- Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845866175
作品紹介・あらすじ
まめに働き、生真面目で、だけど心はやわらかで……
髪結床で将棋さし、
長屋の子どもとひとっぷろ。
七輪かこんでカマスを焼けば
お猫がにゃ〜と寄ってくる。
江戸を生きた“ふつうの人々”の暮らしをやさしく丁寧に活写する傑作短編集、心にしみる完結巻
◉朝日新聞「読書」欄&「月刊 学校給食」掲載
◉フリースタイル「このマンガを読め!2024」第16位
【収録話】
手習い
髪結い
まじない
湯屋
観音祭
大八車
怪談
お盆
魚河岸
太平
稲荷ずし
屋根
七輪
火鉢
東風
感想・レビュー・書評
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下巻。
手習から始まる下巻目は、暮らしの幅が広がり知らない文化も楽しめる。
上巻の曝書も知らないことだったが、下巻もさまざまなことを知る。
まじないでは、良くない夢を見たときに「見し夢を獏の餌食となすからに心も晴れし曙の空」と三偏、早口で唱えるといいとか。
悪夢を翌日まで忘れられないときは、この歌を三枚書いて午前十時までに川へ流すこと。
湯屋〜お風呂やさんのこと。
観音祭〜各町から飾り盛り立てられた山車や神輿が出ていたようだ。
七輪に火鉢、これらは幼少の頃実家で使っていたことを思い出した。
あとがきに書かれていたが、江戸というのはどうも、時間もお金も「どれだけあるか」ではなく、「なににつかったか」が大事なよう。
数字で測れず目に見えないものの、愛しさとタフさよ。
確かに全体的に愛おしさを感じた。
言葉数が多いわけでもないのに表情で動きですべてを感じとれるというのが良い。
特に下巻の表紙の絵が良い。
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待ちに待った下巻。
上巻同様、読む度に物語の持つ「暖かさ」がゆるりゆるりと胸の中に染みていく。
個人的に好きな話は其の二十一の「大八車」。
そこに描かれた「ぶっきらぼうな優しさ」がたまらなく良い。
そして、涙もろい自分はいつもの様に........
下巻という事でこれで完結となるのが残念でならない。
こういう「良い」作品は もっと続けてほしい(同じリイド社の「コミック乱」辺りで)。
そして「暖かさ」に満ちた江戸の町とそこで暮らす登場人物達に又出会えるといいなあ。-
最近、土曜の早朝にNHKで「茂七の事件簿」を再放送しているのを見て、宮部みゆきの江戸ものはやっぱりいいなーって思っているんですけど。
da...最近、土曜の早朝にNHKで「茂七の事件簿」を再放送しているのを見て、宮部みゆきの江戸ものはやっぱりいいなーって思っているんですけど。
darkavengersさんは、宮部みゆきの江戸ものは読んだりしないんです?2024/05/03 -
本ぶらさん
自分は「茂七の事件簿」は本放送の頃に1、2回しか観た事がないんですよ。
そして宮部みゆきの作品は一度も読んだ事がないんです。本ぶらさん
自分は「茂七の事件簿」は本放送の頃に1、2回しか観た事がないんですよ。
そして宮部みゆきの作品は一度も読んだ事がないんです。2024/05/03
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フォローさせて頂いている方の本棚で見つけて、これは!と思って購入。
いいなあ、粋でいなせであたたかくて優しい世界。「まめで四角でやわらかで」という題名がぴったり。飢饉や疫病、改革、犯罪など色々なことはあれど、約260年も太平の世が続いたなんてすごいことだと思う。先日ついに明治生まれの人が日本にはいなくなってしまったけど、今、令和の時代に昭和を懐かしむように明治生まれの人は江戸時代を懐かしんでいたと思うとすごく身近だ―って思う。明治時代は約45年だから明治45年生まれでも江戸の時代はたった45年前のことだったと思うとすごいワクワクしてしまう。
江戸時代の小説が好きで、それに伴って江戸地図とか江戸の生活とか江戸の料理本など本も読んでいるけれど、こちらは漫画なので江戸の日常がすぐ目の前にあるようにとても身近に表現されている。こんな風な江戸文化紹介も兼ねたような読みやすい漫画ってあったかな。発想がとても良いと思う。
精密な絵ではないのだけど人間のまるみとかやわらかさがとても上手にやわらかいタッチで描かれていて子供は可愛いし、おばちゃんは本当におばちゃんだし、じいさんはじいさん、あーそこらへんにいそういそうって思いながら読んだ。昔購入したジブリのアニメーター近藤喜文さんの「ふとふり返ると」というイラスト集があって、その絵もすぐに動き出しそうだったけど、この作者さんも同じで今にも動き出しそうな絵で読んでいて本当に楽しかった。心躍る読書時間だった。また読み返す、何度も。 -
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猫丸(nyancomaru)さん
焦らず猫丸(nyancomaru)さんのいいタイミングで読んでください。
話は変わりますが、先...猫丸(nyancomaru)さん
焦らず猫丸(nyancomaru)さんのいいタイミングで読んでください。
話は変わりますが、先週の日曜に地元の一箱古本市に出店してきました。
その時隣に出店していたお店から、吉川ロカ本を見つけて買いました!!(値段は500円!!)
いやあ、これは いしいひさいちの作品の中でもかなりの傑作です。
猫丸(nyancomaru)さんも機会があれば是非読んでみてください。
2024/06/17
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穏やかな江戸の生活。
読んでいて癒される。 -
あとがきの
「江戸というのはどうも、時間もお金も『どれだけあるか』ではなく『なににつかったか』が大事なようです」
のひとことにぐっときた。
だから江戸に心惹かれるのかもしれない。 -
貸本屋の本のメンテナンス方法がわかって驚いた。蒸す工程は和紙だからできることよね?江戸初期ごろの設定なのかな。
黒繻子の襟とか、ちょっと飛び出している腰紐とか、当時の服飾なんかも興味深かった。江戸時代をもっと深めてみたくなってしまった。大阪ヴァージョンも読みたい。井原西鶴あたり。 -
江戸の町民の日常を描いた連作シリーズの下巻。
何気ない日常を丁寧に少しのユーモアを持って描く感じは上巻と変わらず。
落語や杉浦日向子ら先人の仕事の影響かもしれないけれど、江戸の町民の暮らしってなんかのどかでありながら刹那的でユーモアを処世術にしている印象があって、この作品もそういう系統にあるなぁと。 -
江戸の生活を体験してみたいな〜と思わされる。
絵の雰囲気が描かれている江戸の暮らしと相まってすごくいい雰囲気。
江戸では時間の感覚が今みたいにかっちりしてないから、なんだかゆるやかに感じるのだろうか。
金助がかわいい。 -
江戸の市井の暮らしを覗かせてもらっている感覚の読書でした。
この感覚に音と匂いがプラスされたら神の視点になるのでしょうね。
とてもたのしい読書でした。