鬼切丸伝 4 (SPコミックス)

著者 :
  • リイド社
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本棚登録 : 21
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・マンガ (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845850631

感想・レビュー・書評

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  • 『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)、『オニマダラ』(黒谷シュウジ)、『うらたろう』(中山敦支)と、人に害を加える鬼が登場する作品は多く、これら三つは私的に良作、上の上と思っている
    この『鬼切丸伝』は当然、この三作品に負けていない、いや、人の業を深いトコまで描いているって意味じゃ、勝ってるな。やはり、楠桂先生のキャリアは伊達じゃない
    掲載誌が、『戦国武将列伝』から『コミック乱ツインズ』に変わっても、面白さが変わらないどころか、更に冴えを増したのは、さすがの一言
    歴史と人の記憶に、己の存在を名として遺せぬ事を恐れる戦国武将や偉人、英雄が話の主軸となっていたこれまでも面白かった
    だが、連綿と続いている歴史を作ってきたのは、名のある英傑だけでなく、名も知られていない、けれど、確かにそこで生きていた一般人だ
    そんな彼らもまた、不条理な現実に虐げられた怒りで、時には己の中に孕んだ身勝手な悪意に呑まれ、鬼となる
    哀しき、もしくは、醜き鬼の因果を断てるは、この世にただ一つ、鬼切丸のみ
    鬼を斬るだけの、血も涙もない存在でいられれば楽なのに、人の世に生き、人と触れ合う事で、素晴らしさや見苦しさを目の当たりにし、葛藤する鬼切丸。だが、彼は鬼を斬る事でしか、己の存在意義を保てぬ
    人に近づきながらも人にはなれず、さりとて、完全な鬼に至る事も出来ず、鬼切丸は中途半端な立ち位置で、己が何者か、を自問し続けるのだろう、これからも、鬼を屠り、人を知りながら
    そんな鬼切丸もイイが、鈴鹿御前も相変わらず。基本的に鬼切丸は揺れやすい性格ではあるが、ここまで彼をからかい、翻弄できる鬼の姫は彼女くらいだろう
    次巻で、彼女の出番があるのか、楽しみではあるが、また、鬼切丸が振り回される事を考えると、少し、加減してあげて欲しいもんだ、とは思う
    この(4)に収録されている話は、残虐描写も含め、どれもインパクトがある。そんな中でも強烈なのが、第15・16話「伊賀忍法怨敵鬼殺の章」だった
    先に一般人に焦点を当てているトコがいい、と言っておきながら、魔王・織田信長が登場する回かよ、と言われちゃいそうだが、それはそれ、これはこれ
    何より、この回のメインは厳密には織田信長ではなく、伊賀の女忍者・蓮華で、ストーリーの軸は彼女と鬼切丸こと髭切の束の間の平和な暮らし、そして、それが傲慢な権力者により壊される事だ
    守れたはずのモノを守れなかった、その悔恨の念は鬼切丸にまた一つ、変化の兆しを与えた。生きるとは何か、それを死により鬼となる呪いを文字通り、背に負っている蓮華と寝食を共にすることで考え、己の所業を顧みる
    この台詞を引用に選んだのは、鬼切丸の心の痛みが、ひしひしと伝わってきたので。惚れる、までは行かずとも、一人の女性への想い、そして、それを成就できなかった苦痛で己を責められるのならば、鬼切丸が悪鬼に落ちてしまう事はないだろう。人間にはなれないかもしれない、けど、彼には人の強さ、愛に感動を覚えられる心があるのだから

  • 舞台化もされたようですね。前作から引き続き主人公の物悲しさが救われることはないのでしょうか。

  • 相変わらずの抜群の安定感!
    安心して読めます
    が、以前はもうちょっと話が深かった気がします
    蓮華の話も、もっと深く哀しく描けるはずなのに…
    残念、

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