外科室 (立東舎 乙女の本棚)

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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845632961

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ『人でなしの恋』の中での文章キッカケで読みました。
    自分の夫のまだ分からぬ不倫相手に対して、
    「丁度、泉鏡花さんの小説に出てくる様な夢のように美しい方に違いない…。」
    と思い悩むところがありました。
    男性作家さんで素敵なお名前の泉鏡花さん
    (女性作家さんだと思ってました…)
    この作家さんの作品の中のひとつ。

    1895年(明治28年)「外科室」
    現代文ではないので、文体が古い事や時代背景の違いもあり、セリフ以外はかなり難しくて苦労しました。
    皆さんのレビューなどで、あらすじは大体わかっていたので、なんとか、かんとか読んでみて、美しい文章表現や心情描写なども自分なりに、感じ取れるように思いました…。
    身分違いの悲恋ストーリーですね。

    外科室での手術で、麻酔を拒否する伯爵夫人。
    〈貴下(あなた)は貴下(あなた)は私を知りますまい!〉
    その視線の先には外科医・高峰がいた…
    〈忘れません。〉!

    病人であるけれど伯爵夫人の艶っぽさある美しさと、凛とした潔さがとても、心に迫るように感じて残りました。
    ホノジロトヲジさんのイラストも
    とっても素敵でした。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      そうですね、良かったですね☆彡

      「夜叉ヶ池」というのもシリーズにあるみたいですね。戯曲ですね。
      これって、今検索してみたら
      勝地涼主演でテ...
      そうですね、良かったですね☆彡

      「夜叉ヶ池」というのもシリーズにあるみたいですね。戯曲ですね。
      これって、今検索してみたら
      勝地涼主演でテレビ初放送されるみたいですよ。衛星劇場7月23日
      17時30分から19時45分らしいです(*˘︶˘*).。.:*♡
      2023/07/22
    • かなさん
      チーニャさん、こんばんは!
      「夜叉ヶ池」も難しかった(^^ゞ
      読み切れないかも…って、心配だったけど
      なんとか、読めましたっ!

      ...
      チーニャさん、こんばんは!
      「夜叉ヶ池」も難しかった(^^ゞ
      読み切れないかも…って、心配だったけど
      なんとか、読めましたっ!

      戯曲を読むって結構大変…
      しかも、文体の理解がねぇ…
      戯曲を読むってのは、初めての経験でした。
      でも、やっぱり泉鏡花さんはスゴいです!

      そうそう、チーニャさんにせっかく教えてもらった
      テレビ放映、ウチ衛星テレビ観られなくって…
      ごめんなさい、観られませんでした<(_ _)>
      2023/07/24
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、こんばんは♪
      「夜叉ヶ池」凄いですねぇ〜。
      \\\\٩(* 'ω' *)و////♡

      衛星放送…
      実はウチも契約してなくて。妹の...
      かなさん、こんばんは♪
      「夜叉ヶ池」凄いですねぇ〜。
      \\\\٩(* 'ω' *)و////♡

      衛星放送…
      実はウチも契約してなくて。妹のウチに録画とか頼もうと思ったりもしたのですが、結局頼めなくて。
      こちらこそおさがわせしました。
      (。>﹏<。)ごめんなさ〰️い…!!
      2023/07/24
  •  乙女の本棚シリーズから、泉鏡花さんとホノジロトヲジさんのコラボ作品「外科室」です。イラストは前に息子がこの表紙が好きと言った、ホノジロトヲジさん…これは期待大っ!!でも、読み始めてすぐに、あれ?難しいじゃない(;・∀・)!ハードルがめっちゃ高め…目が点になっちゃったけど、とにかく読んでみよう!!

     ストーリーは、伯爵夫人の手術を外科医の高峰が担当することになり、術前準備を勧める中、うわごとを他人に聞かれたくないので麻酔はされたくないと伯爵夫人が拒否することからはじまる…。どんな説得にも応じず頑なまでに麻酔を拒否する夫人…それならば、と覚悟を決めた高峰は麻酔をせずに手術を決行するが、夫人は最期の力をふり絞って高峰に向けて「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」と…。それを受けて高峰は「忘れません」と…。なんとまぁ…すごい展開!ふたりは、9年前に偶然知り合っていて今まで秘めた思いを口にお互いがしたことがなかった…。

     あぁ…完全にネタばれしてます(^-^;)でも、こんな解釈でいいのか…それにも自信が持てないのです…。何しろ普通に読めず難しくって…でも、なんとか読んでみて、自分なりに理解できて、あまりのドラマチックな展開に泉鏡花さん、スゴイやって思いました!ホノジロトヲジさんのイラストも神秘的に感じられました。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      いやいや、いや。かなさん。
      私めはすんなりってわけにはいかず…。(笑)ムズカシカッタ~
      いやいや、いや。かなさん。
      私めはすんなりってわけにはいかず…。(笑)ムズカシカッタ~
      2023/07/21
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      でもこの文体だからこそ、
      この作品の良さが伝わって良かったと、読み終えて感じることができた気がしますよね(*^^*)
      でもこの文体だからこそ、
      この作品の良さが伝わって良かったと、読み終えて感じることができた気がしますよね(*^^*)
      2023/07/21
    • かなさん
      チーニャさん、正直ですねぇ~!
      私もホントは難しかった(^-^;
      でも、読みやすい風に修正されたものを読んだら
      ここまでは、ハマらなか...
      チーニャさん、正直ですねぇ~!
      私もホントは難しかった(^-^;
      でも、読みやすい風に修正されたものを読んだら
      ここまでは、ハマらなかったかもしれないですよねぇ~♪

      泉鏡花さんの「夜叉ケ池」今日図書館で
      借りてくるつもりです(*^^)v
      また、ない頭をフル活用して挑みたいと思います(汗)
      2023/07/22
  • 「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」

    「忘れません。」
    ー本文より引用

    ブクログで流行っている乙女の本棚シリーズ、改めて気になって久しぶりに手に取ってみた。
    なかなか文章が難しくて内容を汲み取りづらかったけれど、美しく幻想的なイラストと演出で想像力を働かせることができた。
    上記に引用した部分は、思わず身震いがした。その美しさに。
    理解しきれなかった部分は調べて脳内で補足しようと思う。
    →上の外科室での部分は理解できてたようです。下の植物園の部分がよくわからなかったので調べて良かった。
    このラストは…ふぅむ、なんとも言えない気持ちになります。

  • 泉鏡花とホノジロトヲジ氏がコラボした作品。この『外科室』、泉鏡花作品ってこんなに読み難かったのか、と思うほど内容が読み取れず。ググって解説を読み、何とか理解できた。短い文章から登場人物の心情を読み取る難しさを感じた。

    • かなさん
      借買無 乱読さん、こんばんは!
      泉鏡花さんの外科室、私も結構読むの大変でした…。
      表現が難しくって、読み切れるか心配になりましたよ。
      ...
      借買無 乱読さん、こんばんは!
      泉鏡花さんの外科室、私も結構読むの大変でした…。
      表現が難しくって、読み切れるか心配になりましたよ。
      なんとか、自分なりに解釈してレビュー投稿してみたけど
      ちょっと自信はもてないです(汗)

      このシリーズだと
      太宰治さんとか、江戸川乱歩さんとか
      読みやすかったと思います。
      2023/08/04
    • 借買無 乱読さん
      かなさん
      コメントありがとうございます。

      文章の読み解きって、難しいですね(T-T)。

      いま、同じ泉鏡花作『夜叉ヶ池』を読んでいますが、...
      かなさん
      コメントありがとうございます。

      文章の読み解きって、難しいですね(T-T)。

      いま、同じ泉鏡花作『夜叉ヶ池』を読んでいますが、こちらは"舞台の台本"的で、これも何となく読み辛い感じです。
      2023/08/05
  • 最低限の所作と、ダイレクトな言葉を使わない思いの伝え方から、日本的感性と趣を感じました。

    身分の違いから、一目惚れしても、どうすることも出来ずに心の奥底にしまい込むことしか出来なかった、高峰と夫人の切ない恋。

    9年越しに、手術室で、患者と執刀医として再開を果たす2人。他の人が入り込む隙すらないような、別次元を作り出しているような2人だけの雰囲気が、伝わってきます。

    ホノジロトヲジさんの、さらさら流れるようなイラストが、物語を淡々と進ませつつも、2人の想いを丁寧に現している感じ。

    皆さんも触れられている通り、泉鏡花さん、男性だったのですね。文豪ストレイドッグスでも、同じ名前のキャラクターいますが、女の子なので、てっきり女性かと思ってました。

  • すっかりお気に入りになった乙女の本棚シリーズ。
    ずっと読んでみたいと思っては、文章が難解で挫折して…を繰り返してた泉鏡花作品。
    それが魅力溢れるイラストと一緒だとこんなにもするする読めるようになるとは。文字フォントも組み方もとても工夫が凝らされていて、印象深いセリフがいっそう際立つようになっている。

    重篤な病を抱えた伯爵夫人は、うわ言を話してしまうのが嫌だからと手術直前で麻酔を拒否する。誰にも聞かれたくない秘密があるのだと、断固として譲らない様子に、困り果てる夫や腰元。
    執刀医・高峰が、そこまで言うならとメスを取り胸を割き、刃が骨にまで届かんとするとき、夫人は「あ。」と声を上げた。

    もう、そこからの展開がロマンチックなのなんなのって!
    伯爵夫人と高峰は、お互いが9年前に街ですれちがい一目惚れしあった者同士だと、そこで、外科室で気がついたのだ。彼女の秘密はこれだったのだ。この時代ではきっと絶対に口にしてはならない罪深い想い。

    「でも、貴方は、貴方は、私を知りますまい!」という叫びの、それを受けて後につづける高峰の「忘れません。」という一言がもうね。
    自分だけが一目惚れしたのだと思いながら、ずっと想い続けてきた相手が、なんと同じように自分に一目惚れしていて、それを「忘れません。」だなんて。死の間際にして初めて想いが通じ合ったのね。
    ロマンチックに魂を売った私としてはたまらない憧れのシチュエーションだわ。

    文章は相変わらず難解な言い回しも多かったのだけれど、それすら気にならないほど幻想的な世界に入り込んでしまった。
    乙女の本棚シリーズ、泉鏡花作品もっともっとおかわりお願いします……!

  • 「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」
    「忘れません」

    主人公である「私」は友人の髙峰医師の手術の様子を見学することになる。そこで彼が目にしたものは……

    あなたはこの結末をどう捉える?

    小説としても画集としても楽しめる「乙女の本棚」シリーズ

    純愛ですね

  • あまりにも月並みな言葉になってしまうが、「エモい」とはこういうことか……みたいな気持ちになります。

    お互いにお互いのことなど知らぬまま続くはずだったろう人生が、思いがけない再会により覆ってしまうのは運命的で素敵だけれど、だからと言って何を望むことも出来るはずもなく。
    「忘れません」という言葉が、彼女にとってどれだけ救われ、どれだけ嬉しいものだったかを思うには、どうにも想像力が足りない気がしてしまう……。
    文字通り墓場まで持っていくつもりだったのだろう、秘めたる想いは、もしかしたら血よりも鮮やかな赤だったのかもしれない……などと思ったり。
    彼岸の向こうで、二人はもう一度逢えるのでしょうか……。

  • 星4.5
    文章はとても綺麗だと思うが
    慣れるのに少し手こずった

    それでも伯爵夫人の壮絶な決意と秘めた思いは痛いほど伝わった
    一瞬の2人だけの世界も

    「絵本」を上手く使った色やページの使い方、そして絵もとても素晴らしい
    読む時はこの本で読んで欲しいです

  • あらすじは聞いたことがあったけど、読むのは初めて。古典が苦手な私にはハードル高いかぁ…とか思ってましたが読み出したら意外といけました。
    挿絵も美しいし、全方位におすすめします!

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著者プロフィール

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年)、小説家。石川県金沢市下新町出身。
15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。
1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠弥左衛門』を連載。
1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵』『義血侠血』などを執筆。1895年に『夜行巡査』と『外科室』を発表。
脚気を患いながらも精力的に執筆を続け、小説『高野聖』(1900年)、『草迷宮』(1908年)、『由縁の女』(1919年)や戯曲『夜叉ヶ池』(1913年)、『天守物語』(1917年)など、数々の名作を残す。1939年9月、癌性肺腫瘍のため逝去。

「2023年 『処方秘箋  泉 鏡花 幻妖美譚傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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