桜の森の満開の下 (立東舎 乙女の本棚)

著者 :
  • 立東舎
3.59
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本棚登録 : 376
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (88ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845634255

作品紹介・あらすじ

桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。
鈴鹿峠に住む山賊は、新しい女房をさらってきた。だが、彼女はどうも他の女たちとは違っていて、彼のことを恐れず、そればかりか......。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは萩原朔太郎『猫町』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、夏目漱石『夢十夜』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 坂口安吾 安吾忌
    久しぶりに読みました、1947「桜の森の満開の下」

    ぞっとする程美しい。
    幻想的でもあり、人智を超えた美しさ。
    美しいが為に 恐ろしさは増す。

    桜の下では、気が狂う。
    鈴鹿峠に住み着いた山賊。
    旅人から 美女を手に入れる。
    その美女を手に入れてから 山賊の生活は 一変する。
    エゴイストが更なるエゴイストに従属していく。
    美女と桜に共通する恐ろしさに気づく。

    何回か読んでますが、これも自分の体調?などで受け取り方が変わるんですよね。
    今回は、しきみさんの美しい絵の数々ですが、
    最も凄まじい女の“人の首の雛人形遊び”を もうちょい挑戦して欲しかったかも。



    • かなさん
      おびのりさん、こんばんは!
      これ以上怖い、人の首の雛人形遊びなんて(*_*;
      乙女の本棚シリーズじゃなくなっちゃいますよぉ…。
      おびのりさん、こんばんは!
      これ以上怖い、人の首の雛人形遊びなんて(*_*;
      乙女の本棚シリーズじゃなくなっちゃいますよぉ…。
      2024/02/18
    • みんみんさん
      ますます坂口安吾気になります…
      ますます坂口安吾気になります…
      2024/02/18
    • おびのりさん
      土瓶さん、かなさん、こんにちは。
      坂口さんですよ、手を出すには覚悟してくださいね。
      土瓶さん、かなさん、こんにちは。
      坂口さんですよ、手を出すには覚悟してくださいね。
      2024/02/18
  • 桜の森の花の下は、美しくも不気味で恐ろしい世界。美しさは時に人を狂わせる魔術。
    女との生活、また都での暮らしを経て、山賊の心境の変化と孤独が描かれている。
    最後は吹っ切れ、満開の桜に身を委ねた…と私は解釈をした。
    ラストの幻想的な場面は、切ないと思った。
    これは映像より舞台で見たいと思った。

    しきみさんの絵が素敵。
    山賊はイケメン過ぎないか^^;?対して女の美しくも妖しく、にたっと笑う薄気味悪さ。この若きイケメンなら憎めず感情移入してしまうなぁ。

    Ꮲ12、P71の山賊が女を背負う絵、これは冒頭の女を山へ連れ出す場面と、ラストの都での生活をやめ女と山に帰る場面である。同じ場所で同じ絵のようだが違う。
    特に後者では、山賊は満ち足りた気持ちなのか、これから桜の森の下で起こるであろうことを予知しているのか、口角を上げている。背中の女は既に鬼になり薄ら笑いを浮かべている。こういう細かい演出がいいなと思った。

    乙女の本棚シリーズの良さは、イラストとのコラボだけではない。
    文章だけのページであっても、各ページの色が、暗転や明転といった場面転換に効果的だということに気付いた。その色使いもキレイなのよ。
    私は乙女の本棚シリーズを電子書籍で縦方向スクロールで読んでいるのだが、ページを進めるごとに、舞台や紙芝居を見ているかのような面白い体験をすることができた。

    乙女の本棚シリーズ、いいです。これからも読み続けます。

    • アールグレイさん
      こんばんは★
      アールグレイと申します!
      先程はakiさんへのコメントで失礼しました。
      以前よりフォローさせて頂きたいと思っていました。私はミ...
      こんばんは★
      アールグレイと申します!
      先程はakiさんへのコメントで失礼しました。
      以前よりフォローさせて頂きたいと思っていました。私はミステリーは時々ですが、話題本は(ミーハーかな?)抑えたいと思うおばさんです。エヘ
      どうぞよろしくお願いします!
      (*。^)/
      2023/08/16
    • なおなおさん
      アールグレイさん、こんばんは。
      フォローをありがとうございます。
      こちらこそ、ブク友さんとアールグレイさんの面白い!?やり取りをお見かけする...
      アールグレイさん、こんばんは。
      フォローをありがとうございます。
      こちらこそ、ブク友さんとアールグレイさんの面白い!?やり取りをお見かけすることもあり、ずっと気になっておりました。
      これからもよろしくお願いします。
      私はミステリーが一番好きです!
      2023/08/16
    • アールグレイさん
      ブク友さんと私の面白いやりとり?それはいったいどなたでしょう?・・・ポプラさんとか・・・
      私を気にかけていてくれたとは嬉しい限り(^^)
      あ...
      ブク友さんと私の面白いやりとり?それはいったいどなたでしょう?・・・ポプラさんとか・・・
      私を気にかけていてくれたとは嬉しい限り(^^)
      ありがと~(-_-)zzzおやすみ
      2023/08/16
  • 乙女の本棚4冊目は坂口安吾です!

    坂口安吾といえば、そりゃあーた『不連続殺人事件』ですがな!
    ですが、こちらも傑作と名高い『桜の森の満開の下』でおます

    なんで「満開の桜の森の下」じゃないんだろうって思いません?文学的表現ってこういうことか!

    幻想的な世界観は伝わった!
    きしみさんのおかげてがっつり伝わった!

    でもなんかこうぶにゃっとした感じなんだよね
    もうちょっとで形になりそうなんだけど、簡単に形にさせるか!わし文豪やぞ!って言われてるみたいな読後感
    おお!これすごく良く今の気持ちを言い表せてる
    わい天才やな(どこがやねん)

    • 1Q84O1さん
      ひま師匠、「おネエの本棚」すでに4冊目ですか♡
      おネエの快進撃が続いてますね〜
      ひま師匠、「おネエの本棚」すでに4冊目ですか♡
      おネエの快進撃が続いてますね〜
      2023/08/26
    • ひまわりめろんさん
      一Qちゃんも早くいらっしゃ〜い❤
      乙女をリクエストなんて師匠超えのチャンスじゃないかしら❤
      一Qちゃんも早くいらっしゃ〜い❤
      乙女をリクエストなんて師匠超えのチャンスじゃないかしら❤
      2023/08/27
    • 1Q84O1さん
      おネエからの誘惑がすごい(;^ω^)
      師匠越えのチャンス、しかし、おネエの仲間入り!?
      悩む〜w
      おネエからの誘惑がすごい(;^ω^)
      師匠越えのチャンス、しかし、おネエの仲間入り!?
      悩む〜w
      2023/08/27
  • 坂口安吾 × イラストレーターしきみさんコラボ作品。
    素晴らしい作品でしたー

    〈桜の森の満開の下は怖ろしい〉
    昔、人々は皆、花の季節になるとできるだけ早く花の下から逃げようと思って一目散に走って通り過ぎる。
    そんな場所に一人でいたりすると人は、気が変になってしまうと思われていた…
    そんな昔のこと。
    鈴鹿峠に住んでいた一人の山賊と、その山賊がさらって女房にした、妖しく美しくも残酷な女との物語。

    この山賊は街道へ出て、情け容赦なく着物をはぎ、人の命も断つし女連れなら、さらっても来るようなむごたらしい男。
    既に、七人の女をさらって女房にしていて家に住まわせていた山賊。
    新しくさらってきたその美しい女は、男をすぐに支配して家にいた女房たちを殺させたりするような、残酷な女だった。
    また山より都に住みたいとわがままを言って、山賊を難なく従わせしてしまう。
    都に住む事になってからは、男が外で狩ってきた生首を使ってままごとのような「首遊び」を好んでする様になりその様子は、グロテスクでまさにサイコパス。
    わがまま放題のその女の言いなりになっていた男は、都の生活に馴染めないばかりか、徐々に孤独感や不安感を深めだんだんと内省的になっていく。
    そしてやっぱり山に帰ろうと告げて、女をおぶって連れて帰る道で…。
    桜の森の満開の下を通るのだが……。

    考えてみると、私は見渡す限りの桜が満開で囲われて一人っきりでいる、という経験はないですね…。
    想像してみましたが、圧倒的に幻想的な美しさの前では感動すると共に、美しすぎて怖いという感覚になる、というのもわかるような気がしました。
    そんな絶景には、だいたい多くの人がいる事が普通なので、一人っきりだと「怖さ」と共に「孤独」や「無力感」なども感じてしまうかもしれません……。

    この男にとってあまりに美しすぎるこの女が、
    桜の満開の下を通るときと似ていたと気がつくのです。
    「目も魂も自然に女の美しさに吸い寄せられて動かなくなってしまいました。けれども男は不安でした。どういう不安だか、なぜ不安だか、彼には分からぬのです。
    けれども…似ていることはたしかでした……」

    息をのんだのはラストシーンです。
    桜吹雪のなかの美しいラストシーン。
    余韻がしばらく残りました。

    この本も、しきみさんのイラストがとても幻想的で綺麗でした。

    怖いくらいに、とても魅力ある作品だと思いました。

    • かなさん
      チーニャさん、おはようございます。
      ホント、妻が生首で遊び始めたときには
      もう、怖すぎっ…って思ったけど、
      だけど、でも一番怖いのはラ...
      チーニャさん、おはようございます。
      ホント、妻が生首で遊び始めたときには
      もう、怖すぎっ…って思ったけど、
      だけど、でも一番怖いのはラストですよね…!
      じわじわっとくる怖さと
      すごく、きれいなラストの描き方!!
      余韻がいつまでも残りますね(*^^*)
      2023/07/29
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさ〜ん、こんにちは〜♪
      かなさんのレビューで気になってた衝撃的なラスト✿…。
      良かったです……。

      そしてホント、生首遊びの部分が、グロ...
      かなさ〜ん、こんにちは〜♪
      かなさんのレビューで気になってた衝撃的なラスト✿…。
      良かったです……。

      そしてホント、生首遊びの部分が、グロい表現で…怖すぎでした
      l||l( ºΔº )l||l
      サイコパスでありながらも態度は
      〈ツンデレ〉な可愛さを、持ち合わせているもところはあまりにも魅惑的でした…!!(笑)
      女の心情は描かれていなかったけれど掴みどころのない妖しさがあって。

      主人公の山賊は、人間らしい素朴な部分があるような男だと感じました。自分と女との価値観の違いを感じたり、孤独感、不安感などいろんな複雑な気持ちに、どんどんどんどん苛まれていくようでした。
      そんな想いが、切なかったですよね〜!!

      初めて読んだ坂口安吾作品。
      素晴らしい作品に出会うことができました。かなさん、ありがとうございます!✿*。✧~
      2023/07/29
  • 坂口安吾さんの作品に初挑戦しました。
    今まで何となく難しそうなイメージで敬遠してきましたが、乙女シリーズなら大丈夫。
    しきみさんの美しいイラストが、幻想的な世界へと導いてくれます。

    山賊の男は美しい女をさらって女房にするのですが、その女は大変なわがまま者。
    そして、わがまま女が夢中になったのが“首遊び”。
    そのグロテスクなこと!
    こんなに丁寧に描かなくても…
    綺麗なイラストがあっても気持ち悪いです…

    しかし、ラストシーンは圧巻です。
    満開の桜の下での描写は、鳥肌が立つほど。
    読み終えた時、しんとした無の世界に、ひとり取り残された気がしました。

    ラストシーンで好きな文章
    ……『彼は始めて四方を見廻しました。
      頭上に花がありました。
      その下にひっそりと無限の虚空がみちていました。
      ひそひそと花が降ります。
      それだけのことです。
      外には何の秘密もないのでした。』


    山賊が女と共に暮らすうちに経験した感情の変化が、すごく人間らしく思えます。
    そして人間の持つ「孤独」をひしひしと感じました。

    • aoi-soraさん
      かなさん、おはようございます♪
      首遊びはどんな意味を表しているのでしょうか?
      私はただただ怖かったのですが*⁠\⁠0⁠/⁠*
      でもラストは本...
      かなさん、おはようございます♪
      首遊びはどんな意味を表しているのでしょうか?
      私はただただ怖かったのですが*⁠\⁠0⁠/⁠*
      でもラストは本当に印象的ですね
      来年の春、桜を見るのが楽しみです
      (この余韻を覚えていられるかな^^;)
      2023/08/03
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      aoiさ〜ん、こんばんは〜♪
      読まれたのですね〜(*^^*)
      ラストシーンが凄く圧巻でしたよね!!
      鳥肌たった程、って私もそう感じました〜!...
      aoiさ〜ん、こんばんは〜♪
      読まれたのですね〜(*^^*)
      ラストシーンが凄く圧巻でしたよね!!
      鳥肌たった程、って私もそう感じました〜!!
      山賊の感情の変化がすごく人間らしく思えます、というところと、人間の持つ「孤独」をひしひしと感じましたというところ。
      aoiさん、そう私も思いました!!

      怖いところも多いのですが、かなさんもコメントされているように、すご〜く綺麗な余韻を感じ
      るラストでしたー
      レビューを読んで嬉しくなり、遅い時間になっちゃいましたが、コメントしました…☆彡
      2023/08/05
    • aoi-soraさん
      チーニャさん、おはようございます♪
      同じ感想うれしいっ(≧▽≦)
      ホント、余韻の中にいる時間もとても良かったですね
      近所に良い桜の木があるの...
      チーニャさん、おはようございます♪
      同じ感想うれしいっ(≧▽≦)
      ホント、余韻の中にいる時間もとても良かったですね
      近所に良い桜の木があるので、来年はその下に立ってみようと思ってます(⁠◠⁠‿⁠◕⁠)

      チーニャさんの本棚にいつの間にか乙女が溢れていて、いいね!を連打してしまいました(笑)
      スミマセン(^^ゞ
      坂口安吾さんの耳男は、相当怖そうですね…
      でもすごく気になるので、図書館にあったら借りたいな~
      2023/08/06
  •  乙女の本棚シリーズから、坂口安吾さんとしきみさんのコラボ作品「桜の森の満開の下」です。前に読んだ「夜長姫と耳男」が怖いお話だったので、また怖いお話かも…ドキドキしながら手にしました。

     鈴鹿峠に住みついた山賊の男は、桜の満開の時期になると胸騒ぎを覚え落ち着きをなくす性分であった…。ある日、いつものように金品を強奪しようと狙ったのは夫婦だったが、妻が美しすぎたこともあり夫を殺して妻を浚い男との8番目の女房としたのだが…この妻がわがままで男を意のままに操り、残虐で冷徹な一面を持つ狂気に満ちた女だった…。6人の女房を男に殺害させ1人は自分の侍女(女房の中でも一番容姿の劣るもの)とし、山での生活に嫌気がさすと都に出ることを強要する…。都に出た妻は、男に次々に生首を所望し、あろうことかその生首でおままごとをはじめるのだった…。男はそんな生活にあき、山に戻ることを決意…妻にそのことを伝えると、妻も男のいない生活は考えられないと…男はそんな妻と一緒に都を離れ、妻とともに桜の森の満開の下にたどり着く…。そこから、驚きのラストに…。

     妻の生首遊びの描写が怖すぎです…。桜はきれいだけれど、そのはかなさと美しさから魔性を秘めている…ラストは、なんとも言えないきれいな余韻を感じました。しきみさんのイラストもこの作品の良さを引き立てています。

    • つくねさん
      かなさん、こんにちはww

      山から帰ってきたら、乙女シリーズ満開じゃないですかww
      鈴鹿峠の山賊の話なんですね。峠の上に鏡岩ってところ...
      かなさん、こんにちはww

      山から帰ってきたら、乙女シリーズ満開じゃないですかww
      鈴鹿峠の山賊の話なんですね。峠の上に鏡岩ってところあって
      そこから通行人を狙ってたって名所がありましたけど、
      さらってきた女はとんでもない悪女だったんですね。
      どんなラストだったのか読んでみたく思いましたww
      2023/07/18
    • かなさん
      しじみさん、こんにちは!
      おかえりなさい(*^▽^*)
      コメント、ありがとうございます。

      こちらの乙女爆弾は
      日々増殖しています...
      しじみさん、こんにちは!
      おかえりなさい(*^▽^*)
      コメント、ありがとうございます。

      こちらの乙女爆弾は
      日々増殖しています!
      まだまだ、増やしていく予定なので
      万全の対策をお願いしますね(*^^)v

      そうそう、この「桜の森の満開の下」には
      とんでもない、怖~い女性が出てきます。
      ラストは結構衝撃的です!!
      よかったら、読んでみてくださいね(^-^)
      2023/07/18
  • 十八乙女読了です♪

    「Another2001」の後に「乙女の本棚」...
    この振れ幅はなんだろうσ( ̄^ ̄)?

    本作のイラストレーターはしきみさんです。

    「桜」って、私のみならず多くの日本人にとって、否、日本人のみならず海外の人々にとっても美しいイメージや春爛漫のイメージが強いと思っていますが、恐ろしいイメージってありますか?
    私にはなかった視点です。

    しきみさんのイラストに引っ張られてる感はありますが、This is「鬼嫁」って感じの作品でしたが、乙女の本棚シリーズでまさかの首あそびヾ(・ω・)ゞ

    思わずレクター博士が登場したのかと思いました^^;


    <あらすじ>
    『桜の森の満開の下』は、坂口安吾の短編小説です。江戸時代に鈴鹿峠に住む山賊の男が、盗みに入った家の美しい女をさらって女房にします。女は山賊に他の女房を殺させたり、都で首遊びをしたりと、残酷でわがままな性格です。やがて山に帰ることになった二人は、満開の桜の下を通りますが、そこで女は鬼に変化し、男と死闘を繰り広げます。最後には二人とも花びらとなって消えてしまいます。この物語は、桜の美しさと恐ろしさ、人間の孤独と虚無を幻想的に描いた作品です。




    人気シリーズ「乙女の本棚」第13弾は坂口安吾×イラストレーター・しきみのコラボレーション!
    小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

    桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。
    鈴鹿峠に住む山賊は、新しい女房をさらってきた。だが、彼女はどうも他の女たちとは違っていて、彼のことを恐れず、そればかりか……。
    坂口安吾の『桜の森の満開の下』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは萩原朔太郎『猫町』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、夏目漱石『夢十夜』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。
    名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
    自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

    内容(「BOOK」データベースより)

    鈴鹿峠に住む山賊は、新しい女房をさらってきた。だが、彼女はどうも他の女たちとは違っていて、彼のことを恐れず、そればかりか…。坂口安吾の『桜の森の満開の下』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られる、大人気イラストレーターしきみによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第13弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。

    著者について

    坂口安吾
    明治39年(1906年)新潟県生まれ。東洋大学文学部印度哲学倫理学科卒。アテネ・フランセにも通う。1955年死去。代表作に『堕落論』、「白痴」などがある。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『夜長姫と耳男』(坂口安吾+夜汽車)がある。

    しきみ
    イラストレーター。東京都在住。『刀剣乱舞』など、有名オンラインゲームのキャラクターデザインのほか、多くの書籍の装画やファッションブランドとのコラボレーションを手がけている。著書に『夢十夜』(夏目漱石+しきみ)、『押絵と旅する男』(江戸川乱歩+しきみ)、『猫町』(萩原朔太郎+しきみ)、『獏の国』がある。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    坂口/安吾
    明治39年(1906年)新潟県生まれ。東洋大学文学部印度哲学倫理学科卒。アテネ・フランセにも通う。1955年死去

    しきみ
    イラストレーター。『刀剣乱舞』など、有名オンラインゲームのキャラクターデザインのほか、多くの書籍の装画やファッションブランドとのコラボレーションを手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、おはようございます♪
      はい、良かったです。
      初歌舞伎鑑賞したのが、この作品だったことも良かったです。
      なるほど、ソメイヨシノがなか...
      かなさん、おはようございます♪
      はい、良かったです。
      初歌舞伎鑑賞したのが、この作品だったことも良かったです。
      なるほど、ソメイヨシノがなかった時代なんですね…。しきみさんのイラストもいわれてみれば桜の花びらだけだったです…桜っていいですよね❀·°コメントありがとうございます〜
      2023/10/09
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      ヒボさん、こんにちは♪
      行けましたよ〜❀·°
      桜吹雪と鬼だったり、歌舞伎にピッタリの作品だったと思います☆

      モネの展覧会もいいでしょうね。...
      ヒボさん、こんにちは♪
      行けましたよ〜❀·°
      桜吹雪と鬼だったり、歌舞伎にピッタリの作品だったと思います☆

      モネの展覧会もいいでしょうね。いくつかモネの睡蓮などの絵など私も観たことありますよ〰️。
      モネ、好きです♡

      コメントありがとうございます♪

      2023/10/09
    • ヒボさん
      歌舞伎もいつか見たいなぁって思ってますが、先に東京のモネ展に行って来ます(*`・ω・)ゞ
      まだチケット買ってませんが^^;
      歌舞伎もいつか見たいなぁって思ってますが、先に東京のモネ展に行って来ます(*`・ω・)ゞ
      まだチケット買ってませんが^^;
      2023/10/09
  • 山賊は盗みに入った家の女房の美しさに一目惚れし連れて帰るが、わがままな性格。山賊は女の言いなりで、盗みや人殺しを繰り返す。やがて山賊とその女、ビッコの女は都に移住する。さらに女はエスカレーとし、櫛や着物だけではなく、人間の生首を欲しがるようになる。山賊は女の欲望に辟易し山に帰るが、女も付いてくる。道中、満開の桜の中を通った時に女が老婆の鬼に変わり、女の首を絞めて殺してしまう。そこには鬼ではなく美し女であり、女の顔におちた花びらを払おうとすると女の姿は消え、山賊も消え去った。桜の花は怖い!感想会楽しみ!⑤

  • 『今昔奈良物語』の『桜の森の満開の下』のパロディー短編を読んだときにわからない部分があったので、今回読んでみました。挿絵とレイアウトのおかげでとても読みやすくなって、文豪作品の敷居がぐっと低くなりました。

    鈴鹿峠にある桜の森の花の下では花の季節になると、旅人は気が変になってしまう。この山に住む山賊は情容赦なく着物をはぎ人の命を絶つが、やはりこの花の下に来ると怖くなってしまうのだ。山賊がいつものように街道で男の着物と一緒に妻をさらう。山賊にはすでに7人の妻がおり、その女は他の妻たちを次々と殺すよう山賊に言う…

    現代では絶対に出版できない内容。とても残酷なのですが、この山賊がそうであるように、この女から目が離せません。冒頭から描かれる花の美しさが、妻の無邪気な残酷さを打ち消しています。

    なんででしょう。なぜだか感動する。文豪おそるべし。

  • 再読。
    高校時代に初読した時はちょうど手塚治虫の「火の鳥」を読んだ頃だった。山賊のイメージが『鳳凰編』大和の我王にダブる。

    鈴鹿峠に一人の山賊がいました。桜の季節、花の下では誰もが気が変になるのでした。山賊は街道で八人目の女房にする女を攫います。女が美しすぎたので夫を殺します。家に帰り着くと、女の言うままに七人いた女房たちを次々に殺します。女の言うままに都に住み始めます。女の言うままに殺した男女の首を持ち帰ります。女はその首を使って"首遊び"をするのでした。やがて山賊は都に住むことに飽き飽きして…。

    突然気になって再読したのは、たぶん、「鬼滅の刃」を見ていたからだと思います。桜の咲く季節がやってきました。

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著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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