- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845910489
作品紹介・あらすじ
マンガ家・福満しげゆき初の活字本は、不安定な社会を生きるための小規模な人生論。福満マンガの秘密がわかる、語り下ろしインタビュー。
感想・レビュー・書評
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福満しげゆきは大好きなのだが、文章だけか~それはちょっとな~、と本屋で見かけて思っていたのを、図書館で発見。借用。読了。この人の、俯瞰で見てるようで、自信がなさそうで、でも独自の理論は持ってそうで、頭悪そうな、シニカルそうな、何にも考えてなさそうな、むしろ考え過ぎた挙句、自分でもよくわかんなくなってそうな、でも、もしかして、そういうのも計算して面白く見えるようにしてるんじゃないか、というよくわかんない感じがたまらなく良い。買っても良かったかも。
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買うのをしばらく躊躇っていたのだが、読んでみるとやはり面白かった。
この程度のランクの漫画家のインタビューなんて本来出版してはいけない、ということを自身が自覚しているのは流石だなと思った。
福満しげゆきは所謂「負け組」として世に出て、中規模なサクセスを収めてからの漫画に魅力がなくなっているという風潮があり、自分もそう思っていた口だった。
なので買い控えていた。
だけどこの人の本来の魅力って【視点】なんだと思った。
その自覚された視点から毒づく「うち妻」はやはり未だに面白いし、このインタビューもその流れをくみ、補足するような内容となっている。
何より自分と世代や境遇がシンクロしているから共感できる。
一度身にしみた被害者意識っていうのは確かに拭えない。
でも彼は「基本『戦い』だ」という境地に現在は至っているようだ。
確かに高校で柔道をやり、中退後に入った定時制でも柔道部を立ち上げて素人軍団を率いるていた。
また大学入学後もキックボクシングを始めたり、映画ファイトクラブにインスパイアされたりと、どん底の中でも常に戦う姿勢や本能を持っていた。
だから時折見せる社会・世相を攻撃する作風の礎はしっかりあったのだ。
またそれは漫画論にも反映されていて「売れる漫画はバトル漫画」という見事な分析をしている。
挫折を知らない人から見ればこの人は「ただの面倒でやっかいな性格の漫画家」なのだが、売れない時代から見守り続けてきたファンとしては非常に説得力のあるものだった。
自分もある程度説得力のある攻撃性というものを身につけるべきだと思った。
他にも「僕らの世代こそ真のゆとり世代」という慧眼ぶりには納得させられた。
確かに子どもの頃に見せ付けられた景気の良い話を基準にして青春を過ごせるものと思っていた・・・。
だからこそ非モテであることに気付いた時の落胆も大きかったし。
その辺は「戦後教育のあり方に~」と「僕の小規模な失敗」で既にギャグ交じりながらも喝破していたが、今から振り返ると天才的としか言いようがない。
この人はやはり世に出る素養を持っていたのだと痛感した。
ただこの本は完全なファン向け。
個人的には細かい仕事がまとめて併載されていたのが嬉しかった。
スヌーザーに連載されていた漫画には当時爆笑したから。
雑誌の編集方針を知らずに仕事を引き受けて、その編集方針を全否定してしまう、という(笑)。
洋楽好きは安達君のミーハーぶりも含めて必見。
映画評論も偏ってはいるけど未見の映画ばかりだったので参考になった。
星を一つ落とした理由としては上述のファン向けであることの他に、字や行間を大きくすることでページを稼いでおり値段の割に中身としては薄いので。 -
「グラグラな社会とグラグラな僕のまんが道 福満しげゆき フィルムアート社 2010年 古本220円」ストレートな欲望や感情爆発な内容で面白かった。東村アキコのオッパイにギューっと顔を押し付けたくなったって書いていて笑った。podcastの漫画のラジオでもぶっちゃけまくってた。よく10年もってるな
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文章にも作者の魅力が出ていてよかった。
やっぱいいな~ 福満しげゆき! -
『僕の小規模な生活』『うちの妻ってどうでしょう?』などの作品で知られるマンガ家による、初の活字本。
「はじめに」と「おわりに」のみが本人による書き下ろしの文章で、本文は著者へのインタビューをライターが構成したもの。
ほかに、『SPA!』に連載したDVD評のコラム、雑誌の占いコーナーに添えて連載した4コマ・マンガ(これがすさまじい手抜きで、ある意味スゴイ)などが収められている。
福満作品の多くは私生活を反映したエッセイ・マンガだから、本書もマンガとテイストは同じである。ただ、マンガほど面白くはない。
それでも、本人が書いている「はじめに」と「おわりに」は、文章に独特のねじれたユーモアがあって、そこそこ笑える。
たとえば、「はじめに」はこんな調子。
《僕は何者なのかと申しますと『僕の小規模な生活』というマンガを描いている作者というだけの存在の者でありまして、そして、そのマンガが特に売れているのかと申しますと、別にそれほど顕著に売れているわけでもなく、その、特に売れてるわけでもないマンガに乗っかる形のインタビュー企画本など……いや、やるのはこの出版社の女性の編集者さんの自由なのですが、はたして需要があるのかどうかという疑問が残ります。そんな本を出そうとするのは、いったいどんな出版社なのか? と見てみると「フィルムアート社」と書いてあり、まったく聞いたことがない出版社だったので、僕は急に肩の荷がおりて、「へっ、チョロイよね」とイイ気になったのでした。》
このグダグダ感とヘタレ感は、まさしく福満のマンガそのまんまである。
困ったことに、メインとなる語り下ろしロング・インタビューの部分が、いちばんつまらない。ライターの技量が低いというわけではなく、もともとこの著者は語りが面白いタイプではないのだろう。
どうせなら、インタビュー構成にしたりせず、本人に最初から最後まで書かせればよかったのだ。
それでも福満のファンなら、好きな作家のブログを読むような気持ちでそこそこ楽しめると思う。そんなに面白いわけでもないのになんとなく最後まで読んでしまう、「あとひき」な吸引力はある本だ。 -
今、福満しげゆきが成功している理由は『妻』に尽きる。
本人もそのことをわかっているのが、とても良いことですね。
良い出会い?だし、離したくない気持ちも良くわかる。
妻、良いなぁ、妻。 -
これ一体だれが求めている本なんだろうか?僕だ!
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今まで信じてきた価値観みたいなものが社会では通用しない…そのようなことを感じつつ生きてきた著者のエッセイ…といったところでしょうかね…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
福満氏の漫画が好きなのでこれも読んでみましたけれどもまあ…想定の範囲内の内容、といったところでしょうかね…個人的には映画の感想とかが面白かったです。 ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
僕は福満氏よりは10歳ほど年下なんですけれどもそうですね…福満氏の頃と比べて今はさらに余裕がなくなっているかと思います…国民にね…みんな生きるのだけで精一杯! だから漫画雑誌とかも、つまりは娯楽に割けるお金がなくなって廃刊に追い込まれるんですよね…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、そんなわけでアレですね、資本主義社会に生きている限り、今、どんなに優良・優秀と世間から思われている企業も決して油断はできない…そんなことを本書からは学び取りましたね。おしまい…。 -
2014/4/24購入
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もともと文字が多いマンガなためか、文章になっても変わらぬ福満節かおもしろかった