クリエイティブマインド つくるチカラを引き出す40の言葉たち

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844331001

作品紹介・あらすじ

「ピッカピカの一年生」「セブンイレブンいい気分」「ランボオ」など、広告史に残る数々の名CMを手がけてきたクリエイターが語る「ものづくりのこころ」。

感想・レビュー・書評

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  • メモ。

    ●想像力とは無からなにかを生み出すことではなくて、いつのまにかありふれた常識にとらわれ、がんじがらめになってしまっている自分に気づき、物事を本来の姿(イメージ)に引き戻す力である。
    ●商品に関する情報を単純に伝えるだけなら、方法はたくさんありますが、それだと理解はできるかもしれないけれど、受け手の気持ちが動くところまではいかない。要するに、尻尾のないエビフライを食べるようなもので、なんだか味気ない。
    ●単純なスペックを伝えるんじゃなくて、その商品があることで豊かになる日常を描いてみたり、そこから生まれる新しい価値を描いたりする。そうやって、感性や情緒に働きかけていくことで、受け手にメッセージを感じてもらえるんです。
    ●消費者の心になんらかの価値変容を起こさないものを「広告」とは呼ばない。
    ●「教養」は、英語だと「リベラルアーツ」。つまり、「自由になる技術」。知識は人を自由にする。
    ●「理解してもらう」よりも「感じてもらう」。
    ●アイディアとは思い出すもの。
    ●思いつけるかどうかじゃなくて、思い出せるかどうかが重要。
    ●アイディアとは、“だれか”に対して働きかけるもの。
    ●アイディアとは人間理解の仕方のこと。
    ●正論だけで人間を理解しようとしないほうがいい。
    ●なにかを生み出そうという人は、まずは自分を信じてあげること。

  • 全てがありきたりで、何一つ気づきを得られなかった。アイデア本としては無。

  • 言祝ぐ(ことほぐ)

    何かをしている自分を外から見つめ直す感覚

    自由と孤独は闘い取るもの(村上春樹)

    人様に迷惑をかけずになんて生きれない。加害者意識を持って生きろ

    海老フライはしっぽがあるから美味しい

    仕組みや理屈を追求しても幸せになれるとは限らない

  • 言葉にお金を払う時代。

  • 「アイデアとは、人間理解の仕方のこと」

    「新しい自分に出会えるのが楽しいから、いろんなことができるんだ」

    「『教養』は『リベラルアーツ』。つまり『自由になる技術』。知識は人を自由にする」

    「夢見がちな人は、クリエーターにはなれない」

    「クリエイティブは他人に見せるためのもの。コミュニケーションをはかるためのもの」

    などが印象的だった。

    書中に紹介されていた、村上龍『憂鬱な希望としてのインターネット』の言葉

    「私は人間の葛藤を描いたことはいちどもない。私が書いているのは、コミュニケーションについてだ」

    の一節が心に残っている。

  • テーマをロジカルにロジカルに追い詰めたその先に、ロジックを越えて生まれてくるのが本物のアイディア。

    クリエイティブな仕事をしていく中での支えになる言葉がちりばめられている。基本的なことばかり、と思う人もいるかもしれないがトップクリエイターは根底にしっかりと自分を支えるクリエイティブマインドを持ち続けているからこそ壊れずに第一線で活躍できるのだろう。

    「友情こそ本気で。同じ時間を咲くならばお互いを高められる時間にしたいと思う。」大きく共感。

  • ●僕らが出そうとするアイディアにはかならず課題があります。最初はそれをとにかくロジカルに追い詰めていく。そこからさらに追い詰めて追いつめて追いつめ抜いていくと、その先にロジックを超えて生まれるものがある。それが本物のアイディア。
    ●アイディアを生み出すテクニックは、ある程度体系化して備えておく。僕の場合なら、ひとつは新しいコンテクストの発見、つまりは新しい文脈づくりです。ある価値を伝える文脈や話法を工夫する。たとえば小さいクルマ=サイズが驚くほど小さいと描きがちだけど、小さいクルマとは思えないくらい広いと文脈を置き換えてみる。
    ●カンタンにいうとどういうこと?企画はひとことで言えないといけない。大切なのはタイトルづくり。企画書のタイトルの時点でメッセージの強さを感じるものは世の中に出してもたいていうまくいく。逆にタイトルに迷いのあるものやピントがずれたような曖昧さのあるものはうまくいかないことが多い。
    ●できない理由を考えちゃダメ。「スケジュールも予算もちょっときびしいですね」とつぶやいたときこう言われた。
    ●きみのアイディアは、きみだから思いついたものなんだ。自分が持っているセンスは最後まで信じないといけない。逆に言えば、アイディアを考えるということは「自分ならでは」をとことんつきつめて「自分にはこれしか出せない」と開きなおれるところまで考え抜かなくちゃいけない。
    ●変わらないために、変わろう。ヨーロッパの古い格言。時代の変化に引きずられて変えられてしまうと自分のいちばん大切な芯の部分を失いかねない。変えたくない部分を変えずにおくためにも先に自分から変わるんです。ピカソも、青の時代、キュビズムに傾倒した時代と、何度も作風を変えている。
    ●会社の親友は営業にもて!バラエティに富んだ仕事をして才能を発揮しているクリエイターには営業部門にかならず仲のいい友人がいる。
    ●すごいものをつくりたかったら、まわりのみんなを巻き込むんだ。努力や情熱は人にさらけ出したほうがいい、そういうると人は協力してくれる。
    ●賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。電通の資料室のリストを見ていてもそうだが、いいものづくりをしている人たちは、すごくたくさんの作品を見ている。歴史に学んでいるからこそ成功体験に安住することなく、どんどん新しいものを作っていける。
    ●逆をやれ。時代や受け手を裏切るだけでなく、自分自身を裏切り続けていく必要がある。
    ●カンヌでヨーロッパ人に「あなたたちはもうスクールボーイではない」と言われた。要するに「甘えるな」。「あいつらはズルい」と文句を言っているだけでは海外賞はダメ。
    ●山本五十六「やってみせ、いって聞かせ、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」
    ●「職人は二度学ぶ」
    ●クリエイティブの場合は「自分で勝手に育った」と本人が思うくらいの育て方のほうがうまく育つ。「お祭りを経験させる」小さな成功体験を味わせてあげていい刺激が受けられる機会や環境をつくってあげる。でも、こういう育て方はあまり感謝されない。
    ●人を育てるときに気をつけなければいけないのは嫉妬。育てる側が若いと、つい後輩の成長を妬んでしまう。それで、その嫉妬なり、焦りなりを、自分が成長するバネにすべきだと思うんです。教える側も立ち止っていないで、どんどん変わってかなきゃいけない。
    ●30歳を過ぎたら、自分のこと以上に他人や社会のことを思える人になったほうがいい。実際問題として、そういう人になっていかないと、作り手をしてはいい仕事ができない。
    ●広告であれ、デザインであれ、プロジェクトのプランニングであれ、クリエイティブな仕事はどれも、言ってしまえば、世の中との対話です。
    ●ずっといい状態がつづくなんてことあるはずがない。うまくいかない時期は「死んだふり」をうまくできるかが大切。おとしくして時間が経つのをじっと待つ。
    ●新しい自分に出会えるのが楽しいから、いろんなことができるんだ。新しいことに挑戦しようと思ったら、それなりのエネルギーが必要です。なにか新しいことをやるときは、さすがにうまくできるかなと少しは気になるけど、でも、思いきって飛び込んでみると、なんのことはなくて、たいていは思いもよらなかった自分に出会えます。「僕はこんなこともできるんだ」「こういうことに興味あるんだ」などあらためて気づかされたり。新しい自分との出会い、新しい友人との出会い、いろいろな新しいものとの出会い…、出会いはいつも、ワクワクするような未来を垣間見せてくれる。「希望」を与えてくれる。
    ●クリエイティブは基本的に個人のものだと思う。多数決の意識でつくられたものほどつまらないものはない。ただ、ひとりではつくれない。個の能力がぶつかりあって新しいものが生まれるべきだ。だから、個々が優秀でやる気に火がついている状態のチームがもっとも理想的だ。杉山恒太郎はそういうチームづくりをする。絶妙な言葉をもって。
    ●おもしろいものじゃないと価値がない。ただそれだけの基準であらゆるアウトプットと広告は競争するべき。広告の世界は閉鎖的、広告でしか通じない妙に小さなルールをたくさんつくりすぎてはいないだろうか。かつて広告はサブカルチャーだった、あらゆる他の文化が広告の動向を意識していた。
    ●学校のテストみたいにものをつくることになんの意味があるんだっけ?

  • 考え抜き、本質を研ぎ澄ますこと、その上でしっかりジャンプすること。それでも伝わらないことも多い。

  • 杉山さんの言葉はいつも腑に落ちる。

    僕はお会いしたことがないし、著作を読ませてもらうだけなのだが、それでも頼りになる上司のような雰囲気をいつも感じさせていただいている。

    この本は、まさにそんな杉山さんが電通の部下でありクリエーターである方々へリアルに発した語録を本人が解説しているものである。同じ業界の同じ職業につく者として胸に響くものがいくつもあった。

    仕事で先が見えなくなりそうなときは、この本を手にとるようにしたい。

    2012.07.25 読了

  • 心にしみる言葉が多かった。

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著者プロフィール

株式会社ライトパブリシティ 代表取締役社長
大学卒業後、電通入社。クリエーティブ局配属。1999年よりデジタル領域のリーダーをつとめ、インタラクティブ広告の確立に寄与。トラディショナル広告とインタラクティブ広告の両方を熟知した数少ないエグゼクティブクリエーティブ ディレクター。電通 取締役常務執行役員を経て、ライトパブリシティへ移籍、現在に至る。
カンヌ国際広告祭ゴールドほか、国内外の受賞多数。

「2022年 『世界を変えたブランド広告』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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