刺青 (立東舎 乙女の本棚)

  • 立東舎
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本棚登録 : 147
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845636273

作品紹介・あらすじ

お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ

刺青師の清吉には、いつか理想の美女の肌に刺青を入れたいという野望があった。
谷崎潤一郎の『刺青』が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び、本シリーズでは坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 文豪の名作と人気イラストレーターがコラボしたという、乙女の本棚シリーズ。
    魅惑のラインナップの中で、ちょうど谷崎の刺青が発刊されたばかりだったのでこちらから読んでみました。

    清吉という凄腕の若き彫物師は、理想とする美しい女に自分の魂を彫りたいと切に願っている。
    そして漸くその娘に出会え、眠らせて背中に女郎蜘蛛を彫ってしまう。
    激しい苦痛に耐えて目覚めた娘は、臆病な心を捨ててすっかり妖艶に生まれ変わっており、清吉は真っ先に娘の肥料(こやし)となっていたのであった、という話。

    いかにも谷崎らしい耽美さ。女の美しさを描写する際の、圧倒的美を前に屈服するかのような丹念な文章表現は、何度繰り返して読んでもうっとりしてしまう。
    清吉が、駕籠から僅かに見えただけの娘の生足に一目惚れするシーンとか凄まじい。

    《その女の足は、彼に取っては貴き肉の宝玉であった。拇指から起って小指に終る繊細な五本の指の整い方、絵の島の海辺で獲れるうすべに色の貝にも劣らぬ爪の色合い、珠のような踵のまる味、清冽な岩間の水が絶えず足下を洗うかと疑われる皮膚の潤沢。この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろを踏みつける足であった。この足を持つ女こそは、彼が永年たずねあぐんだ、女の中の女であろうと思われた。》

  • 乙女の本棚シリーズは耽美か変態かの2択でチョイスされているのかしらと思う。刺青は耽美系。

  • このシリーズは、私にはいつも何が言いたいのか分からない。けど、イラストがあることで、幻想的な雰囲気になり、何となく世界に入り込める。それでなければ、読みきる気にもならないだろう。いろいろな作家とイラストレーターの組み合わせも楽しみだ。

  • 谷崎感

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著者プロフィール

谷崎潤一郎

明治十九年(一八八六)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治四十三年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和四十年(一九六五)七月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和二十四年には、第八回文化勲章を受けた。昭和三十九年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた。

「2021年 『盲目物語 他三篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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