蝶のみちゆき (SPコミックス)

著者 :
  • リイド社
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本棚登録 : 137
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・マンガ (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845841509

感想・レビュー・書評

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  • たかが漫画されども漫画の凄み。息を呑み、吸い込まれ、引き込まれた瞬間瞬間に訪れる醍醐味と遊女・几帳の胸間に流れる情を汲みした時に思い感じる物憂いがしんしんと胸を打ち、しんみりとしつつもそれでも尚、几帳の凜とした儚さが惚れ惚れする程の美しさを醸し出していて、ただの悲壮感が残るだけでは無い名残欲しい読後感がまたも良い味わいの深さであった。あとは数ページぐらいカラーページがあっても良かったかな〜と表紙見て思いました。

  • 巧い。巧いよ。高浜さんの描く、暗い中に浮かびあがる様な絵と、遊郭の夢現に、遊女の心情とがマッチした世界。
    遊郭の夢現と言うと、男性視点の幻想が想起される事が多いが、この作品では遊女の側の視点。
    物凄く切ない。

    作中、本物の蝶が出て来るのは最初だけで、あとは遊女、かんざしと来て、ラストは強い光を受けて黒い影となった蛾で終わっている。
    几帳の心情の動きとしては、正にこの通りなのだろう。
    さらに言えば冒頭の蝶も季節外れに羽化したばかりである。
    几帳が本物の蝶をつかむ、つまりは幸せな現実を我が物とするのだと認識する事は無いのだろうか。

    気になって"火傷"の今後について少し調べてみた。
    これについては作品を語る上で蛇足だろう。

    カバーを外すと現在の風景があるので、お見逃しなく。

  • 長崎・丸山遊郭を舞台にした物語。
    遊女の静かな愛、それを見守る周りの人々。
    遊女を愛する出島の医師、遊女を恨む青年。
    すべての人たちが、なんだか切ない。

    本当はどうなるべきなのか、わかるのだけれどどうしようもない。
    共にあるべき人と、一緒にいることはできない。

  • 作者あとがきで感極る、後を引く内容でした。主人公の年表を追うような構成と詩的な情景などはとても説得力があって一冊ですがとても疲れます。
    それにしても健蔵はなぜもっとはやく迎えに行かなかったのか。彼は知っているのに!と考え始めるとちょっと震えてくるので忘れます。

  • 一本の映画を見終わったような感じ。
    灯りからの光の表現が美しかった。
    流れる雰囲気も、廓物にありがちな陰鬱なもの、あるいは強く明るいものではなく、どこか諦めを含んだような暗さ、穏やかさがあった。

  • ドロドロさを抑えた、綺麗な悲しさ。あのお医者さんはシーボルト?

  • 花魁が主人公のマンガはどうしても少女マンガよりになりがちなんだけど、この作品は比較的ドライで読みやすかった。
    主人公の切ない身の振り方がなかなか良い。

  • 純愛とはよく言ったもので遊女の話なのにいやらしさが無い、セックスをしても口ずけだけは好きな男とだけという几帳のポリシーと最後の性病にかかってもうすぐ貴方の元に行けるというラストシーンがなんとも言えなかったです。

  • 幕末〜明治初期の丸山遊郭を舞台にした物語。トーン先生ことボードウィン医師が丸山遊女に熱を上げていたという設定は作者によるフィクションだと後書きに書かれているが、微妙な愛憎がいい感じ。健蔵と几帳太夫との関係にもいえる。

  • 悲しい話なんだけど読後感は悪くない、むしろまた読み返したくなっちゃうところに高浜さんのストーリー構成の巧みさが光っていると思います。
    和装の日本人、外国人、子ども、老人、病人…これだけの登場人物が自然に描き分けられているのがすごい。

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