- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845905737
作品紹介・あらすじ
優れた脚本には最高の秘密がある。本格派シナリオの書き方。
感想・レビュー・書評
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貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
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(市×/県◎)
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本気で脚本を書く人のための本。アカデミー賞受賞作品をいくつか見ているなら、その作品群が色々な角度からまとめられていて面白いかも。
説明シーンは言葉を多くせずに「情報を表す的確な映像」をいれるというハックは何かに使えそう。 -
著者は「ハリウッドで活躍するスクリプト・コンサルタント」だそうで,
いろいろな映画を例に挙げて脚本の良い点,悪い点を説明する。
ある程度脚本についての知識がある人を対象にしている本なので,
私には分からなかった。
「第2幕」とか「第1ターニングポイント」とか,どこのことだかさっぱり…。
また,章の順番もあまり整っているとは思えない。
メインで引用する作品を3つぐらいに絞り,
作品に沿って脚本を論じて,
参考として他の作品を論点ごとに紹介するほうが,
読み物として面白くなると思う。 -
直線型構成
劇的でなくても、死に瀕した登場人物(プライベートライアン、グリーンマイル)、愛を求める事(恋人たちの予感、めぐり会えたら)だけでもストーリーを展開させる充分な機動力になる
平行構成型 ex. めぐり逢えたら、ドゥザライトシング、マグノリア、トラフィック
反復構成型 ex. ランローララン、恋はデジャブ
過去に埋もれた真相を解き明かすための構成
らせん型構成 繰り返しを使いながら発展していく構成 フラッシュバックの多用
謎解き型構成 第3幕で唐突に真実を明らかにしない
逆流型構成 ex. メメント
循環型構成 ex. ビフォアザレイン
ループ型構成 ex. パルプフィクション、マルホランド・ドライブ
つなぎをうまくつくる
アクション=リアクションシークエンス シーンの最後に次のシーンを予測させるようなアクションを展開しておく。次の展開や行動を予測させる伏線がないと、次のシーンとの関係は途絶えてしまう
ストーリーをまとめる糸をつくる
登場人物で糸をつくる ex. パルプフィクションのボス
テーマで糸をつくる ex. トラフィックの麻薬との戦い
小道具を使って糸をつくる ex. マグのリアの蛙の雨、フォレストガンプの羽根
場所で糸をつくる マグノリアのカメラワーク
転換(ターニングポイント)を作る
①行動を新しい方向へと転換させる
②観客を別の世界に誘い、行動の焦点が変化したと感じさせる
③主人公の意思や決意を宣言する
④ストーリーの中心問題をもう一度提示し、その答えを観客に考えさせる
⑤犠牲や危険が増大する
⑥ストーリーを次の幕へと前進させる
ひねり(秘密)をつくる
①なぜその秘密が必要なのか
②誰が秘密を抱えているのか
③誰に秘密を隠しているのか
④いつ秘密は明かされるのか
⑤誰に秘密は明かされるのか
秘密を隠す時間が長ければ長いほど、ひねりは強烈になり、観客の驚きは増す
テーマ
誠実さを発見する、正義を確立する、悪を打ちのめす、愛を見つける、などの単純なものから
善の二面性(シンドラーのリスト)、本物の人生の探求(アメリカンビューティ)など、複雑なものまで
傑作と呼ばれる作品には、哲学的・心理学的・宗教学的な要素がすべて含まれている
エリン・ブロコビッチ、タイタニック 持つ物と持たざる物という階級闘争=マルクス主義
許されざる者、イングリッシュペイシェント 人間に対する絶望と無力感=実存主義
ブレイブハート、ミッション 自己を犠牲にしてより大きなもの、よりよき善を求める
アイデンティティという永遠のテーマ
テーマを逆転させる
テーマと正反対のことを登場人物に言わせる
毒のあるテーマ
登場人物でテーマを表現する
ex. いまを生きる
象徴的な映像でテーマを表現する
ex. 閉鎖的な空間と開放的な空間の対比
メタファーを使ってテーマを表現する
登場人物をメタファーとして使う
宗教や神話の世界の登場人物を投影する
登場人物
①だれ? どういう人間なのか
②なに? なにを望んでいるのか
③どのように? それをどのように手に入れるか
④なぜ? なぜそれを望んでいるのか
類型に陥らないためには、詳しく描写すること
目的が達成されたことが観客にも分かるよう、具体的な部分が必要。
たとえば、正義の追求という抽象的な目的でも、映像としては悪者が逮捕されたり、有罪の判決が下ったりと、具体的な形で表現しなければならない。具体的な瞬間があれば、抽象的な目標が達成されたことがわかる
登場人物は変化し、成長しているか
目に見える物理的な変化で
変化するには何人くらいの人間、どのくらいの時間が必要か、なぜその時なのか、まわりの人間はその変化にどのようにして気づいたか、変化後の様子や行動は変わったか
セリフの多面性
セリフの表面には、言葉そのものを表す、意識的な意味が表される。つまり、セリフの表面は登場人物の意図を表し、観客が必要な情報を必要なときに伝え、なにが、なぜ起きているのかを知らせ、観客を引き込む
セリフの表面には、登場人物の決心、すべきこと、目的を表し、ストーリーを前進させていく。観客が知らなければいけない一番基本的な情報ーなにが起きていて、誰がなにを、なぜするのか、どこから来た人間でどこへ行くのか、なにを求めているのかーを提供する
登場人物の背景矢状況は、語彙によっても表現できる。どういう言葉を使うかによって、どんな人間か、どんな教育を受けたか、経済状態はどうか、職業、出身、宗教などさまざまなことが分かる。横柄な口調か、それとも気の弱そうな口振りか、どんな文法を使うかによっても変わってくる
ex. 医学用語を使う事で、医者であることを表す、考古学、航空関係、編集、作家、牧場、農業など..
登場人物の教育レベルが透けて見え、見た目とのギャプに驚く ex. パルプフィクションのジュールス エゼキエルの引用
サブテクスト
セリフの内面は、登場人物の心理を表す。誰にも知られたくない秘密や恐怖感、人には言わない密かな願望など。登場人物の持つ欲望、動機、切なる思いなどが表れる
サブテクストを表すセリフ 登場人物の本音
セリフの表面とサブテクストでは、正反対の意味になることもある
妻 どうしたの、あなた?
夫 べつに
内なるサブテクストと見えないサブテクストがある
登場人物が真実に気づいているかどうか→気づいていれば内なるサブテクスト
フィルムノワールというジャンル 善と悪などの昔ながらの区別がない。裏切りの世界。ファムファタールの登場。
映画というのは自分の心の中や葛藤、問題を写す鏡のようなもの