映画ライターズ・ロードマップ―“プロット構築”最前線の歩き方

制作 : Wendell Wellman  吉田 俊太郎 
  • フィルムアート社
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845905720

感想・レビュー・書評

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  • ハリウッドの構成術を学ぶ本。
    プロットポイントの描き方などが書かれている。
    この本でしか語られないようなポイントも多少あり良かったが、全体的に文章が分かりづらく長い。

  • プロット、構成作りの本では一番おすすめかも。スナイダー著「SAVE THE CATの法則」とこの本があれば、ハリウッド3幕構成法はまず理解できる。後は映画をたくさん見て、自分でも脚本を書きまくればいい。

    <5 主人公を決める>
    ・主人公には、心に葛藤を持ち、果たせぬ夢のある普通の男や女というプロトタイプを用いるのが望ましい。何故か? それは、あなた自身がこのプロトタイプにとても近いからだ。新進の脚本家は、自分自身を主人公に重ねて書くのが通常だし、理に適っている。主人公の感情を正確にとらえ続けることができる。
    ・自分自身に正直である必要がある。問題と向き合う。心に傷があるのであれば、傷を負った過去の出来事をきちんと提示する。
    ・主人公は冒険を通して、他の誰よりも変化しなければならない。
    ・二つ目のカギは苦しみ。何故かと言われれば、とにかくそういうことになっているから(笑)。観客は主人公の苦しみを共有する。苦しまない主人公にドラマはない。苦しみが大きければ大きいほど、その映画はよい作品になる。かといって映画全体苦しみでいいわけでもない。楽しみも入れる。
    ・主人公はまともに墜落し、屈辱を味わい、利用され、裏切られる。それがあって初めて天啓を受けることができる。
    ・セリフは考えられているほど重要なことではない。ライターであるあなたが創作しなければいけないことは、むしろストーリーのシチュエーションを転換させることだ。シチュエーションに反応してもらい、解決させる。登場人物の本当の姿を描き出す。彼らが口で言うことはそれほど雄弁ではないのだ。うまい役者は目で演技ができる。目の演技は受動的演技である。
    ・どんな人物を主人公にするにしても、その人の内的葛藤を早めに見せること。

    <6 敵対者を決める>
    ・観客は大きな敵対者を期待する。
    ・敵対者には、主人公の主張と正反対の意見を持たせる。これはあくまで哲学的な意味。実際には、主人公と敵対者は、同じものを求めている場合がほとんど。あくまで同じもの(愛、金など)を争うけれど、その観点が正反対というだけ。

    <7 心的葛藤・衝突>
    ・主人公に欠陥を作る。
    ・アリストテレスは、主人公の歩く道筋を、プライドのために高位から落ちることであると定義している。でも最近の映画では、「普通の人」がお好み。主人公は低位にいる。高位の人が敵対者になる。すると主人公の欠陥はプライドや驕りになりにくい。その代用となるのが盲目さ。
    ・何かの価値に盲目。間違っているのに、間違っていないと信じている。映画の終盤で過ちに気づき、目を開く。
    ・モーセやジャンヌ・ダルクは、心の痛みに耐え抜いた。信念を失わずに、自分の思想に忠実にあり続けた。

    <8 主人公の主張>
    ・ディズニーに勤める著者友人「第一幕は主人公の主張、第二幕はそれに反発するあらゆる主張、第三幕は打ちのめされて落ち込んでしまうことと、最終的に全てが解決すること」
    ・主人公は落ち込んで何かを見つけることで逆境を乗り越える。その主人公が見つけるものは、基本的に書き手の主張とだぶる。よって、第一幕は主人公の主張、第二幕はそれに対する反対意見、第三幕は作者の主張(痛みと最終的な全解決)となる。
    ・作者であるあなたの主張と、主人公の主張、敵対者の主張は同じものではない。登場人物の主張はシンプルなもの。解決策まで用意しなくていい。
    ・ストーリーを作る時、書き手には主張がなければならない。それは哲学的に難解なものである必要はなくシンプルでいい。シンプルであるべきだ。

    <9 登場人物を、そして友人を作り出す>
    ・主張を素直に言い合わない。普通の人は本心を素直に言い合ったりしない。よって、モノを通して本心を表現するように工夫する。例えば、パンケーキを作るとする。作り方やできたパンケーキに対して、夫と妻が意見を言う。その意見の相違が、二人の本心を間接的に表すように。

    <18 仲直り、結婚式、旅立ち・・・クライマックス>
    ・多くの映画は、仲直り(主人公の故郷への帰宅含む)、結婚式、旅立ちで終わる。
    ・最先端のエンディングは、最後の最後でもう一度ひっかきまわす。しかし、最先端のエンディングに縛られる必要もない。あくまで、それまでのストーリーに最もふさわしいエンディングを用意する。

  • 映画の脚本家(ハリウッド)になりたい人、映画好きな人はとても楽しめると思う。けっこう映画は見ている方だと思っていたけれど、まだまだ見ていない映画がたくさんあることも分かったし、自分がどういう映画が好きで、映画になにを求めているのかも分かった。

  • ② ストーリーテリング
    シンプルなプロトタイプ
    主人公に危機的状況を与える、お金が必要、それも48時間以内に、とか
    主人公は、3つか4つのさまざまな障害や試練に立ち向かう
    敵対者を作る
    ついに、主人公は最も難解な試練を目の前にする(死のシーン)
    でもそれによって主人公は新しい何かを手に入れる
    第1幕で、主人公を木の上に追い込む
    第2幕で、みんなが主人公に石を投げつける
    第3幕で、主人公はその木から降りてくる

    ③ストーリーの基となるアイデア 
    アイデアがなければストーリーもない。
    ツキに見放された友人のエピソードでもいい。でも、ストーリーの基となるツキに見放された友人というのは、あくまでも自分のアイデアでなければいけない。その友人のアドベンチャーの中にあなたの琴線に触れる何かがなければ意味がない。例えば、負け組に対する政府や社会の冷たさにあなたが激しい反感を覚えているとか、主人公の楽天的なものの考え方にあなたが大きな望みを見出しているとか。別の言い方をすれば、ストーリーの基には感情がなければいけない。
    それからもう一つ肝心な事は、ツキに見放された友人本人は気づいていない何かにあなたは気づいていなければならない。たとえばどうして彼が仕事がうまく行かないのか、その理由は彼には理解できなくてもあなたには理解できるとか、どういう部分を直すべきだということがあなたには分かっているといったこと。彼の混乱した心理状態というものがドラマチックであるということをあなたは本能的に見抜いている。それに加えて、あなたのものの考え方というものが大きく関わってくる。あなたのストーリーにはあなた自身の個人的な哲学が隠される事になる。彼が自分の考え方の間違いに気づいて、それを直そうと努力すれば、彼の人生も変わるのだということが、あなたなりのものの見方というわけだ。
    「疑問」を呈することが必要。 このツキに見放された友人は週末の大事な会議をヘマをせずに乗り切ることができるだろうか?
    アイデアとは、友達の苦境を通してあなたが抱く感情のようなもの。
    極論すれば、すべての映画はミステリー。
    映画というものは本当は宝探しみたいなもので、宝を見つけ出す過程がストーリーなら、隠された宝に私たちを導いてくれる地図がプロットでなければならない。

    ④メタファー

    ⑤主人公を決める
    心に傷や葛藤を持ち、果たせぬ夢のある普通の人間。主人公が心に傷を負っているとすれば、その傷の原因となった出来事をきちんと提示しなければならない。これはほとんど精神分析医の診療に近いもの。トラウマのシーンを示す。
    単純に心理学者になってみる。そして自分自身の欠陥を見つけ出す。前進することの内的葛藤は何かつきとめる。「うわぁ、何であんなことしちゃったんだろう?バカなことしたもんだよ」自分で振り返ってみて、こう言わずにはいられないような行動を探り出してみる。
    苦しみを経て徐々に変化していく
    主人公、登場人物は、その人のしていること、しようとしていること、そして考えていることを見せることによって表すもの。彼らが口に出して言うことはそれほど雄弁ではない。
    主人公の心的葛藤(古い考え方と新しい考え方の衝突)
    主人公に2つの正反対の考え方を提供してみる。1つは主人公の脳裏にプログラミングされている心の傷、つまり内的な葛藤であり、主人公がそう教えられてきたこと(家族、宗教、政治、階級、科学、個人的な傷)。もう一つは、冒険、最終目的、つまり主人公が遂行しようとしていること、または主人公の主張。
    人は単一ではなく、常に2つの感覚を持っている。ポジティブな考えとネガティブな考えを頭の中でぶつかり合わせる
    主人公は最初、古い傷や古い考え方に「盲目」

    ⑥敵対者を決める 
    人間、抽象概念、自然などいろいろある
    主人公と正反対の意見を持つもの

    ⑦心的葛藤・衝突
    主人公に2つの正反対の考え方を提供してみる。1つは、主人公の心の傷、そう教えられてきたこと。もう1つは、冒険、最終目的、つまり主人公が遂行しようとしていること
    主人公の古い考え方
    ・家族
    ・宗教
    ・政治
    ・階級
    ・科学
    ・個人的な傷
    映画の出だしで主人公の私的な傷を見せるシーンを入れてみる

    ⑧主人公の主張
    第1幕 主人公の主張
    第2幕 主人公に反発するあらゆる主張の数々
    第3幕 痛みと最終的な全解決
    主人公の主張の種類
    「勤勉に働けば、いつかはちゃんと報われる」
    「神や人が作った規則を今回ただ一度破りさえすれば、もう苦しまなくてよくなるんだ」
    「科学と技術で人類はどこまで自然の限界に迫ることができるのか?私にそれができるならば、私にはそこを征服する権利があるということだ」敵対者の主張「自然の法則に逆らおうというのか、自分を神だとでも思っているのか、この報いは受けてもらおう」

    ⑨ 登場人物をそして友人を作り出す
    1. 友人は主人公と正反対の性格を持った人にすべき。そうすることで、二人の会話が面白くなる。友人役に主人公が置かれている難しい状況や内的葛藤をしゃべらせる
    マルチキャラクターの場合は、全員に共通する敵対者(だいたいは、愛とか抽象的、観念的なもの)を持たせる
    2. 主人公と友人は一緒に取り組める共通の目的を持っているべき
    3. 友人にそういったちょっとしたコメントを出させる
    友人役を使って主人公が次にどのような決断を下さなければいけないのか、どんな問題に直面しているのかを具体的に表現することができる
    ・個人的な障害を作る 内的葛藤を持つ、二元論の狭間で引き裂かれているキャラクター。その人物に危機を、使命を、ドでかい内的葛藤を与える ex.奇跡の海
    ・ディテール
    ・登場人物を作り出すためのツール
    人物の会話の道具として物を使用する。物についてほんのちょっと語るだけのことだけれど、実はもっと深い心の部分や怒りや痛みを表出させる。
    ex. フランスのマクドナルドについて語るトラボルタとサミュエルジャクソン「パルプフィクション」
    例) ホットケーキで夫婦の危機を語る
    夫「焦がさないでくれよ」
    妻「焦がしてなんかいません」
    夫「いやいや。怒ってるわけじゃないんだよ。端っこだけ少しこんがりしてるヤツが好きなんだよ、ほんの数センチだけね」
    妻「それならご自分で焼いたらどうです?」
    夫「怒ってるわけじゃないって。君が焼いてくれるホットケーキがいいんだ。焼いてるときの君の顔を見るのが好きなんだよ。ただ最近焼き方が少し変わって来たって言いたかっただけのことさ。少し焼き過ぎなんじゃないかってね。ひっくり返すタイミングが前と違うだけのことさ」
    妻「ひっくり返すタイミングですって?どこかの誰かから妙なひっくり返し方でも習ってきたのかって言いたいのかしら?」
    夫「そうかも知れないな。誰かとホットケーキを焼いたりしたのかい?」
    妻「会社で?そう言いたいんでしょう?フライパン持って一緒に会社に来たらどう?みんなにホットケーキ焼かせて、私と同じ焼き方をする人でも探せばいいじゃない!」
    ・シェープシフター(仮面をはずす人)
    社会的な顔と私的な顔。ストーリーの後半で仮面を外す ex. ユージュアルサスペクツ ディアボロス
    ・リバース 
    ex. パルプフィクションのトラボルタ 彼女をガードする目的が死にそうになる彼女、ドラッグ常習者たちにドラッグからの蘇生を試みさせる
    ・共鳴する友人
    人は共通の敵を持つことを基盤に友人関係を築いていく ex.ブギーナイツ シックスセンスのブルースウィリスとハーレイジョエルオスメント
    ・あらゆる人を危険にさらしてみる
    ex. トラフィックのマイケルダグラス
    ・リフレクション 
    主人公の冒険を鏡写しに投影する友人役
    主人公は友人の悪戦苦闘する姿を見て自分自身の苦しみに対する洞察を深めることができる。また、観客にとっても友人役の葛藤を見ることで主人公の葛藤をよりよく理解することができるようになる ex.フラガール

    ⑩ プロットライングラフ
    セットアップ 主人公の新しいチャレンジを、使命を、冒険を明確化すること
    10分 誘発的な出来事
    25分 森へ分け入る、主人公と敵対者との奇妙な対峙、主人公は敵対者が思っていた以上に複雑で、しかも奇妙なものだということを理解する、最初の大戦闘、プロットシフトシーン
    60分 中間部のカタストロフィ、二度目の大戦闘、プロットシフトシーン
    60〜85分 自由落下、混沌
    85分 野獣の腹、三度目の大戦闘、プロットシフトシーン
    90分 クライマックスでの対峙、立ち上がって行動を取る
    マジック3(10分で出会い、25分、60分、85分で敵対者とのバトル=3つの転換点)

    ⑪3つの戦闘地域
    主人公と敵対者が超重要な関わりを持つシーンが3つ。この3つのシーンは大きくストーリーを転換させるもの。進んでいくうちに主人公は敵対者のことを少しずつ学んでいき、最終的に主人公と敵対者は3番目の転換点を迎える。

    ⑫共通シンボル
    「マクガフィン」 モノを争っての戦いにすると、ストーリーが描きやすくなる(ヒッチコック)、 すり替えられたスーツケース、指輪物語
    →共通シンボル=視覚的メタファーを探す 繰り返される行動

    ⑬から⑱
    普通の世界
    主人公は、はじめは普通の世界にいる
    出会いと挨拶(3−10分)
    セットアップ

    最初の戦闘、ちょっとした銃撃戦程度。しかし、主人公は敵対者が思っていた以上に複雑で奇妙なものだと認識する
    森の中に分け入る(25分)

    中間部の転換シーン
    180度ストーリーの方向が変わる。状況が主人公を内側から破壊する

    その後の25分間..自由落下..混沌
    最後に主人公と敵対者が敵対者の砦で対峙するように持っていくこと
    主人公が複数いる場合はそれぞれの主人公が失敗を経験するというシーンを順に描いていく、主人公の内的葛藤
    手がかりとなる地図

    死と犠牲、洞窟に入って行く
    第3の戦闘シーン(敵のエリアで)は、死を扱ったシーン、メタファーとしての死(ミートザペアレンツでのスティラーのごまかし)、真実の露呈
    犠牲は不可欠な要素ではない、入れる場合はストーリーラインにあらかじめ組み込んでおくこと

    クライマックス 仲直り、結婚式、旅立ち
    死と苦しみのシーンを通して学び、一方の考え方を「やり過ごす」必要にかられる

    ⑲グッドニュースとバッドニュースを交互に
    ex. ミートザペアレンツ 同じ曲を好きで意気投合 → 歌詞に出て来るマリファナの話で失敗
    ⑳マジック3
    主人公は少なくとも3回は間違った選択をしなければならない。第二幕の終わりになってようやく正解を得る
    第1幕 主人公が間違った選択をする
    第2幕 主人公が間違った選択をする
    第3幕 主人公が良い選択をする

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