Design Elements 実例でわかるデザインの法則

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844359685

作品紹介・あらすじ

ルールは破ってもよいが、無視してはならない。プロのテクニックが実戦的にわかる必携書。デザイナーへの20の助言。

感想・レビュー・書評

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  • 広告は何らかの商品やイベントの情報をオーディエンスに知らせたら、最終的には購買意欲を煽っていく。しかしグラフィックデザインが目指すのは、とにかくメッセージを明確に伝え、そこに心を揺り動かすような経験を作り出すこと。
    グラフィックデザイナーは、言葉で提示されたコンセプトを咀嚼し、そこに形を与え、その形を体系的に再構成することにより、具体的なひとつの経験として味わうことのできる作品を作り上げる。この経験の内容を決めるのは、コンセプトやメッセージを表現するための形を創造または選択する、デザイナーのスキルと感覚だ

    ①コンセプトをもて
    ②飾り立てるな。伝わらなければ意味がない
    意味を伝えるのはフォルムであり、それが単純か抽象的かは問わない
    ③統一感のあるビジュアルで訴求する
    ④書体ファミリーは2種類、多くても3種類以内に
    ⑤ワンツーパンチの発想で
    最初に一番重要な部分に読者の注意を引き、次に残りの部分へと誘導する。大きな形やハッとするようなイメージ、印象的な書体の使い方、大胆な色使いなどで視線を集めたら、その他の重要性の低いアイテムの働きを論理的な方法で確実に抑制し、読者の視点を誘導する。要素間にヒエラルキーを確立する。わかりやすさや使いやすさを実現するうえで、階層化は不可欠。とにかく最初の注目点がはっきりしないデザインでは、勝ち目がない
    ⑥目的に合わせて色を選ぶ
    単なる思いつきだけで色を選んではいけない。色を組み合わせたときの効果を把握しておく必要がある。色は、心理的、感情的な意味を強く伝達する
    ⑦省いても実現できるのなら省く
    ⑧ネガティブスペースは魔法の道具。ただ埋め尽くすのではなく、つくり出せ。
    ⑨文字もイメージと同様に重視せよ
    文字はビジュアル要素だ。文字を構成するのはやはり線と点、形状、テクスチャであり、デザインに含まれる他の要素との構図上の関係性をしっかり考慮する必要がある
    ⑩判読できない書体は、書体失格
    ⑪普遍性はあるか?主役は自分ではないことを忘れるな
    ⑫寄せたり、離したり
    ⑬夜空の花火や夜明けの太陽のごとく、明暗をつける
    アンセル・アダムス ゾーンシステム(グレーの9階調)
    明暗の差異を明確にすることがポイント。もっとも明るい部分ともっとも暗い部分は別々の場所に集中させる
    ⑭目的意識をもって意思を貫け。中途半端は厳禁
    ⑮自分の目で測れ。デザインは視覚に訴えるもの
    ⑯イメージは自分でつくる。インスタント食品で間に合わせるな
    ⑰流行にとらわれずまじめに
    ⑱動きを付けよ。静止は退屈と同じ
    ⑲歴史に学べ。ただし、歴史を繰り返すな
    ⑳シンメトリーは究極の悪
    動きがない

    第1章 フォルムと空間
    人間の脳は事物のフォルムを観察することにより、それが何であるかを認識する。つまり、フォルムはメッセージ
    美しい=熟考された、明確に意図された
    円=無限、有機的、循環、細胞、全体...
    正方形=分析的、数学的、人為的、有限...
    線、量感(マッス)、質感(テクスチャ)
    横長のフォーマット=静 縦長のフォーマット=動
    正(図)と負(地)のコントラスト
    地と図の関係性が刺激的なデザイン=エネルギー・成長・流動性
    関係性が静的なデザイン=静けさ・抑制・瞑想
    関係性の強弱を決める要素
    ・空間内で相互に作用するフォルムの大きさ
    ・空間に対するフォルムの大きさ
    ・正と負の入れ替わり方の複雑さ
    明瞭性と確定性
    熟考された構図とは、各種要素の配置、大きさ、空間との相互関係など、あらゆる視覚上の論理が明瞭で、すべての部分が十分な計画に基づき相互に関連づけられている構図のこと
    イメージの洗練の度合い=いかにイメージの特性が生かされ、注意をそらす要素や矛盾する要素に邪魔されることなく明瞭に提示されているか?
    基本的なフォルム=点、線、面
    線と面は、幾何学的フォルムと有機的フォルムに分かれる
    面は、平坦なもの、質感のあるもの、三次元的な量感(マッス)を持つもの
    ドット(点) 
    注意が集中する対象 大きさに関係なく認識可能な中心点を持つ形状や塊であればすべてドット
    空間に導入されたドットは、空間との直接的な関係を築く
    ドットが中心を外れるにつれ、支配関係に変化が起き、背景が存在感を増し、緊張が生じる


    線の本質的特性は連結性
    構図の中にある複数の領域を結びつける働きをする
    ドットは焦点をつくり出すのに対し、線は空間を分断する、空間や対象物を結びつける、防護壁を作る、取り囲んで制限する、交差するなどの機能を果たす
    線を重ねるとリズムが生まれる
    線が太くなったり、細くなったりすると動きが生まれる


    面とは単に大きなドットである。ドットが大きくなり、その輪郭が重要な属性となって形としての感覚が強まると、面になる
    面の形状が負の空間の形状、自身の輪郭の特性、その表面テクスチャ(質感)などに影響を及ぼし始めたらそこが変化の境目

    幾何学的フォルム
    不規則性は有機的特性を感じさせる
    有機的フォルム
    不規則で複雑で、個々に差異が認められる形状
    表面活性
    ドットが大きさ、形、密度を変えながら集まると表面に各種の活性が生じる
    表面活性は、テクスチャ(質感)とパターン(模様)の2つに分類される
    テクスチャ=反復など明瞭な規則性を示さない表面活性
    パターン=幾何学的性質を持つ
    構図上のコントラスト
    コントラクトとは、明と暗、曲線と角、動と静などの対比的な関係

    紙面分割の手法
    ・3分の1の法則 人間の脳が、画面を3分割した分割線の交点に焦点を定める習性があることを踏まえた手法
    ・音楽的論理 7音階調における音程や和音の間隔をデザインに ABA、ABAC
    ・数学的論理 奇数比(1:3:5:7)、倍数比(1:2:4:8:16)フィボナッチ数列(1:1:2:3:5:8:13:21)
    ・黄金分割 正方形の左上の角と底辺の中点を直線で結び、底辺の中点を中心にその場を回転させて底辺に重ねると、黄金比を持つ長方形の底辺が定まる

    以上のフォルムや空間のさまざまな相互作用がもたらすものは「意味」である

    相互作用がメッセージを形作る
    フォルムが新しい意味を獲得するのは、空間的な関係性に関与したとき、質感や量感が他のフォルムと共通であるか、または相容れないとき、そして、角度・数・整列方法・間隔などによって相互作用が生じたとき

    第2章 色彩の基本
    色相 色合いの特性(加法混色、全てを混ぜると白になる、赤・青・緑)
    彩度 色の強度、鮮やかさを表す
    明度 色の本質的な明るさ、暗さ
    温度 暖色ー寒色
    写真にも温度がある

    色相
    色相環の近い色同士=類似、調和 遠い色=コントラスト
    類似色配色
    補色配色
    三色配色(トライアド)

    明度
    明度の違いでコントラストやリズムをつけることができる
    類似明度
    段階的配列

    彩度
    類似彩度
    彩度対比

    CMYKは、減法混色(重ね塗りされた色は暗く濁る)
    チントカラー
    色彩心理(自律神経系に与える影響)
    赤や黄などの暖色系の光は波長が長く、目から脳へと信号が伝わる過程でより多くのエネルギーを必要とする。それに伴うエネルギーレベルと新陳代謝率の上昇が興奮と解釈される。反対に、青、緑、紫などの寒色の光は波長が短く、脳に伝わる過程でさほどエネルギーを必要としないため、新陳代謝率を下げ、沈静効果が生まれる

    フォルムの輪郭と色から見る人は意味を読み取ろうとする

    第3章 文字の選び方、使い方

    第4章 イメージの世界
    イメージの様式(モード)
    イメージの伝達度 写真よりも同じ対象を写実的に描いた絵の方が伝達の度合いは高い。事実をそのまま描いただけの絵は、手の込んだ加工写真やコラージュより伝達の度合いは低い
    シンボルは伝達の度合いが高い表現形式
    指標(インデックス) 連想を通して対象を指し示す

    シンボル 具象的または抽象的なイメージで、意味する対象や概念とフォルム上の関連性をもたないもの
    アイコン 構造や形状が意味する対象と類似する視覚的サイン
    指標的サイン 意味する対象を間接的に表す
    スーパーサイン 2つ以上のサインを重ね合わせて一体化した複合サイン
    スタイルの異なるイメージの組み合わせ
    写真はドキュメンタリーを連想させ、現実を写すと仮定される。具象的、純粋、環境的で信頼できる
    イラストレーションは、個人的な作り出されたものと認識され、ファンタジーを思わせ、現実には不可能な状況や理想的な状態を示し、自然主義的なコンテンツさえも主観的に表現する
    物語の相互作用
    複数の写真を組み合わせると、それらの意味の力が増し、物語が生まれ、ストーリーが語られる
    2枚の写真があったら、その間の意味のつながりをもたせようとせざるを得ない=物語の推進力
    言葉とイメージ イメージは隣に現れる言葉によって変化しやすい
    同様にイメージが言葉の意味を変える力も大きい
    同時に提示されると、言葉とイメージは単一のメッセージを作り出す。その場合、両者は相補的にメッセージを伝えるため、どちらも見る者の頭の中で真に変化はしない。すなわちそのメッセージは、ゲシュタルトである
    それに対し、どちらか一方が先に提示されると、次に提示される言葉またはイメージの影響を受ける前に、見る者は意味を組み立てる機会を持つ。そうすると、意味のギャップは大きく広がり、変化の衝撃はより劇的になる。短い間に、先に見た言葉またはイメージの意味を理解し、そこに馴染んでしまった者が、そこで想定された状況を捨てて、発想を変えなければならなくなるから
    メタファー
    メタファーとは、関連性のない概念に言及し、付加的な意味を作り出す表現(言葉や語句)のこと

    第5章 すべてをひとつに
    グリッドシステム
    コンセプトの視覚的比喩表現
    グリッド構造がなくても全体を統率するアイデアがあれば、一連の構図はある種の統一性を獲得することができる
    文字とイメージの視覚的関係
    形式の一致と対立
    段階的変化と律動的変化

  • 書棚に見当たらず、どなたかお持ちですか?

  • 1.コンセプトをもて
    2.飾りたてるな。伝わらなければ意味がない。
    3.統一感のあるビジュアルで訴求する。
    4.書体ファミリーは2種類、多くても3種類以内に。
    5.ワンツーパンチの発想で。(一番重要な情報をパッと見でわかるように。その後残りの部分に)
    6.目的に合わせて色を選ぶ。
    7.省いても実現できるなら省く。
    8.ベガティブスペースは魔法の道具。ただ埋め尽くすのではなく、つくり出せ。
    9.文字もイメージと同様に重視せよ。
        スタイルの似た書体は使わない。使う場合は大きさを変える
        段幅が広いほど、(1行当たり70文字)行間を空ける。(行頭をわかりやすく)
        1段落目はインデントを入れない。スペースはバラけさせる。
    10.判読できない書体は、書体失格。
    11.普遍性はあるか。主役は自分ではないことを忘れるな。(メッセージは的確に伝わるか)
    12.寄せたり、離したり。(要素にリズムを)
         構図上のコントラスト→明暗、曲線と角、静と動
    13.夜空の花火や夜明けの太陽のごとく、明暗をつける。
    14.目的意識をもって意志を貫け。中途半端は厳禁。
    15.自分の目で測れ。デザインは視覚に訴えるもの。(データだけでなく、錯視の影響も考える)
    16.イメージは自分でつくる。インスタント食品で間に合わせるな。
    17.流行にとらわれず、まじめに。
    18.動きを付けよ。静止は退屈と同じ。
    19.歴史に学べ。ただし、歴史を繰り返すな。
    20.シンメトリーは究極の悪。


  • 【読む目的】
    デザインの構成、実例見る

    【感想】
    たのしーい!色んな模様、図形の心理的効果。
    色んな実例見れて幸せ。

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