SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力
- クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2016年7月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784844374817
感想・レビュー・書評
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読みやすかった!
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長くSFA・CRMに携わっていらっしゃる方が書かれている本なので説得力がありました。
SFA・CRMは導入することが目的ではない。
「戦略の実行を軸とする売上・利益の最大化に向けたPDCAサイクルの運用を根底から支援する道具」だと書かれています。
非常に勉強になりました。
今度はPDCAを学び直そうと思います。 -
一般論が多いので、SFA/CRMをある程度知っている方よりも、まだあまり知らない方におすすめです。
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・「訪問すべきタイミングが来ている」という気付きを営業マンに与えるのと、「訪問すべき取引先に訪問できていない」という事実を把握させる(P13)
・SFA・CRMへの情報のインプットは、「営業マンが管理されるため」に行うものではなく、「情報を活用するため」に行うものであることを理解する(P32)
・必要な情報が、必要な時に必要な形で抽出できるよう蓄積される(テキスト入力にすると、入力者によって情報の質と量はバラバラになる)(P66)
・上位の組織で示される戦略・方針はある程度抽象的な内容にならざるを得ない面がある。戦略・方針を現場に下すときは、「自分たちの営業活動」として、具体的かつ分かりやすく咀嚼して部下に伝える(P74)
【現場目線を軽視し過ぎる】
・経営企画部門がパワーを持っていたり、上司の言うことは絶対服従というパワーバランスが存在する企業では、「あるべき姿はこれなんだから、やらせればいいんだ」というような考え方で、ルールを一方的に押し付ける(P.133)
【現場目線を重視し過ぎる】
・営業部門がパワーを持っていたり、上司が部下に対して遠慮し過ぎるパワーバランスが存在する企業では、現場独自のルールが幅を利かせており、現在のルールに合わせてSFA・CRMを導入することが目的となりがち、中長期的な視点が無視されがち(P.133) -
営業プロセスの見える化と
改善のPDCAサイクルを回すため導入するSFA, CRM。
ただ、導入すること自体が目的となっていることが多く、
結局上手く活用出来ていないという企業も多いと思います。
営業活動には人手が介在するところがきわめて多いため、
導入によって営業プロセスのどこに効果が生まれるのかを
しっかり考えたうえで導入しないと、宝の持ち腐れとなる。
ツール導入ではなく、営業プロセス変革マネジメントと
位置付けてSFA, CRMの効果を最大限に享受したいところです。
【勉強になったこと】
・部分導入を始めるときは、共通の営業プロセスとなる
部門全体に対して導入するのが正しいアプローチ。
戦略として回すPDCAサイクルが同じ組織をターゲットに
して部分導入を開始すること。
・営業プロセスを確立したら、確実にフィードバックを行い、
常に改善出来る仕組みを作ること。
・SFA, CRMによって情報を活用している組織の特徴として、
人とシステムそれぞれに対して以下のようなマネジメント
が出来ている。
人側のマネジメント:
営業の戦略・方針を現場に周知徹底できている
営業の戦略・方針を行動に移すことができる
実行プロセスのマネジメントに必要なモニタリングが
わかっている
実行プロセスと結果の数値情報に基づいて、
「改善」を繰り返している
システム側のマネジメント:
営業の戦略・方針を実行できる情報が共有できている
営業戦略の実行プロセスをモニタリング出来る
結果を分析するための数値情報が揃っている
・営業マネジメントの課題
自分たちの中で習慣化されているマネジメントサイクルが
どうなっているのか?
営業人員はどのような価値観を持って仕事に臨んでいるか?
営業人員は何を見て、何を判断しているのか?
・SFA, CRM導入において大切な7要素
①導入目的
②主導権・推進体制
③活用プラン二ング
④詳細設計
⑤ツール選定
⑥設定・開発
⑦教育・トレーニング -
「営業を強化したい」「売上を伸ばしたい」といった思いでSFAやCRMを導入する企業も多いかと思います。
しかし、「導入したものの有効活用されているとは言い難い」「一部の人しか使っていない」など、導入後の運用がうまくいかないケースも多いようです。
SFA/CRMに限った話ではないですが、目的がはっきりしないままシステムを導入しても、その効果が発揮できないまま終わってしまうことでしょう。
最終目的はあくまで「会社の成長、売上・利益の最大化」であり、そのためには戦略を実行するためのPDCAサイクルを回すマネジメント力の強化が不可欠です。
そのためのツールがSFA/CRMなのです。この軸がぶれるとせっかく導入したSFA/CRMも宝の持ち腐れです。
本書では、PDCAサイクルを改革するマネジメントを推進するためのポイントを「7つの要素」として整理しています。
はっきりいってシステムの導入自体は大した問題ではありません。運用を継続してPDCAサイクルを回し続けることこそが、最も難しく重要なことに気づかされることでしょう。