具体と抽象

著者 :
  • dZERO(インプレス)
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本棚登録 : 436
感想 : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844376576

作品紹介・あらすじ

永遠にかみ合わない議論、罵り合う人と人。その根底にある「具体=わかりやすさ」の弊害と「抽象=知性」の危機。具体と抽象の往復思考で見えてくる対立の構造と知性のありようとは?

感想・レビュー・書評

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  • メモの魔力でおすすめされていて気になってた!抽象化に市民権をというテーマ。最後は抽象と具体のどちらも必要、行き来がいるよと。

    表紙に書いているとおり、読んだ後は世界の味方が変わるかも。人との会話のとき、相手と自分の視点が、本に書かれていた具体と抽象の三角形のどこに位置しているかを気にしたら、噛み合わなさの理由がわかるかも。

    最後、国語と数学が抽象化の学びとしての意義を書いていたのが新鮮だった。そんな風に捉えられるのね、と。抽象化されたルールを使って具体的な答えを出してく、そんな例としてあるのか。

  • 考え方に関する本。

    一般に、抽象的=分かりづらい ⇔ 具体的=分かりやすい、という対比で捉えられがちだが、具体と抽象の構造を的確に捉え、役割を理解すれば、もっと議論や前に進む、抽象を毛嫌いしないようにしようよ、という提言がなされている。

    ある視点に立てば、具体は抽象になり、また別の視点に立てば抽象は具体になる。例えば、やり取りがなぜかかみ合わないのは、それぞれの説明力や情報量の問題ではなく、この「どの視点に立っているのか」の共有が曖昧だから引き起こる悲劇。

    これは、プランニング的にいうと、戦略と戦術の話に似ている。お客様への提案が外れたとき、それはきっと見ている世界が違った。プランナーとして、お客様の見ている世界にどこまで迫れるか、そしてそれを踏まえてどこまで超えられるかが肝となのでしょうね。

    そんなことを示唆してくれる本でした。

  • 読もうと思って時期を逸していたモノですが、2020年にヒットとなった「問題発見力を鍛える」と共に、内容が薄くて非常にガッカリ。この著書の本は字が大きく、薄い本なのに価格が高く、なぜだろうと思い、読んで更に失望することが続いています。相当に売れていますので自分の理解不足と偏見かもしれません。

  • なんとなく悪いイメージで語られがちな「抽象的」であるということについて、平易な言葉で分かりやすくその役割と生活での使い方、活かし方がまとめられている良本。抽象はマジックミラーで、具体にいる人からは見えない、という点に合点がいきました。抽象と具体を行き来しながら思考することを改めて理解できました。

  • 具体・抽象レベルが異なると、話が噛み合わなくなる。
    自分は具体の世界にまだいるなと感じました。仕事をしていても細かい指示が欲しいし、自由にやっていいとなると動けなくなります。能力がないのではなく抽象で考えられていないだけと捉えなおし、具体→抽象化する訓練をすること。それで"見える人"になりたいと思いました。

  • 【要約】
    抽象的なものの見方と具体的なものの見方の
    仕組み・特徴を、各章のテーマに沿って説明している本です。
    方法論や技術というよりは、具体⇔抽象のマインドセット・枠組みみたいなものを説明している感じです。

    【感想】
    ・共通点と相違点を考え、把握すること
    ・常に相対的な視点で考える
     (色んな立場、ポジションで考える)こと
    ・自分が今
     抽象的なレベルで話をしているのか
     具体的なレベルで話をしているのか
     を常に考えて、コミュニケーションをとること

     を実践していこうと思います。

  • 具体とは何か、抽象とは何かについて、20個の軸から平易な文章で明快にまとめられている素晴らしい本。
    つい具体的にばかり思考してしまう自分は、高校生か大学生くらいの時に読んでおきたかった。

  • 何冊か読んだことのある著者で、『具体と抽象』というなかなか興味のわくタイトルに惹かれて購入。

    内容はビジネス路線というか(カンタン系の)自己啓発といった感じでそれほど深みなくあっという間に読み終えてしまえるのだけど、具体と抽象ということについてあまり考えてこなかったのでいろいろと考えるところがあったのは確か。

    世の中の「具体的には?」系の困ったちゃんへの理解が深まった感じか。

  • 「具体」と「抽象」とは何かをあらためて解説するような内容。なのでわかっている人は「今更当たり前のことを」と物足りなく思うだろう。この内容を理解した上で思考に生かせるかどうかは読者次第。なので万人向けかもしれないけれど、how to的な本ではなくヒント的な本だと思った方がいいかも。

  •  抽象化とは複数の事象の間に法則を見つける「パターン認識」の能力ともいえます。身の回りのものにパターンを見つけ、それに名前をつけ、法則として複数場面に活用する。これが抽象化による人間の知能のすごさといってよいでしょう。(p.33)

     抽象化が上がれば上がるほど、本質的な課題に迫っていくので、そう簡単に変化はしないものです。「本質をとらえる」という言い方がありますが、これもいかに表面事象から抽象度の高いメッセージを導き出すかということを示しています。(p.57)

     数値目標や「形式をしばる」のは具体レベルでの目標設定にすぎないので、時に「本末転倒」が起こりますが、「実行重視」の人ならばその心配はありません。そんなことは百も承知の上で、あえて「形から入る」ことを確信犯で選択します。「抽象的な理想論」はその場では格好良く見えても、結局は実行につながっていないことがよくあるため、そのほうが行動に直接つながることをよく知っているからです。(p.108)

     アナロジーを利用したアイデア抽出の場面では、このような考え方がとくに重要になります。表面的な類似性でなく、関係性や構造レベルでの共通点と相違点に目を向けること、そして「要するに何が大事なのか」という本質レベルで共通点や相違点に目を向けること、それができれば抽象化というツールを最大限に生かすことができます。(pp.124-125)

     福沢諭吉は「高尚な理は卑近の所にあり」という言葉を残しています。まずは徹底的に現実を観察し、実戦の活動を通して世の中の具体をつかみ、それを頭の中で抽象化して思考の世界に持ち込む。そこで過去の知識や経験をつなぎ合わせてさらに新しい知を生み出したのちに、それを再び実行可能なレベルにまで具体化する。これが人間の知とその実戦の根本的なメカニズムということになると考えられます。(p.129)

     日常生活で言語として使うだけなら、「日常英会話」と同様、単語と慣用表現などの「日常日本語会話」だけ学べばよいのです。それをわざわざ膨大な時間をかけて、難解な長文を要約したり、自分の考えをまとめたりする練習をするのは、抽象と具体の往復運動という頭の体操のためなのです。そこが「国語」という教科が、単に「英語」とどうれるの「日本語」ではない決定的な違いといえます。(p.132)

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著者プロフィール

ビジネスコンサルタント
1964年神奈川県生まれ。東京大学工学部を卒業後、東芝に入社。その後経営コンサルティングの世界に。アーンスト&ヤング、キャップジェミニ、クニエなどの米仏日系コンサルティング会社を経て独立。専門領域は戦略策定や仕組み(業務プロセス、組織、IT)の改革。問題解決・思考力に関する講演やセミナーも多数行っている。

「2022年 『ビジネス思考力を鍛える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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