ウェブデザインのつくり方、インターフェイスデザインの考え方。

著者 :
  • エムディエヌコーポレーション
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844362227

作品紹介・あらすじ

Webとスマートフォン、そして電子書籍をデザインするために必要なデザインのセオリーと技法をやさしく解説した、誌上「ウェブデザイン講座」。

感想・レビュー・書評

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    ウエッブデザイン

  • 全体のバランスよりも、情報の流れが一定がどうかが重要
    情報過多なウェブページにとってはホワイトスペースやそれに準じる余白の使い方は、コンテンツに集中させる唯一の手段
    文字に与えたサイズの差をジャンプ率といい、見出しを探しやすくする

  •  ウェブサイトのUIについて書かれた本。著者は矢野りんさん。中国の日本語変換エンジンをAndroidアプリとして日本向けに実装したSimejiの開発チームに所属している。現在はBaiduに所属している。この本はBaiduに所属する前あたりに書かれた本になるのだろうか。他にはウェブデザインやUIの研修などをテーマに講師活動もされている。この本は、デザインの考え方に関する講義、デザインの技法に関する講義、スタイリングに関する講義という3章で構成されている。一つのトピックは概要、サンプルとキャプション、コラムという構成がとられている。
     デザインの考え方に関する講義では、主に設計について説明されている。紙の書籍は見る、読むということが重視される媒体になる。一方でウェブデザインではそれに操作するという要素が加わる。であるためウェブデザイン、スマートフォンデザイン、電子書籍リーダのインターフェイスデザインでは設計を重視する。全体の8割がインターフェイスのデザインに要するといわれる。それだけデザインに対する妥当性と必然性が問われのだそうだ。
     インターフェイスはコンポーネントというユニットで表現でき、各パーツが機能ごとにタスク、オブジェクト、主題別カテゴリ、ツールとして分類できる。オブジェクトは写真、イラスト、文章など名詞で列挙できるものだ。送信や返信、ツイートといった操作の必要があるテキストかグラフィックがタスクになる。主題別カテゴリはオブジェクトが生成された時系列で表現されるもの。FacebookやTwitterのタイムラインがそれにあたる。個々の操作がタスクだったのに対し、アプリケーションの切り替えや全体的な動作がツールになる。アプリケーションのランチャーやログイン機能など画面の上層部に配置されるものがツールにあたるそうだ。またレイアウトパターンの最小構成であるモジュールについても説明がされていた。
     カテゴリを作る際に目安となる数字やアイコンの特徴、可変のレイアウトや端末別のレイアウトが説明されている。他にもインターフェイスの設計書となるワイヤーフレームやモックアップについてもふれてある。
     デザインの技法に関する講義では設計か装飾に分類できない内容を扱っている。レイアウトやグラフィックデザイン、情報や文字について書いてある。タブインターフェイスや2分割レイアウト、情報を整理して見やすくする方法や、狭いスペースを有効に使うことのできるプルダウンメニュー、アコーディオンUIやカルーセルUIが紹介されている。なおユーザーインターフェイスの実装はJavaScriptとCSSを使うことになるが、そういった技術的なことには触れていない。あくまでUIの特徴や期待される効果について述べてある。
     スタイリングの技法に関する講義では、装飾について説明してある。コンポジションでは、グラフィックの構図について書いてある。3人の人がいた場合、各人の位置3点を線で結んだ三角形で構図を考える。点の感覚が広い場合は安定感を、狭い場合は緊張感が表現されるそうだ。各人の角度が変わると動きのあるシーンへと変わるそうだ。
     また見出しの探しやすさを担保するジャンプ率について説明してあった。ジャンプ率は本文と見出しの文字サイズによって決まる、見出しが大きく本文が小さい場合は見出しを読み飛ばしやすくなるため情報を探しやすくなる。論文のような情報を探させるよりも読ませる類のコンテンツは見出しと本文のサイズは同じくらいにするといいようだ。
     他にもタイポグラフィについて書いてあった。文字と背景の明度差をつけコントラストをしっかりとり視認性を高める方法についても書いてある。
     カラーリングではカラースキームや有彩色と無彩色、補色、類似色、ナチュラルハーモニー、彩度対比、明度対比について書いてある。主に色彩検定で出る内容だが、ウェブデザインに最適化された説明がされている。
     矢野さんの本は今回4冊目になる。うち3冊はウェブデザインに関する本、1冊がデザイン現場に関するコラムだった。この本の内容の多くは、以前読んだ本と重複している。新しく見られるトピックはコンポジション、ジャンプ率、コンポーネント、モジュールといったところだろうか。新しいトピックに関しては面白いものが多かった。
     はじめにクライアントやチームに説明する参考書用途に書いたとある。デザインの専門学校か大学に通っていた人なら理解できるのだろうが、専門用語が多用されているため初学者向けには書かれていない。ある程度デザインについて理解のある方向きの本なのだと思う。

  • シンプルな構成で読みやすかった。

  • とてもシンプルで分かりやすかったです。
    HPを作ってみよう的な形式ではないので、順番に読み進めなくてもいいし、目次ごとに開いて参考にできるような構成になっていました。
    タイポグラフィについても書いてあったりして。
    HTMLやCSSなどコーディング寄りでなく、表面的なデザインやレイアウト寄りでもなくバランスがいい内容でもありました。

    私はWEBの知識、常識…常にアップデートしていかないと追いつかないと思いながら置いていかれています。
    これももはや2年前に出版されたものになってしまったので、もう習得されているべき内容でステージは次にいかないといけないのかもしれないけど。

    ただ、現在WEBのトレンドであると言われていることも一般的なユーザーにとってはマイノリティだったりもするので、本に常識がちょうど追いついてきたころかもしれないとも思います。

    私にはまだまだ使えそうなテキストです。

  • サイトの設計、デザインのディレクションにおいて参考になった。デザインのセオリーがよくまとまっているし、読みやすいので新卒の教育にも良さげ。

  • 各デザインに関するタグの表記はなし。新しいツールに向けたデザインの際の注意点などが書かれている。手元にあると便利。

  • Webデザインの基礎知識を幅広く解説した本。
    Webデザインを始めたい人が読むのにちょうど良いボリューム。
    デザインと言ってもアートなものではないのでプログラマも知っておいていいと思う。

  • 『ウェブデザインのつくり方、インターフェイスデザインの考え方。』矢野りん
    (レビュアー:デザイナー 伊波)

    Web・スマートフォン・電子書籍などのデザインに必要な技法や考え方を解説している本です。

    「UX」「整列」「ホワイトスペース」といったトピックスごとに4ページ~5ページ程度でまとめられています。それぞれ解説・具体例・コラムなどから構成されています。
    ちょっとした時間で技法ごとに少しずつ読み進めることができ、とても読みやすい本だと感じました。
    関心があるところから先に読んだり、辞書的な使い方もできると思います。

    私は技術書のような本を読むことがとても苦手で、実践しながら読み進めないとなかなか内容を把握できません。
    ですが、この本はビジュアルを効果的に用いた説明や実際のWebサイトの具体例があり、
    本を読むだけで使用する場面を想像し、理解を深めることができました。

    特に「なぜそのデザイン技法を用いるのか」という部分についての解説が非常に分かりやすいです。
    例えば「ホワイトスペース」の説明で、「余白には視線を集中させるという機能がある」という一文があります。余白が「何もない部分」ではないことはよく言われることですが、どのような機能があるのか、どのように用いると効果的なのかという重要な部分はこの一文を読むまで理解していませんでした。

    この本を読むことによって、「なぜこうなのか」をしっかり説明できるデザインを制作することができるようになると思います。

  • 紙のデザインと対比させながらウェブ特有のデザインノウハウをうまく網羅している。非常にロジカルで、サンプルも多く、個人的には良書だと思います。紙媒体のデザインの勉強しかしていない人にはオススメ!

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