職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-

著者 :
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844374350

作品紹介・あらすじ

31名の若きプロ経営者に聞いたリサーチ結果を分析、一挙公開!プロ経営者はなぜ経営者になり得たのか?経営者になるべき人が経験しておくべきこととは?コンサルタントや留学経験は必要なのか。人生を一変させる「経営者」という生き方。

感想・レビュー・書評

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  • 自ら起業するのでもなく、内部昇格で社長になるのでもない、外部から経営者として雇われる「プロフェッショナルマネジャー」について、どうすればそのようなキャリアを歩むことができるのかをまとめた本。

    筆者は戦略コンサルティング会社を経て、人事や人材育成などに関するコンサルティング会社を立ち上げた方で、この本では多くのプロフェッショナルマネジャーやこのような外部経営者を招いた企業オーナーなどにインタビューを行うことで、プロフェッショナルマネジャーの世界を解き明かしている。

    多くのプロフェッショナルマネジャーが、コンサルティング会社での勤務やMBA留学などを通じて、経営を学ぶ機会を持っている。

    しかし、これらが知識や資格として必要であるということではなく、このような経験を経ずにプロフェッショナルマネジャーになる人も、(少数ではあるが)存在する。

    むしろ決定的に必要なのは、自らの能力をストレッチしてくれる厳しい競争環境と、未知の業界や自分よりその世界でのキャリアの長い人たちの中で、それらの人たちをリードしていくために必要な人間としての力である。

    本書で掲載されている多くのインタビューは、このような点で非常に共通項があると感じた。

    また、それぞれのプロフェッショナルマネジャーが、必ずしも出世やステップアップに対して強いこだわりを持っている人たちだけではないという点も、印象に残った。

    むしろ、現場の課題を解決する当事者意識に導かれてこの道に入り、そのような意識をもって仕事をしていくことが、外部から登用されて経営者になる人たちには求められているのではないかと感じた。

    大企業においても社内起業や子会社の経営といった形で、組織をリードしていく経験を得る機会はあるが、全くの外部から経営者として雇われて短期間でその世界を理解し、信頼を得て、成果を上げていくというのは、非常にタフな仕事ではあると思う。

    しかし、筆者も組織を活性化させ、新しい視点でビジネスを再構築していくためには、このようなプロフェッショナルマネジャーの存在は重要であると述べている。

    日本においてこのような人材のストックやネットワークが構築されることは、これまで停滞しがちだった産業や会社を新しい成長軌道に乗せていくためにも、大切なことなのではないかと感じた。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/583086

  • ・コンサル、特にベインとBCG次いでマッキンゼー が多い
    ・学習
    ・収益責任、営業やマーケの経験
    ・30代半ばで事業部長

  • 以前読んだ本の中で推奨されていたので購入。

    感想。あまり備忘録として記録することはないが、プロ経営者のインタビューは面白かった。内容もタイトル通り。

    ・プロ経営者になるには、苦労の場数、30代のうちに収益責任を負った業務をやること(目安として6年間)、その実績をもって40代で経営者へ。

    ・やはり、、コンサル経験者が多数。著者は「必須ではない」というが、インタビュー31人中29名。

    ・たば、本の中でカーライルとCITICが、投資先のCEO候補として言及しているが、コンサル経営権は有力候補だが、それだけでは無理だと。コンサルのみでは、実行力が伴わない人が多い傾向にあり、プラスして収益責任をおって経営した経験が必要だと。

    ・インタビューの中では、コンサルで学ぶ戦略と、困難を乗り越える強さ、非合理にでも組織を動かすリーダーシップ、なるものの全ているのかなあと。

    ・また著者が自身の経験で「営業部隊を率いた経験、マーケティングの経験」がCEOには要るだろうと。それは40代手前になってから身に付けるのは難しいと。

    ・その他。「リーダーになるための必要条件は、リーダーになろうとする人」「常に職務経歴書を意識しろ」「20代、仕事に慣れた時に楽する人と、自ら自分を高める人の差は、30手前で大きな差になる」「大事なのは今何を知っているかではなく、これから何を学習するか」

  •  プロ経営者の要件やキャリアステップについて述べた本。プロ経営者とは、経営のプロフェッショナルとして社外から招かれる経営者。31名のプロ経営者へのインタビューを通じ、共通要素を抽出することでその成り立ちを探っている。
     以前に自身でも複数の経営者(プロ経営者以外も含む)にインタビューする機会があったが、そのときに聞いたり感じたりした内容と同様の内容が多く見受けられた。特にプロ経営者の特徴として感じたのは
    ・若いうちから自ら進んで修羅場を経験し、辛い場面にも耐えうるメンタルを形成
    ・修羅場を潜り抜けた経験が自信に変わり、未経験や想定外の事象にも冷静に対処できる
    ・結果、若くして経営者になることができる
    というところ。20~30代で成長カーブが鈍化してきたと感じてきたら、一読の価値がある。個々のインタビューの詳細はHPから閲覧でき、本書執筆以降にも追加更新されている。
     以下、備忘録。

    ■前提
    ・プロ経営者の呼ばれる会社は危機的な状況にある会社。成長戦略、V字回復の実現が義務付けられている
    ・常にしくみやセオリーがない未体験との闘いで、業界の知見は必須ではない。動じずに自分で戦い方を考える。よそ者にしか気付かない着想や行動に価値。必要ならひたすら勉強してキャッチアップできること
    ・リスクテイクして自ら決断を下し、その責任はすべて自身で負う(ザ・ラストマン)。決断の質と覚悟が常に問われる

    ■要件
    ・人を動かすため、合理性に加えて仲間への信頼や情が必要。社内ポリティクス、組織論や年長者の部下を動かすスキルも
    ・責任感をモチベーションに変える。打たれ強さ、タフネス
    ・さまざまな機会から学び続けること(ラーニング・アニマル)

    ■必要な行動・経験
    ・キャリア上で非連続な苦難(ストレッチ経験)を何度も経験
    ・自己効力感(できるという自信)を高める。高い目標設定→努力→達成を繰り返すことで高まる
    ・自分だけでやりきる→人を巻き込みみんなで結果を出す、業績を上げる→世の中に貢献するへ価値観をシフト

    ■その他
    ・社長がしなくていいことはない。優先順位をつけるのではなく、すべてのことに手をつけるのが経営者
    ・プロ経営者には有名校出身者が多い。受験という目標に向かって努力ができる
    ・コンサル会社での結果を求められるプレッシャー、事業会社での感情に訴えて人を動かす経験は、共に非連続な苦難の経験となりうる
    ・同世代の優秀なサラリーマンから抜け出すには、年齢に見合わない責任を自ら求めて修羅場を経験し、結果として異次元の成長を遂げる
    ・求人は外資系企業、ファンド系企業、オーナー系企業からが一般的。それぞれメリデメあり
    ・オファーを受ける際、職務経歴書が市場価値そのもの(beautiful resume)。事業責任者としての実績が経歴に必要(proven track record)。嘘は過去の所属会社にアクセスすればバレる

  • 寝る前にふと目に入って気になったので購読。

    プロ経営者とはなんぞや、実際のプロ経営者はどのような道を歩んできたか、について書かれている。

    なる早で収益責任持ちましょう、という点には学びがあった。

  • プロ経営者という職種を初めて知った。
    自分の特性的には近いものがあると感じて本を手に取ったが、当然険しい道であると書かれており。
    でも、面白そうな道だと感じた。
    自分の道はこれに決めた!と大それたことを言おうとは思わないが、まだまだ自分は甘いなと感じ、日々もっと精進せねばと思わされた。

    【印象に残ったフレーズ】
    ・プロ経営者は、プロスポーツ選手と同じ。自己研磨し、チームを勝たせる人が国内外で選び選ばれ、スカウトされ、活躍する。
    ・3種類、外資系の日本支社長(本国から見れば事業部長レベル)、ファンド系から送り込まれる社長、オーナー系社長(中小企業含む。オーナーから声がかかって就任することが多い)。
    ・結果がすべてで解任と常に隣り合わせだからこそ報酬も高い。Pay at Risk.
    ・継続的な学習、非連続の経験(試練)、プロフェッショナルを極める経験、ロジックだけでなく感情に訴えて人を動かす経験
    ・マネジャーは組織上の役割を全うする者でHOW主軸、リーダーは人の信頼を勝ち取り動かし正しきあるべき姿に向かう者でWHAT主軸。
    ・敵対心すら抱く年上の部下や古参社員の信頼を得る、このリーダーと仕事をすると自分にいいことがあると思ってもらう、そうして動かしていけないと機能せず、本当の成果は得られない。
    ・「自分で思ったてたほど優秀でもなんでもなかった」経験とそれを乗り越える経験をどれだけ積めるか ←まだ足りない
    ・職務経歴書を"beautiful resume"になるよう磨く。
    ・社長を任されるには、社長業や事業責任を負う経験が必須。40代になるなら、30代で1万時間の社長業や事業責任の経験が必要。
    ・人は学習を辞めた時に老いる。20歳の老人もいれば、80歳の若者もいる。
    ・最初の3〜4年は普通のビジネスパーソンと変わらない。20代後半は、並の人はゆったりし始めプライベートの充実を図るが、プロ経営者はむしろさらに成長曲線を上方修正する。そのためにMBAやコンサル転職で環境を変える。30代にはプロジェクト責任者となり、収益責任を負う事業責任者を経験。40代にはベテラン経営者として、社長職で迎えられて手腕を発揮する(ただしこのときも新たなもがき苦しみを経験し続ける)。50代以降も新たな地で新たな挑戦を続ける限り、新たな試練は待っている。
    ・時代や企業の成長段階や置かれている状況によって、とるべきリーダーシップの形を変える必要がある。専制君主、調整者、変革者、支援者などのタイプがある。(リーダーシップ3.0)
    ・リーダーシップとは、付き従う者がいること。それは信頼されることであり、それはリーダーの言うことが真意であると思ってもらえること。それは真摯さに対する呼応。

  • 多くの経営者の経験に基づいた考え方や失敗談が書かれている。もっと人数が少なくてよいので、より深い内容が欲しかった。コンサルは言うだけかと思っていたが、自らがトップで旗を振り、リスクに挑む人がいるとは知らなんだ(ーー;)

  • 今年トップ10に入るくらいいい本だと。

  • 31名にもおよぶプロ経営者へのインタビューを掲載し、彼らの失敗話などを多く紹介しています。
    プロ経営者という生き方もあるということを知った。

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