案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844325444

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  • 受け手にとっては、まずベネフィットの質と量。ユニークであるかどうかは、その後。
    ベネフィットの質と量を約束していないユニークは、ゴミ

    クライアントへの提案   消費者への提案
     認知→理解→評価  → 認知→理解→評価

    ゴッホは偉大な作家だが、偉大さゆえに評価されたのではない。評価されたという歴史的事実ゆえに、偉大な画家という名誉を獲得している
    →選ばれたから価値が生じた

    売上げを上げずに、世の中を改善では、クライアントという立場からすると無価値

    理解は受け手の理解範囲において行われ、「評価」は彼の尺度によて行われる

    「なにを言うか」と「どう言うか」
    「どう言うか」は「なにを言うか」に先立たない
    ベネフィットを約束しないユニークなアイデアは、単にほかに類のないというだけのアイデアでしかない→ベネフィットを評価する尺度はあるが、ユニークを評価する尺度はない→評価されないアイデアは捨てられる

    アイデアとは、クライアントや消費者という受け手が、自分たちの欲求や目的を叶える為のベネフィットの約束である

    経験しなければ、知らない。知らなければ、想像もできない
    経験データベースを増やす

    その商品について想像しうることのすべてが、商品の全体像

    コミュニケーションにおける言葉とは、「約束と合意」
    ex. 「赤という言葉は、あの色を示す」という約束の下に、送り手が「赤」というと、受け手はその約束に合意しているから「はい、赤ね」とコミュニケーションがつながる
    →コピーライターは、受け手が知っているかどうかということも知らなければならない

    経験=なにかに遭遇して、それをきっかけに脳を動かして、脳に記憶として残すこと、蓄積すること
    ex. イタリアへ行って、なにと何を見て、何を買って、何を食べた→そして、どう感じたか、なにに違和感を持ったか、なにに感動したか、それはなぜか、なにを発見して、どんな感想を持ったか
    単なる経験=思い出<考えた経験

    「経験」の絶対量を増やそうとするなら、それを引き起こす原因を増やせばいい
    実経験
    「いい経験をした」というのは「いい出来事に遭遇した」のではなく「出来事との遭遇を通して、脳にいい経験をさせた」ということ
    経験は、脳にさせるもの

    単に不愉快だった、怒った、という事実だけでは意味がない。遭遇、接触したら、まず、脳を動かして、感想、怒り、類推、対応を意識化して、経験として脳に保存する作業が必要ではある

    脳内経験
    考えることは、経験である。その経験が、考えるきっかけになる

    脳内アングル=視点の複数化、課題をきっかけに考える経験、課題を見つめる視点
    脳内ツリー=複数化された視点をきっかけに、想像力を働かせてアイデアに到達すること

    主観は、偏見にすぎない。脳内アングルの目的は、全体像の把握と偏見の排除

    「課題」×「アングル」

    関係者のアングル
    中身のアングル
    時間的アングル
    働きかけのアングル
    「もしも〜」のアングル
    「〜できる(ベネフィット)のアングル」
    「異論反論のアングル」

    そして、来る発見の喜び

    選ばれるユニークとは、だれもが考えはするが、だれも考えつかなかったこと

    ユニークなアイデアのきっかけを見つけて、そこから想像力を駆使する。そのきっかけとは、自然と気持ちが動き出すアングル(結婚する女性から見た再婚)だったり、アングル同士が呼応すること(妻が見た夫のビール+娘が見た父のビール)
    「おとうさんと呼び始めるきっかけ「前のおとうさんに、さよならしに行く」
    「おとうさん、また飲んでるという視線が、おかあさんに似てきた私」

    提案が通らない
    それは知らないからだ
    知らないのは経験がないからだ
    経験の量こそ、自分の量だ
    経験には、種類がある
    経験は、意図的に増やせる
    極めつけは、脳内経験だ
    それには、アングルとツリーがある
    脳内アングルは、いろんな主観を見せて、主観が偏見に過ぎないことを教える
    課題の全体像を(できる限り)見せる
    重要な受け手の尺度も、主観のひとつだ
    経験データベースを拡充することによって、受け手の尺度も所有しよう
    アングルの中に、想像力が羽ばたくきっかけになる
    そこからは、脳内ツリーの仕事
    一気にアイデアまで到達すればいい

  • 2008年の本だが考え方は変わらないな、と思う。結局は、人を相手にしてる以上、そりゃそうか。受け手がベネフィットを理解できないと採用されない。当たり前、といえば、当たり前。


  • サクッと2時間(221ページ)で読めた「案本」。(表紙は淡いクリーム色、帯はオレンジ、中の差し色は真っ黄色)

    私はSuicaと暮らしています(JR東日本)
    ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ(オリンパス)
    未来は、希望と不安で、できている(三井住友海上)
    といった仕事(他超多数)をしてきた元電通のクリエーティブ・ディレクター山本高史さんの1冊。

    優しい語り口と楽しい突っ込みの混ざる文章(橙黄)で、講演会のように話しかけられているかのような2時間を体験。

    偏見である主観を「脳内アングル」を使って「ユニークすぎるアイディア」へ持っていく手法が載っている。
    経験データベースを蓄積し、脳内アングルを変えることでアイディア無限大。
    感覚を手法で教えてくれる1冊。

  • コピーライター山本高史の経験からくる発想法。彼から学んだことのある人は、よい復習本となるだろう。

  • 「20代で人生の年収は9割決まる(p.84)」で紹介されていた本。

    選ばれないアイデアは、ないのと同じ

    ユニーク

  • ビジネス
    マーケティング

  • 案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」

  • つぎの常識は、非常識な顔でやって来る!

  • コピーライターの人が、技術論として読むと物足りない。
    コピーライターになりたい若者が心構えとして読むと役立ちそう。

    で、素人の私が、ちょっとしたアイデアをもらうのに読むと丁度良い。

    疑似体験の話とかなるほどなと。

  • ユニークなアイデアを持って来いと言われて素直に持って行くと、相手には理解されない。
    わかりますよね。シンプルにわかりやすく物事を進める為にはどうすりゃいいのか?

    経験データベース。後天的に身に付けられる(付けようとしなくても生きている限り発生するが、意識してその事をDB化する)ものが自分の量であり、それを増加させることが大事。自分自身が知っている限りの人間でしかあり得ない。

    実経験だけでなく、擬似的に経験することも可能で、それを元に脳をどう動かすのか?
    主観は偏見であるという著者ならではだと思いますが、数多くの経験をすることで客観的に物事を捉えるアプローチを進めています。

    誰でもいつでもやれる方法で、今までとは違った答えを導き出せるようになれるかも。

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著者プロフィール

クリエーティブティレクター、コピーライター
1961年生まれ。85年大阪大学文学部卒。同年電通に入社。コピーライターと して活躍し、数多くのキャンペーン広告を手がける。2006年に電通を退社、 コトバ設立。
TCC最高賞、クリエイター・ オブ・ザ・イヤー特別賞など多数受賞。2013 年から関西大学社会学部教授も務める。

「2018年 『伝わるしくみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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