作品紹介・あらすじ
「残業しない社員はいらないと思っていた」元超ブラック企業の取締役がホワイト社長に変わるまで。
感想・レビュー・書評
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この手の経営ノウハウ本は経営者がブラックな側面はあまり書かれません。
しかし、この筆者は前職でブラックな企業をどちらかというと作っている側に近く、その反省を活かし現在の企業をアップデートさせた遍歴が理解できました。
女性経営者ということもあり、チームワークや共有の目線が常にあり、参考になりました。
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平社員と経営者の見方は全然違うんだなと実感
いくら給料よくて残業なくても
結局やりがいがないとダメなんだとわかりました。上からあれやれこれやれより
部下にまかせて色々なことに挑戦させたり意見をどんどんだしてもらう
女性は細かいしよくブーブーいうけどそれが女子の強みでもあるから、よく聞いてそれを少しずつ形にすればいい
そんなこんなでこの会社の福利厚生はユニークだが独特なものもある
まぁでもこの商品よく最近見聞きするので、諦めずここまでおおきな企業にしたのはやり手だと思う
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■「残業やめて売り上げが落ちたらどうするの?」
残業を減らすなら、その分効率よく売り上げをあげなくてはいけない。
⇒ランクアップ社ではセールスの方法を変えた
旧:1日100件くらい掛けていた電話営業
新:インターネット経由のプル型営業(オウンドメディア)に
■残業をゼロにした"3つのこだわり"と"7つの働き方革命"
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<こだわり>
1:欲しいものしか作らない・実感した製品しか売らない
2:消費者目線で製品をわかりやすく伝える
3:親切で丁寧なサービスを貫く
<働き方革命>
1:全社員に定時退社を徹底
2:毎月の業務の棚卸しでやる・やらないを選別
3:取引先を巻き込む理念共有型アウトソーシング
4:ルーティンワークはどんどんシステム化
5:事務職の廃止
6:業務スピードを上げる6つの社内ルール
7:17時に帰っていいよ制度
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売れる商品=製品の特長がしっかりしていて、消費者に伝わる
「ホットクレンジングオイル」
=クレンジングなのにまるで美容液、というコピーでヒット
⇒特徴が判りやすく伝わったのが要因
誰が何のために使うのか、を説明できることも要因の一つ
※「自分で使いたい!」がコンセプトだった為、使用環境まで明確だった
■ランクアップ社製品のヒット理由
・差別化した製品づくり
・わかりやすい広告力
・親切で丁寧なサービス
下記のような会社は世の中に溢れている
×:製品はすばらしいのに、販売力がない
×:製品も良く、広告もうまいけど、お客様対応が雑
×:広告はよくできているけど、製品がいまいちでがっかりした
■毎月の業務の棚卸しでやる・やらないを選別
・状況が変わったにも関わらず無駄なデータを取り続けている
・使っていない帳票の更新
毎月必ず社員の残業時間のチェックと共に業務の棚卸しをする
あふれた仕事はシステム化・アウトソーシング・ほかの社員にお願いする…など
場合によっては優先順位の低い業務のスケジュールを遅らせたり、
それでも残業が減らない場合は、その仕事自体を思い切ってやめてしまうことも
■アウトソーシングでやるべきことに集中
業務や作業をアウトソーシングすることで自分たちにしかできない仕事=考えることに集中できた
<アウトソーシングのコツは理念共有>
パートナー企業として、企業理念や方向性を共有することにしている
⇒仕事を細切れではなく、目的ごと大きく任せることが出来る
⇒パートナー企業が複数いる場合は引き合わせも重要(セクションごとの連携性が高まる)
■業務スピードを上げる6つの社内ルール
1:社内資料はつくりこまない
2:会議は30分
3:メールで「お疲れさまです」は使わない
4:社内のスケジュールは勝手に入れる
5:プロジェクト化
6:社内の根回し
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【定時に帰れるだけでは社員は幸せになれない】
※ランクアップ社がうまくいっていなかった時代の話
■経営陣vs社員という構図
社長と取締役の2人はよく話し合っていたが、管理職以下とは殆ど話していなかった
⇒2人の密室で物事が決まっていくため、大きな壁が出来ていた
社員からは会社の問題点として以下のような意見があがった
・経営者と話し機会が少ない
・経営者の意思が社員に伝わっていない
・人材育成のカリキュラムがない
・将来的な規模が見えない
・戦略が社員に伝わらない
・目標設定の背景の説明がない
・短期的な見方で戦略決定する、長期戦略が弱い
創業メンバーは自らが声掛けした人だからある程度通じるが、
4年目くらいから急激に増えた中途社員には経営陣の意思がまったく伝わっていなかった
(理念・価値観・方向性・社員への期待など)
■会社が生まれ変わった「挑戦」という価値観
価値観を統一すると何がいいかというと、「誰でもブレることなく判断が出来る」
A:不具合は多いけれど、最新技術のサービス
B:古いけれど安定したサービス
こうした選びにくい局面になった場合に、同じ選択肢が取れる
■組織に安定は無い
理念研修などを経て社内サーベイが上がった翌年にまた下がった
=理由:高得点が出て理念は浸透した!と思い込んで研修を実施しなかった
理念の浸透は継続し続けなければ意味がない
(今では3ヶ月に1回のペースで実施している)
■独自の制度「改善提案」
給与と人の悪口以外であれば何でも提案して良い、という制度
しかも1件書くと500円もらえる
例)
PC作業で目が疲れるから、PCメガネを支給してほしい!
⇒PCメガネ代4,000円まで支給
文章力を付けたいから小説も買えるようにしてほしい!
⇒好きな本を2,000円まで支給
美術館の代金も支給してほしい!
⇒それ意味ある?と思いつつも、複数人から上がってきたので仮採用
(1年を通じて美術館に行く社員が増えたら本採用)
■巻末FAQより抜粋
私たちの会社では価値観を「挑戦」に定めましたが、
その他にも「人の役に立つ」「チームワーク」「成長」「感動」「スピード」などの案があった
新卒社員は残業しています!
=覚えることが多いし、仕事が遅いから
先輩社員は量から質に転換しているので、効率と生産性を高められる
それが出来ないうちは、ある程度の残業は致し方なし
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【アンケート】暗黒時代になった理由はなんだと思いますか?
・経営者が社員の意見を聞かないから……64%
・経営者が社員を評価しないから……64%
・経営者が将来の方向性を示さないから……43%
【アンケート】暗黒時代からどうして抜け出せたと思いますか?
・経営者が話を聞いてくれるようになったから……50%
・社員がプロジェクトを行い、自分で決めれるようになったから……50%
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餅は餅屋に が印象的でした。
なんでも自分たちでやろうとせず、プロがやる方が断然早くて良いものができる。コストはかかるが、それ以上のものが帰ってくると思う。
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【気になった場所】
残業をゼロにした3つのこだわり
・自分たちが本当に欲しいものしか売らない
→誰が何のために使うかを説明できる
→商品特徴が強い製品
・消費者目線で製品をわかりやすく伝える
→お客様のお困りごとや関心ごとは何か
・親切で丁寧なサービスを貫く
アウトソーシング先との理念共有が重要
→仕事の目的ごと大きく任せられる
業務スピードを上げるルール
・社内資料は作り込まない
・会議は30分
・メールは本文から打つ
・社内のスケジュールは勝手に入れる
・プロジェクト化
・社内の根回し
社員のモチベーション
=業績伸長+残業減少+やりがい
社員一人ひとりを認めるには、賛同されなくてもいいので、価値観を共有する場をつくる
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この手の本によくある、昔ダメだったけどこうやって良くなりましたという流れで、入ってきた人は全員辞めてしまって離職率100%っていう話が書いてあって、「昔ダメ」が強調されすぎているように感じてしまい、たしかに働き続けるには厳しい会社だなあ印象を強く受けた。表紙を見ると、タイトルの「10年連続」の前に「売上」が入っているように見えるけれど、背表紙や奥付には「売上」がない正しい書名が書かれてあり、この表紙のデザインにはちょっと騙されたような感じがした。
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面白かった。書いてあることは全部理解できるけど、経営者にならないと見えないど真ん中では解釈できない悩みなんだろうなぁと。ある会社にとても状況が似ていて、なるほどなぁと思って読めた。
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岩崎裕美子の作品