エロスの涙

  • トレヴィル
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本棚登録 : 20
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845709489

作品紹介・あらすじ

バタイユが病苦と闘いながら自ら図版収集や編集まで手掛け、1961年に遺作として仕上げた彼のエロティシズム研究の集大成が本書である。まさに生涯をかけて暴力性と聖性の関係を究め続けた成果であり、その背景にある共通のオブセッションである「死」を暴き出す。また、膨大な図版と共に、バタイユ思想と美術の中のエロティシズムの歴史のエッセンスが比較的明快な語り口で展開される、格好の入門書とも言える。

感想・レビュー・書評

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  • とある論文でこの作品に収められている写真についての言及があって、そこから、辿り着きました。生と死のエロスの崇高さをつづった本で、私が思ってきた死の概念にとても近い。フランス語にいう絶頂が「小さな死」を意味するというくだりが目下のところ、一番考えさせられている部分。「絶頂」という言葉もそれにとても近いのではないかと思える。エロスは生よりも死に近い、という倒錯の美学は、人間の精神に刻まれたものだと私は信じている。ところで終章で扱われているフー・チュー・リーの百刻みは、彼を主人公にして物語を書こうと思っている。バタイユが魅了された彼の恍惚とした表情は、金沢にあるとある能の仮面にそっくりであることを見つけた。……猩々の面で、やはりフー・チュー・リーの顔は写真の偶然が生んだものではなく、陶酔のそれであることを確信している。

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著者プロフィール

▼著者
ジョルジュ・バタイユ(1897-1962)

20世紀フランスの総合的な思想家。小説、詩も手がける。
生と死の狭間の感覚的かつ意識的体験に人間の至高の可能性を見出そうとした。
その視点から、エロティシズム、芸術、経済など、人文系の多様な分野で尖鋭な議論を展開した。キリスト教神秘主義、シュルレアリスム、ニーチェ哲学などに思想の影響源がある。

「2018年 『太陽肛門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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