- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845627998
感想・レビュー・書評
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ジャコ・パストリアスという天才ベーシストの音楽と人生を各種音楽専門誌に掲載されたジャコのインタビューを中心に構成したドキュメンタリー。
ジャコの音楽のバックグラウンド、特異な音楽世界、そのテクニックなどが余すところなく、記述されている。巻末にはジャコ・パストリアスの年表とディスコグラフィを収録。
自分がジャコという天才ベーシストの存在を知ったのは、ウェザー・リポートの傑作アルバム、『ヘビー・ウェザー』と『ブラック・マーケット』の2 in 1カセットだった。当時はベースと言えば、リズムセクションの一つで、バンドの中でも縁の下の力持ちという日の当たらない存在だった。ところが、ジャコのベースはサックスやシンセサイザーと肩を並べ、時には先頭に立ち、まるで歌を唄うかのように美しいメロディーを奏でることに驚愕した。以来、35年以上に亘りジャコのファンを続けている。ブート盤やベスト盤を含め、数多くのジャコの作品を聴いているが、何度聴いても飽きることはなく、新しい発見がある。それだけジャコの音楽は奥が深い。
僅か35歳で急逝した天才ベーシスト。『…神様、ありがとう。』が最後の言葉だったのか‥
ジャコ・パストリアス、ありがとう!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不世出の天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスのインタビューを集めたもの。
2010年に出版された書籍の文庫化になる。
「ADLIB」誌と「SWING JOURNAL」誌に掲載された全インタビューの他、BBCラジオでのインタビュー、「ギター・マガジン」でのインタビュー等が掲載されている。
彼の終焉間近での奇行等がスキャンダルに喧伝されていたこともあり、インタビューも支離滅裂な内容なんじゃないか、と思う人もいるだろうけれど、内容はその全く逆。
どこまでも真摯に、どもまでも誠実に答えている彼がここにいる。
似たような質問が各インタビューで何度か繰り返されることもあるが、そんな質問に対して、常に同じような答えを返している。
ということは、インタビュアーやその場の雰囲気などでコロコロと答えを変えるようなことはせず、しっかりときちんと答えていることの証だろう。
僕もベースを弾く人間の一人であり(決して上手くもセンスが良くもないが)彼の存在はずっと意識していた。
初めて彼を知った後、自分が持っているフェルナンデスのジャズ・ベースのネックからペンチでフレットを全部外して「フレットレス・ベースだ!」と一人喜んだのを今でも覚えている。
そのフレットレス・ベースはとてつもなく弾き難く、2年くらいそれでプレイしたあと、新しいフレッテッドのネックを買ってきて付け替えた、なんて情けないこともやっていた。
それはともかく……。
音楽に対してどこまでも誠実であった彼の姿がここにあり、読んだ後には、やはりあまりにも早過ぎた彼の夭折を残念に思わずにはいられない。 -
「ジャコパストリアスの肖像」他の彼のCDを聴きながら読んだ。これまで以上にジャコはすごいと感じた。
ジャコがデビューした頃、そのベースを弾いている姿があまりにもかっこよくてその弾いてるマネがしたくて国産の安物のベースを買って鏡の前でポーズをとったりとあほなことをしていたが、それほどそそられたのだ。
ジャコが表紙となったり、記事となることの多かった当時のジャズ系の音楽誌を何冊か持っていたのに処分したことが悔やまれる。
ジャコがインタビューに答える一言一言に興味があるが、一番知りたかったのは30数年前に日本に来た時の不可解な行動とその後の破滅的な人生。
天才ベーシストに何が起きていたのか・・・この書を読んで未だ彼を凌ぐベーシストはいないと思った。