アカデミー賞を獲る脚本術

  • フィルムアート社
3.38
  • (3)
  • (3)
  • (8)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 91
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845905737

作品紹介・あらすじ

優れた脚本には最高の秘密がある。本格派シナリオの書き方。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784845905737

  • (市×/県◎)

  • 本気で脚本を書く人のための本。アカデミー賞受賞作品をいくつか見ているなら、その作品群が色々な角度からまとめられていて面白いかも。
    説明シーンは言葉を多くせずに「情報を表す的確な映像」をいれるというハックは何かに使えそう。

  • このタイトルは如何なものなんでしょうか? 
    同じ著者による代表作「ハリウッド・リライティング・バイブル」が入手できなければ、こちらも充実した内容なので読む価値は充分にあります。
    ただこの本を読むと“MAKING A GOOD SCPIPT GREAT”ですでに説明しているので省くが、みたいなことが書かれているので、とまどうこともあるかもしれません。ちなみにMAKING A GOOD SCPIPT GREAT”は「ハリウッド・リライティング・バイブル」の邦題で翻訳されています。

    ※上記のことは過去読んだことで確認せずに書いているので、間違っている点があればごめんなさい。ただ、「ハリウッド・~」は“MAKING A GOOD ~”であることは間違いありませんので。

  • 著者は「ハリウッドで活躍するスクリプト・コンサルタント」だそうで,
    いろいろな映画を例に挙げて脚本の良い点,悪い点を説明する。

    ある程度脚本についての知識がある人を対象にしている本なので,
    私には分からなかった。
    「第2幕」とか「第1ターニングポイント」とか,どこのことだかさっぱり…。

    また,章の順番もあまり整っているとは思えない。
    メインで引用する作品を3つぐらいに絞り,
    作品に沿って脚本を論じて,
    参考として他の作品を論点ごとに紹介するほうが,
    読み物として面白くなると思う。

  • 直線型構成
    劇的でなくても、死に瀕した登場人物(プライベートライアン、グリーンマイル)、愛を求める事(恋人たちの予感、めぐり会えたら)だけでもストーリーを展開させる充分な機動力になる

    平行構成型 ex. めぐり逢えたら、ドゥザライトシング、マグノリア、トラフィック
    反復構成型 ex. ランローララン、恋はデジャブ

    過去に埋もれた真相を解き明かすための構成
    らせん型構成 繰り返しを使いながら発展していく構成 フラッシュバックの多用
    謎解き型構成 第3幕で唐突に真実を明らかにしない
    逆流型構成 ex. メメント

    循環型構成 ex. ビフォアザレイン
    ループ型構成 ex. パルプフィクション、マルホランド・ドライブ

    つなぎをうまくつくる
    アクション=リアクションシークエンス シーンの最後に次のシーンを予測させるようなアクションを展開しておく。次の展開や行動を予測させる伏線がないと、次のシーンとの関係は途絶えてしまう

    ストーリーをまとめる糸をつくる 
    登場人物で糸をつくる ex. パルプフィクションのボス
    テーマで糸をつくる ex. トラフィックの麻薬との戦い
    小道具を使って糸をつくる ex. マグのリアの蛙の雨、フォレストガンプの羽根
    場所で糸をつくる マグノリアのカメラワーク

    転換(ターニングポイント)を作る
    ①行動を新しい方向へと転換させる
    ②観客を別の世界に誘い、行動の焦点が変化したと感じさせる
    ③主人公の意思や決意を宣言する
    ④ストーリーの中心問題をもう一度提示し、その答えを観客に考えさせる
    ⑤犠牲や危険が増大する
    ⑥ストーリーを次の幕へと前進させる

    ひねり(秘密)をつくる
    ①なぜその秘密が必要なのか
    ②誰が秘密を抱えているのか
    ③誰に秘密を隠しているのか
    ④いつ秘密は明かされるのか
    ⑤誰に秘密は明かされるのか
    秘密を隠す時間が長ければ長いほど、ひねりは強烈になり、観客の驚きは増す

    テーマ
    誠実さを発見する、正義を確立する、悪を打ちのめす、愛を見つける、などの単純なものから
    善の二面性(シンドラーのリスト)、本物の人生の探求(アメリカンビューティ)など、複雑なものまで
    傑作と呼ばれる作品には、哲学的・心理学的・宗教学的な要素がすべて含まれている
    エリン・ブロコビッチ、タイタニック 持つ物と持たざる物という階級闘争=マルクス主義
    許されざる者、イングリッシュペイシェント 人間に対する絶望と無力感=実存主義
    ブレイブハート、ミッション 自己を犠牲にしてより大きなもの、よりよき善を求める

    アイデンティティという永遠のテーマ

    テーマを逆転させる
    テーマと正反対のことを登場人物に言わせる

    毒のあるテーマ

    登場人物でテーマを表現する
    ex. いまを生きる

    象徴的な映像でテーマを表現する
    ex. 閉鎖的な空間と開放的な空間の対比

    メタファーを使ってテーマを表現する

    登場人物をメタファーとして使う
    宗教や神話の世界の登場人物を投影する

    登場人物
    ①だれ? どういう人間なのか
    ②なに? なにを望んでいるのか
    ③どのように? それをどのように手に入れるか
    ④なぜ? なぜそれを望んでいるのか
    類型に陥らないためには、詳しく描写すること

    目的が達成されたことが観客にも分かるよう、具体的な部分が必要。
    たとえば、正義の追求という抽象的な目的でも、映像としては悪者が逮捕されたり、有罪の判決が下ったりと、具体的な形で表現しなければならない。具体的な瞬間があれば、抽象的な目標が達成されたことがわかる

    登場人物は変化し、成長しているか
    目に見える物理的な変化で
    変化するには何人くらいの人間、どのくらいの時間が必要か、なぜその時なのか、まわりの人間はその変化にどのようにして気づいたか、変化後の様子や行動は変わったか

    セリフの多面性
    セリフの表面には、言葉そのものを表す、意識的な意味が表される。つまり、セリフの表面は登場人物の意図を表し、観客が必要な情報を必要なときに伝え、なにが、なぜ起きているのかを知らせ、観客を引き込む
    セリフの表面には、登場人物の決心、すべきこと、目的を表し、ストーリーを前進させていく。観客が知らなければいけない一番基本的な情報ーなにが起きていて、誰がなにを、なぜするのか、どこから来た人間でどこへ行くのか、なにを求めているのかーを提供する
    登場人物の背景矢状況は、語彙によっても表現できる。どういう言葉を使うかによって、どんな人間か、どんな教育を受けたか、経済状態はどうか、職業、出身、宗教などさまざまなことが分かる。横柄な口調か、それとも気の弱そうな口振りか、どんな文法を使うかによっても変わってくる
    ex. 医学用語を使う事で、医者であることを表す、考古学、航空関係、編集、作家、牧場、農業など..
    登場人物の教育レベルが透けて見え、見た目とのギャプに驚く ex. パルプフィクションのジュールス エゼキエルの引用

    サブテクスト
    セリフの内面は、登場人物の心理を表す。誰にも知られたくない秘密や恐怖感、人には言わない密かな願望など。登場人物の持つ欲望、動機、切なる思いなどが表れる
    サブテクストを表すセリフ 登場人物の本音
    セリフの表面とサブテクストでは、正反対の意味になることもある
    妻 どうしたの、あなた?
    夫 べつに
    内なるサブテクストと見えないサブテクストがある
    登場人物が真実に気づいているかどうか→気づいていれば内なるサブテクスト

    フィルムノワールというジャンル 善と悪などの昔ながらの区別がない。裏切りの世界。ファムファタールの登場。

    映画というのは自分の心の中や葛藤、問題を写す鏡のようなもの


全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

ハリウッドで活動するスクリプト・コンサルタント。映画やテレビ番組を中心に、2000本以上の脚本に関わり、映画監督ピーター・ジャクソンや小説家レイ・ブラッドベリのアドバイザーを務めた経験を持つ。また、映画脚本に関する書籍を多数執筆しているほか、米国アカデミー賞協会をはじめ、世界30ヵ国以上で脚本術の講義やセミナーを行っている。主な著書に『サブテキストで書く脚本術』や『アカデミー賞を穫る脚本術』(ともにフィルムアート社)、『ハリウッド・リライティング・バイブル』(フィルムアンドメディア研究所)などがある。

「2020年 『ハリウッド式映画制作の流儀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

リンダ・シーガーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×