小説 微熱少年 (立東舎文庫)

著者 :
  • 立東舎
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845628070

感想・レビュー・書評

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  • 家族の誰かが買った古い本が出てきて読んでみた。
    立東舎ではなく新潮文庫だったかと思う。

    ナイーブさとタフさとが同居した青春小説。たぶん70年代ぐらいにしか出せなかった空気感ではないかと思う。
    文体は適度に軽くて読みやすく、ところどころに詩的な表現が登場してなかなかにいい感じ。

    16歳でバンド組んで、大人のバンドとセッションして、ビールを飲んで、レイプされている女の子を助けて、仲間の一人はミュージシャンとしてプロデビューして、自分で車を運転して跳ね上げ橋を飛び越えてなんて今の時代にはとても想像できない。自伝的な小説らしいので、当時としてはある程度のリアリティがあるのだろうか。
    タフなのはちょっと苦手だけれど、当時の若者と現代の若者とどちらに憧れるかと言われたら前者かなあ。

  • 高校生の時、友人から誕生日プレゼントとしてもらった。
    タイプライターでhappy birthdayと打ったカードや、英字新聞でのラッピングなど、かなりおしゃれな友人で、プレゼントに本も初めてだったし、すごく記憶に残っている。
    友人とは今も友人だけど、本は行方不明…。
    書評で見て、再読したくなり、図書館で取り寄せ。

    携帯のない時代の若者の日常、非日常、恋愛、今よりずっと吐き出す言葉のひとつひとつがウィットに富んでいて、大切で、もっと人の心を動かしてたんだなー。
    登場人物の会話に泣きそうになる。

  • 皆に伝わる、普段何気なく使う言葉の、松本隆の美しい言葉選び。
    十代のこんな恋、苦しいけど羨ましい。

  • 松本隆の詞の世界が大好きなので、これも一つのおとぎ話として楽しめた。
    この主人公も男の子らしくて好感が持てた。ナイーブで、引っ込み思案。そのくせムキになって危なっかしい事をやってしまう怖いもの知らずな所がある。
    若いな…と微笑ましく思う。

  • 作詞家・松本隆の長編小説処女作が文庫で復活。60年代音楽に夢中な高校生の甘酸っぱく希望に満ちた青春小説。風街をはじめ松本隆の原点となるモチーフと詩の世界感が随所に感じられる。

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著者プロフィール

アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター教授

「2020年 『ベトナム語版 わかる!話せる! 日本語会話基本文型88』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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