リスクを取らないリスク

著者 :
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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本棚登録 : 265
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844373759

作品紹介・あらすじ

収入、キャリア、年金、資産…。何もしない=マイナスの時代。ニューヨーク、ウォール街で起業したファンドマネジャーが予測する「将来日本で起こるリスク」、知っておきたい「お金との向き合い方」、「お金で買えないものの話」。

感想・レビュー・書評

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  • 投資顧問会社ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC最高運用責任者という肩書を持つ著者。
    日本では楽天証券から、ホリコ・フォーカス・ファンド(自由の女神)という投資信託で日本に限って個人でも投資することができるようです。
    そして著者である堀古さんは、自分の退職積立金を含めたすべての金融資産を自分のファンドで運用しています。

    ちなみにアメリカの株式がはじめてならS&P500に連動するETFや投資信託で十分という正直な一面もあります。
    本書の内容からは少し外れていますが、こういうファンドマネージャー(運用責任者)は好感がもてます。

    日本では、自分が運用するファンドを自分で保有したいと思えるファンドマネージャーは指で数えられる程度かもしれません。
    著者自身の運用に責任をもてる証拠でもあります。

    本書は、リスクについて…リスクテイカーが恩恵を受けなければならない重要性であったり、リスクを取らなかった場合に起こりうるリスクについてであったり、非常に明快です。

    投資の世界でリスクというとボラティリティ(ブレ幅)についてと思われがちですが、本書の場合にはタイトル『リスクを取らないリスク』とあるように損をする可能性のほうのリスクです。

    全体を通じて読みやすく、最初にある行動ファイナンスで出てくるような問題から、アメリカと日本の中央銀行の使命の違い、為替の変動要因についての説明(金利平価説?)、株式と債券のプラス要因・マイナス要因など、説明の上手さに目からウロコに思えた箇所も多い。

    誇大ではなくタイトルに偽りなしでした。

  • 人間はリスク回避本能を持っている。
    リスクとリターンは需要と供給によって変わる。
    小額でも確実な利益を好み、小額でも確実な損は嫌う。

    現時点でリスクに見合うリターンがあるか。

    ボンジスキーム=自転車操業の詐欺。ローリスクハイリターンはない。

    リーマンショック後は、自己責任原則は適用されなかった。AIGの救済。

    AXA保険=リスクをとらないリスクを避けるために、保険金を支払って評価を勝ち取った。

    政策金利を0%にしても、長期金利は2.5%までしか下がらなかった。金利はマイナスにできない。長期金利を2.5%以下にすれば、実質的にマイナス金利になる=国債の買取など量的緩和。

    スィーニー夫妻の「金融理論とベビーシッター組合の危機」=お金の量が少ないと自己保全から景気が悪くなる。

    経済成長がないと税収は増えず、負債はたまる一方になる。

    人間は弱いものである=ほおっておけば努力しなくなる=努力に対するご褒美が必要。
    人間はリスクを回避したがる=リスクをとったものがご褒美をもらえる仕組みが必要。
    資本主義は、弱い、リスク回避、な人間に経済成長を促す仕組み。

    格差は広がる。貧困問題は別の問題。
    少子高齢化で負担は増える。高い経済成長がどうしても必要。

    円高の時代は終わった。

    株式は長期投資に向いている。年金資金など。

    生命保険は若い人のためにある。65歳以上の人のためではない。

    先進国の人口の伸びはアメリカ、カナダが高い。フランスイギリスも伸びる。イタリアが下がる。ドイツ日本が一番下がる。

    株式会社は株主のもの、をはっきりさせる。

    日本の会社は子会社が多く、よくわからない=リスクが高い=投資できない
    アメリカの株式が長期的にいい。円安にも有利。

    好きなこと、やりたいことを職業にするのは競争が多い。他人にできないこと、は需要が高い。他人にできることでも他人がやりたがらないこと、も需要が高い。

    信用は簡単にはつみあがらない。個人間オークションは信用で成り立っている。

    人間は弱いもの。このへんでいいか、と思い勝ち。スポーツ、芸術、音楽の一流の人たちを思い浮かべて、弱さを克服する。超越した人たちを見る。
    逆境に追い込む=資源の呪い=資源国の成長率は低い。

  • リスクをとるとはどういうことであるかとかリスクのとり方はどうすればよいのかなど納得がいく形で説明されている。投資するなら米国株がよい、それはなぜか、実行にはどう移せばよいか、も理路整然としていて好意的に読める。

  • 資本主義に関する理解が深まった。理論的に今の日本の問題が解説されていてわかりやすい。投資を始めたくなった。

  • 学校ではあまり教えられないが、資本主義経済の中で生きていく上で必要な感性はこういうものなのかも...。

  • ファンドマネージャーである著者の金融理論に基づく、これからの本当のリスク回避の仕方。
    攻めは最大の防御という言葉が個人的に好きなのだけれども、変わらないということはこの時代においては全く防衛になっていなくて「じゃあどうすればいいの?」ということをわかりやすく噛み砕いて説明してくれている。
    ただひとつ注意しなくてはいけないのは、何が正解なのかはやっぱり誰にもわからないということ。パックス・アメリカーナも有限だし。だからきっと「どんなときも攻めの姿勢でいること」が求められるのじゃないかなーと思った。
    それにしても、会社の年金積立の比率、もっと外国株式上げようっと。

  • 著者はニューヨークに拠点を置くヘッジファンドの運用責任者。
    アメリカと日本を例にとり、リスクを取った/取らなかった場合の経済成長の推移を解説。今後、日本に想定されるリスクを、更なる資本主義化、広がる格差、進む円安、年金カットと唱える。
    こういったリスクに備えるためのお金の運用やキャリアの考えかたを示し、「何もしないのではなくリスクを取りましょう」と〆る。
    リスクを取るといっても滅茶苦茶に過激なことが書かれてるわけではない。将来起こりうることに目を向け、自分で準備をしておきまきょうというメッセージ。

  • リスクを避けることは、その反対にあるリスクを知らないうちに引き受けることにつながる。投資をせずに預金だけをすることは経済成長のリターンが受け取れなくなる。また、インフレに対するリスクが大きくなる。想定される将来のリスクとして格差、為替、年金が取り上げられるが、このままではリスクを取らないリスクが大きくなる一方だと感じさせられた。まさに読みたいと思っていた内容だった。

  • リスクを取らないことが知らずして機会を損失させている それこそがリスクだ

    リスクテイカーになろう
    と背中を押してくれる

  • 言っていることは8割方同意できるのですが、文章の端々にどうも強者の理論のようなものを感じてしまいます。著者はアメリカでヘッジファンドまで立ち上げているとのことなので経済的は十分裕福であろうことは容易に想像でき、そういう人であればこういう考え方になるのだろうなとうなずかされます。ちょっと極端ですが、同時に読んだ鎌倉投信の本(投資はきれいごとで成功する)の読後感とは正反対です。

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