神田ごくら町職人ばなし (一) (トーチC)

  • リイド社 (2023年8月31日発売)
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本 ・マンガ (224ページ) / ISBN・EAN: 9784845861637

作品紹介・あらすじ

圧巻の描写でよみがえる、江戸職人の技と意地

「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」

ただひたすらに、ひたむきに……
桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。

伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作。


■桶職人
覚えときな。木ってのは生きてんだーー木を見つめ木と生きる桶職人の一日。

■刀鍛冶
自分が打った刀で子どもが殺された。灼熱の鍛冶場ーー多くを語らぬ刀匠の胸中は…

■紺屋
友禅染が大流行する中、藍染の意匠に悩む一人の職人。先の見えない仕事に心は沈むが…

■畳刺し
明け渡った吉原が男達の仕事の場。暮れの畳の張り替えに遊女達の冷やかしは付き物で…

■左官(一、二、三)
土蔵の普請場に奇妙な男が現れる。甚三郎と名乗るこの男、上方から流れてきたようだが…

感想・レビュー・書評

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  •  ごく稀ですが、琴線に触れビビッときた時だけコミックを登録しています。本作の内容紹介や表紙から想像し、エイッと購入したらまさにドンピシャ! 圧巻の描写に感嘆! 期待以上の傑作でした!

     物語の舞台は江戸時代の「神田ごくら町」(架空の街)。著者曰く、現代でいう日本橋周辺で、町名由来は「落語」をもじったものだそう。
     描かれるのは、江戸職人(桶屋、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官)による伝統の手仕事の技と意地、そしてその日常です。
     一話完結の物語が、五編(七話)のオムニバス形式で収録され、堅過ぎず構えることなく読めます。

     職人が魂を込め、ものづくりに向き合う姿。その様子を、江戸の街・仕事場を背景にして、虫の目・鳥の目、時に画角を変えながら詳細に描きます。
     その迫力ある作画は、道具や製作過程を丁寧に描き、台詞がなくても雄弁に語り、観る者を捉えて離しません。作画の表現がこれだけ人の心を動かすものかと感心します。著者のこだわりと熱量がひしひしと伝わり、江戸の風が吹き、"粋"を感じました。

     敢えての設定なのか、「畳刺し」を除けば職人が皆女性なのが意外でした。けれども、個性の書き分けがなされ、各話の味わいに変化をつけているようです。共通するのは、仕事に対するひたむきさ、生き様の美しさ・尊さでしょうか。輝いて見えます。
     第28回手塚治虫文化賞「新生賞」受賞

     トーチwebで連載され、本作の続編(其の八「蔵人」)や「金沢職人ばなし」も読めます。それでも、紙の質感を感じながら、書籍として読みたいですねー。続編と他作品の発刊が待たれます。

  • 江戸職人の技と意地にひきこまれてしまう。
    無口でただただひたすらに己の腕に全てを注ぎ込むような姿に圧倒された。
    「桶職人」「刀鍛冶」「紺屋」「畳刺し」「左官」
    このなかの畳刺し以外が、女であることにも驚いたのだが、そう感じさせない描写が凄いとしか言いようがない。
    道具の音が聞こえてくるようで。
    道具を持つ腕や手の表情に惚れ惚れする。
    紺屋の手が藍色に染まっていることすら美しいとさえ感じる。
    真剣な目に毎日が勝負だとすら思えてしまう。



  • ブクログの新刊ニュースで見て気になり購入。

    神田ごくら町の職人を描いた物語。

    其の一、桶職人
    其の二、刀鍛冶
    其の三、紺屋(藍染職人)
    其の四、畳刺し
    其の五、左官 一
    其の六、左官 二
    其の七、左官 三
    を収録。

    物語は面白い(個人的には其の二が良かった)のだが、主人公の職人達が女性(其の四を除く)というのが引っ掛かる。
    女性が桶職人、刀鍛冶、左官というのは、なんか無理があるような気がする(いたかも知れないが)。
    見た目も女というよりも少女っぽいし。
    女性の職人(と言えるかどうかは分からないが)ならば仕立屋、機織り、髪結等が良かったでは?

    作者は何故、主人公を女性にしたのだろう?
    まさか、「鍋に弾丸を受けながら」の作者みたいに二次元の過剰摂取で主人公を女性化(笑)したという訳でもないだろうけど。
    意外性、読者受けを狙って描いたのか?
    あとがきのページを授け、作者の意図が書かれていれば納得がいくのだけど。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      darkavengersさん
      > 豆腐を出汁醤油に漬けるだけ
      猫は、豆腐はほんの少しの薬味のみで食します(ズボラなだけ)

      > 是非...
      darkavengersさん
      > 豆腐を出汁醤油に漬けるだけ
      猫は、豆腐はほんの少しの薬味のみで食します(ズボラなだけ)

      > 是非、「まめで四角でやわらかで」も購入を!
      読むとしたら、此方が先かなぁ、、、


      2023/09/20
    • darkavengersさん
      猫丸(nyancomaru)さん

      ちゃんと薬味を添えるのだからズボラじゃないですよ。
      だって、薬味は切らなきゃいけないじゃないですか...
      猫丸(nyancomaru)さん

      ちゃんと薬味を添えるのだからズボラじゃないですよ。
      だって、薬味は切らなきゃいけないじゃないですか。
      2023/09/20
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      darkavengersさん
      にゃーー
      darkavengersさん
      にゃーー
      2023/09/21
  • トーチweb 神田ごくら町職人ばなし 【単行本8/31発売&特典情報】
    https://to-ti.in/story/gokuracho100

    トーチweb 神田ごくら町職人ばなし
    https://to-ti.in/product/gokuracho

    株式会社リイド社 » 神田ごくら町職人ばなし (一)
    https://www.leed.co.jp/9784845861637

  • どのページも息を飲むほどのリアルさで、読んでいてゾクゾクが止まらなかった。
    誇りを持って働く職人たちのかっこよさ、たまらない!

  • 職人のお話なのに、予想外の迫力があった(暴力シーン含めて笑)
    百年の品質を保証する仕事がかっこいい。この時代に生まれてたら、職人に憧れてたと思う。

  • 桶屋
    刀自
    藍屋
    畳職人
    花魁
    左官

    江戸の職人たちの仕事と迷いと成長と技術と物語

    ○仕事を丁寧に取材されていて、お仕事本としても
    ○物語も抜群にいい

  • 江戸時代の風俗習慣に興味がある者にとってはたまらない一冊。何と無く北斎の富嶽三十六景を思い起こす表紙につられて購入しましたが、良いものに出会えました。
    淡々と進む短編も良かったけど、人の繋がりが描かれている中編は殊更好き。

  • 西洋に席巻される前の日本人としてのメンタリティを感じる。

    庶民の渋味。

  • 「2024このマンガがすごい第3位」に選ばれた漫画なのですが、江戸時代の職人を生き生きと描写しています。武士にスポットを当てる本はいくらでもありますが、江戸時代の職人、しかも事件とかではなく職人の仕事そのものを描いている作品は珍しいのではないでしょうか。絵も綺麗で匠の技がよく伝わってきます。畳職人、桶屋職人、左官職人などの仕事への拘りがかっこいいです。

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