しい一冊だ。あなたが、

    「スイーツ苦手。辛いの。タイ料理の方がいいな。」

    って方でも。苦手な甘みを無理に感じず、興味津々でお読みになられたらいいと思う。一個くらいは、これどうだろ?って気になるお菓子、出てくるはずだ。

    周りが夢中になるお菓子の秘密、知ってみたってバチは当たらない。私、実は、病気で食事療法をしていて、その検査結果がよろしくない。甘いの、当分ガマンしなくっちゃいけなくて。これを読むには、なかなか切ない。

    それでも読んじゃうのは、お菓子って、見ても満足だし、そこにまつわるお話も、幸せなものが多いからだ。

    果物の砂糖漬けを、ミックスして練り合わせ、かわいくまとめたお菓子。これ、王様が、輿入れしてきた姫に笑ってもらいたくて考えたのですって。どんな政略結婚だって、お姫様、笑顔になりそうでしょ?

    固く緊張した自分を和ませようと、お祝いの宴に供された。若き国王、いえ、夫の優しさを、とろけるような美味しさと一緒に、うっとり感じたはず。これはほんの一例だけれど、ぎっしり。一冊に幸福がつまっている。

    今も流行して残っているお菓子、どれも由緒があって。

    早く、また少しなら甘いもの、食べていいよとお許しが出るよう、治療も頑張らなきゃ、って。食べられない恨みより、いっちょ頑張るか!って。ふふふ。

    カンバセーション・ピースに、是非どうぞ。スイーツ巡りのお供にも、雑誌の切り抜きから、ワンランクアップ。とてもいいと思うんだけど、どうだろう。

  • 甘いものがだんだん苦手になってきている私ですが、食べたい気持ちはあります
    甘すぎるものは困るけど、少しくらい、どんな味なのか、食感なのかは知りたい!

    お菓子の歴史を気軽に知ることができます
    最近流行りのアフタヌーンティー、本来は全部食べきってはいけないというのがマナーだなんて知らなかったです

    知ってるお菓子はやっぱり近代~が多いけれど元々はこういうものから進化した、と知るとまた違った目線でお菓子を食べることができるかもしれない

  • 眼で美味しい、読んで美味しい一冊だった。
    イタリア菓子が好み。

  • ○スイーツを食べるとき、片手に持って
     よりスイーツを味わえるだろうなあ!
     お金と時間とバイタリティがあれば世界の菓子巡りをしたいわあ~

    ●はじめに
    お菓子の城起源と形跡を探り、世界の菓史として紹介したい

    ・古代のお菓子たち
     アブラハムの菓子(イスラエル)
     ウテン・ト(古代エジプト)ラムセス3世
     ディピロス(古代ギリシャ)
     トリヨン(古代ギリシャ)
     オボリオス(古代ギリシャ)
     メリペクタ(古代ギリシャ)
     ドラジェ(古代ローマ)
     マトリッツォ(古代ローマ)
     プラチェンタ(古代ローマ)
     クルストゥルム(古代ローマ)
     キアッキレ(古代ローマ)

    ・中世(5~14c )
     チーズケーキ:古代の香り漂う濃厚な味わい
     …日本ではモロゾフ(1969)
     カンノーリ:マフィアも虜
     …シチリアの菓史
     カッサータ:禁じられた復活祭のお菓子
     パン・デピス:チンギスハンも認めた滋養ケーキ
     ワッフル:凸凹格子模様がトレードマーク
     …1904セントルイス万博でアイスクリームコーン誕生
     …いろいろなワッフル
     エショデ:菓子作りの発展に貢献したパン?
     ショートブレッド:英国菓子の誇り
     レープクーヘン:世界最古の“生命の”クッキー
     フラン:塩味から始まったフランス家庭菓子
     シュトレン:一切れずつ食べながらクリスマスを待つ
     ガトー・ド・サヴォワ:ローマ教皇も魅せられたエレガントなケーキ
     サヴォイアルディ&ザバイオーネ:サヴォイア家のフィンガービスケット
     アップルパイ:甘酸っぱい禁断の実のお菓子
     …ジョニー・アップルシードアメリカ開拓時代のヒーロー
    ブラマンジェ:アーモンドが主役の白いゼリー

    ・近世(15~17c )
     カリソン:セザンヌの故郷に生まれた小さな銘菓
     …笑わない姫のために優しい王が作ったお菓子
     パネットーネ:ドーム型の大きなパン菓子
     ジンジャーブレッド:古代から珍重された薬効ケーキ
     …ジンジャーブレッドマン、エリザベス一世がお客さまをもてなすために作らせた
     バウムクーヘン:じっくりゆっくり焼いた年輪模様
     …ユーハイム
     ズッパ・イングレーゼド:修道士の真っ赤なリキュール、公爵のスープ
     …ティラミスの原型
     ズッコット:建築家が考案した半分凍ったケーキ
     プリン:船上料理人が考案した蒸し料理
     トライフル:“つまらないもの”船乗りのためのあり合わせのデザート
     ブリオッシュ:
     …パンがなければブリオッシュを食べればいいじゃない…はアントワネットの言葉ではない。ジャン・ジャック・ルソー『告白』が原典
     マカロン:フランスに嫁いだイタリアの姫にせがまれて
     …フランス各地のマカロン
     カヌレ:ワイン作りであまった卵黄を使っていた
     クラプフェン&ボンボローニ:カーニバルのお菓子
     ミンス・パイ:ハリーポッターも食べたクリスマスのパイ
     ガレット・デ・ロワ:エピファニーのお菓子
     …フェーヴ(そら豆)が入っていたら今日は王さま
     …ガレット・デ・ロワの模様
     アマンディーヌ:詩人で舞台俳優、菓子職人のラグノーが考案
     クレーム・ブリュレ:アメリの大好物
     アプフェルシュトゥルーデル:春巻きのもと?マリアテレジアが好む
     プラリーヌ:イケメン公爵がご婦人たちに差し上げるために持ち歩いたアーモンド菓子
     スフォリア・テッラ:修道女がつくった偶然の産物
     ドーナツ:始まりはクルミ付きの丸い揚げ菓子
     クレープ:粥から生まれた王妃お気に入りのスイーツ
     シュークリーム:クリーム入りキャベツ
     クグロフ:マリー・アントワネット御所望の朝食
    【カトリーヌ・ド・メディシス】
     イタリアからフランスにお菓子や文化やマナーを持ち込んだ
    【スタニスラス・レクチンスキー】
     美食家、娘・マリーのために料理やお菓子のレシピを伝授 

    【マリー・アントワネット】
     お菓子だいすきなブルボン朝最後の王妃
    【アンナトン】
     シェフの王であり、王のシェフ
     天才料理人

    ・近代(18~19c )
     メレンゲ
     パステル・デ・ナタ:ポルトガル、エッグタルト
     マドレーヌ:シェフのストで、女中が手がけたお菓子
     ババ:パリ最古の菓子店の看板商品
     …歯痛の主人のために。名前はアリ・ババから
     ガトー・マンケ:出来損ないのお菓子
     クロカンブッシュ:子孫繁栄の願い
     ババロア
     マロン・グラッセ
     ザッハ・トルテ:ケーキの王さま
     サバラン:美食家に捧げられたお菓子
     パルミエ:源氏パイ、豚の耳、語源はシュロの葉
     エクレア
     サブレ
     スコーン:スコットランド生まれ、運命の石


    【アフタヌーンティーの楽しみ方】
     サンドイッチ→スコーン→ペイストリー
     食べきらないのが正式
     ハンカチではなく、ナプキンを膝に

     モカ:アラビアの港町モカ
     クイニーアマン
     ミルフイユ:千枚の葉
     トルタ・パラディーゾ:マリア・カラスの愛したケーキ
     フィナンシェ:金の延べ棒ケーキ
     パリ・ブレスト:自転車レースの選手のためのケーキ
     クレープ・シュゼット:英国皇太子が命名した炎のデザート
     ブラウニー
     タルト・タタン:失敗の逆さまケーキ、ホテル・多端子
     ビュッシュ・ド・ノエル
     アメリカン・マフィン:パンでありスイーツ
     サンデー:日曜日にはクリームソーダを飲んじゃいけない?じゃあサンデーを食べればいいじゃない
     ダッコワーズ:最中な洋菓子
     クリスマス・プディング
     レモンメレンゲパイ
     イートン・メス:校内でのピクニック、バスケットの上にラブラドールが座っちゃった!
     サマー・プディング:イギリスの真っ赤な夏のごちそう、患者のためのデザートだった
     マシュマロ:祖先は咳止めキャンディ

    【氷菓】
     権力者を魅了したお菓子
     ローマ皇帝ネロ『ドルチェ・ヴィーダ』
     十字軍『ソルベット』
     →カトリーヌ姫とフランスへ

    【チョコレート】
     神の食べ物から、食べるチョコレートへ
     コロンブスはチョコレートに興味無し
     上流階級はチョコレートの虜
     ヴァン・ホーテンがココアに

    ・ 現代(20c ~)
     モンブラン
     パンナコッタ:バレリーナが恋人のためにつくったプリン
     トルタ・カプレーゼ:アルカポネが愛したお菓子
     ショートケーキ:日本生まれ
     パヴロヴァ:バレリーナのチュチュ
     シフォンケーキ:20年間、レシピが秘密だった
     チョコレートチップクッキー:失敗レシピ
     プリン・ア・ラ・モード:横浜生まれ
     キャロットケーキ:戦時下のイギリスで政府のニンジン推しで生まれた
     オペラ
     ティラミス:私をハイにして!失敗レシピ
     パフェ:完全完璧なコールドデザート。パルフェから日本でした独自に進化

    【発酵菓子とワイン】
     お菓子とワインは一緒に歴史を歩んできた
    【お菓子マップ】
     

  • 本屋さんで見かけて即購入。古代から現代までの様々なお菓子のルーツを探る本、これは、お菓子好き、歴史好き、うんちく好きとしては見過ごせないでしょう!
    見開き2ページで可愛いイラストと解説があって、軽くどんどん読み進められます。よく知っているお菓子あり、初めて見るお菓子あり、お菓子が別のお菓子へ発展する話ありで興味は尽きない。お菓子って地域に根付いた文化なんだよなあ…。
    この本はレシピが載っていないので、それが残念だけど、それはまた探してみよう。
    巻末にはお菓子の分布図や索引もついてて、いたれり尽せり、何度も開いてみたくなる本でした。

  • レトロな雰囲気のイラストがマッチしていて、読んでいるとお腹が空いてくる。
    お菓子の歴史と変遷を楽しめる一冊。

  • なじみがあるスイーツが、とんでもなく古くからあったことが知れて雑学的に読むのがおもしろい。そしてイラストがかわいかった!

  • 1つのお菓子に対して歴史等を紹介するページが1ページ。読み進めるうちにハマった。つい仕入れた知識を誰かに話したくなって共有してみたり。
    いつもはお菓子を食べすぎないようにセーブしてるけど、かわいい絵を見るとワクワクした。
    食べたことないお菓子も多く、今後食べる機会があることを期待すると楽しみ。自分で作ってみたいとも思った。

  • テーブルの上に置いてあるだけで癒される装丁
    お菓子(ケーキなど)の歴史がわかる手のひらサイズの可愛らしい本

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ライター。2007年、リトルプレス『Bon Anppétit』
を立ち上げ取材・執筆活動を始める。スイーツ・
料理のレシピ本制作に多く関わるほか、人物イ
ンタビューや店舗取材も手がける。野菜ソムリエ。
著書に『田舎・郊外でお店、はじめました。』、
『菜の辞典』(雷鳥社)、関連書籍に『オープンサ
ンドレシピブック』、『スイーツ便利百科』(誠文
堂新光社)、『Café Lisetteのお菓子』(エンターブ
レイン)など。

「2022年 『菓の辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長井史枝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×