天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

制作 : 金原瑞人  石田文子 
  • フィルムアート社
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本棚登録 : 947
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845914333

作品紹介・あらすじ

小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督…彼らはどうクリエイティブを保っていたか?161人の天才たちの「意外?」「納得!」な毎日の習慣。

感想・レビュー・書評

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  • 偉大な業績を残した人たちが、忙しい日常の中で、どのようにして仕事の時間を確保し、モチベーションを保っていったか。

    「天才」と聞いてつい想像されるような、破天荒な生活を送っていた「天才」はほとんどいない。皆、煩雑な日常を恨みつつ、集中力を発揮して、淡々と仕事をこなしているのだった。みんな苦労している。

    加齢とともに集中力は失われる。カフェインによって、薬によって、社交は犠牲にすることで、すなわち「日課」によって、創造性を保とうとする。

    ジョン・アップダイクは言う。「書かないことはあまりにも楽なので、それに慣れてしまうと、もう二度と書けなくなってしまう(p.292)」

    がんばろう。

  • 「天才たちの日課」という邦題ですが、クリエイターたち、特に文筆家や芸術家の方々の日々の習慣をダイジェストで紹介してくれています。その数なんと161名にも及びます。よくぞここまで集めたものです。原題は "DAILY RITUALS: How Artists Work" です。「アーティストたちの日々の儀式」という感じですかね。

    訳者あとがきに傾向がまとまっています。

    ==引用ここから==
    仕事に関しては、本書に登場する人々はおおまかにいって、邪魔の入らない深夜に創造的な活動をする人と、頭の冴えている午前中にやるという人に分かれるようだ。
    (中略)
    気分転換や創造的刺激となる日課としては散歩をあげる人が多く、水泳、ランニングなどのスポーツ、入浴などがそれに続く。
    ==引用ここまで==

    クリエイターたちは、誰かに邪魔されることをいやがって、早朝からコーヒーを飲みながら一気に仕事をして、午後はゆったりするという方が多かったように思えます。そして散歩、散歩、散歩。とにかく散歩をしている人が多い。小一時間の人もいれば毎日2~3時間、町や湖を巡るのです。クリエイティブなことを引き出すために散歩が必要だというのを、時代も場所も違う人たちが日課にしているのが大変面白いのです。

    一方で不眠に悩まされ、お酒や薬の力を借りながら、破滅的な日々を送る人も多数。これも創造に不可欠だった方もいるのでしょうけど、健康とは対局の世界に生きていて、同情するというか、これもアーティストなのかと諦めるというか。

    登場してくるのは1800年代や1900年代の方々が多いので、やたらと手紙を書いたり、原稿は手書きやタイプライターだったり(自分で打たず、口述して代わりに打ってもらったり)という時代背景もあり、全編に渡りのんびりムードが漂っています。そういった時間の感覚だったからこそ生まれた芸術というのも多数あるのでしょう。

    せわしない日々が続く現代ですが、この本で紹介されている偉人たちのように、少し心に余裕をもって人生を送りたいものだなとつくづく思いました。

  • 一度は誰でも聞いてあるような著名な人々の普段の習慣とか。
    作家、哲学者、画家、などが多め映画監督なんかも。
    日本からは村上春樹が載っている。

    自堕落な人もそこそこいるが大体の人は何かしらの決まったルーティンを持ってて(自堕落な人も含め)
    何事を為すにもそれなりに継続すると言うことの大切さってあるんだなあと思った。

  • 同時代の天才を含む古今東西の偉人たちが「最高の仕事をするために、毎日どう時間をやりくりしていたのか」を調べた本。古今東西と書いたが、かなり片寄りがあり、アジア人は村上春樹のみで、意外にもジョブズは出てこない。分野は作家が圧倒的に多く、次いで音楽家と画家の順で、学者や起業家は少ない。1人当たりの紹介の分量もまちまちで、中には1パラグラフのみという気の毒な偉人もいる。取り上げる順番に脈絡はなく、あとがきにある矛盾や誤記(テオをゴッホの兄と紹介)を含め、とてもブログを「高い水準」の本に仕上げたとは思えない。

    意外だったのは、不規則な生活は送らず、毎日決まったスケジュールという天才が多いこと。決まった日課を守るのは、仕事に集中するためでもあり、集中力を維持するため、物音を立てるのを禁じたり、図書館通いやタバコ・コーヒーが手放せなかったりと、神経症的な一面も。怠惰なところを戒める強迫観念や、決まったスケジュールを守ることが毎日の創造的なリズムを作るという信仰も垣間見える。

    天才たちの家族は大変で、家事はからきしダメ、妻は「家政婦」扱い、物思いに耽ると邪魔せず待機など、周りの者はみな、彼らの創作の犠牲になっているんだなと同情を覚えた。食事はかわいそうになるくらい質素でしかも毎日、毎年、同じ物で、まるで「病人食」。独特の変わったやり方を手の込んだ儀式のように繰り返す奇行も目立つ。

    総じて、早朝もしくは午前中に仕事をする偉人が多く、インスピレーションを得るために散歩が励行されている。創造的なインスピレーションにとりつかれたときは、休むことなく働くため、規則正しい習慣も必要な時期と必要でない時期があるということか。習慣に縛られるのは身体で、精神までは縛られず、むしろそれによって解放されるということなのだろう。

  • 天才と言えども、色んなライフスタイルがあるんだな。
    荒れに荒れていたり、きちんと決めた量を毎日こなしたり。
    小説家の話が多くてなお良かった。

  • 過去400年間の天才161人が「毎日どんなスケジュールを組み、どんなルーティンのもと、クリエイティブを保ち続けていたのか?」を丹念に調べ上げた360頁から成る労作。あたかも他人の本棚を眺めているような感覚で一気読み。ちなみに日本人では村上春樹のみ。

    五郎丸ポーズで一気に知れ渡った言葉「ルーティン」。一般には「日常的習慣」と訳される。(五郎丸の場合は❝無意識で行う決まりきった手順❞の意味。)言葉は一様に「裏語義」が存在する。例えば、慎重という言葉には臆病が控えているように。そう、ルーティンには「平凡さ」「思考の欠如」という語義があるそうな。

    系統立てて読み進めると、彼らには共通事項が多く存在する。
    【共通のルーティン】
    ●早朝に起き、スグ仕事にとりかかる
    ●長めの散歩に出かける
    ●コーヒーを大量に飲む
    ●夜は安静に努め、早く床につく

    【共通の姿勢】
    ●不断の努力
    ●結果如何かかわらず机に向かう
    ●一気に集中する
    ●集中できる環境を希求
    ●完全なOFF日を作らない

    「簡単に天才って、呼んでくれるな!」という声がこだまするほど、彼らは「習慣という時間の奴隷」となり、最高の仕事を成し遂げるために日々もがき続ける。まさに「1万時間の法則」を裏付け仕事ぶりである。161名には含まれていないがイチローの言葉が代弁する。「努力せずに何かできるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうだと思う。」スケジュール管理のヒントにも、モチベーションの維持にも、個人事業の方にも多大なるヒントを与えてくれる枕頭の書であります。オススメ!

  • 意外なことに、長時間働いている人は少数派であった。仕事の重さは時間だけでは測ることができない。散歩や睡眠、もっというとルーティンそのものが仕事のためでもない。つまり、仕事=人生ではない。仕事は人生の一部だから、仕事ではない人生にも目を向けないと、人生のピースが埋まらない。

  • 2018.6.8

    こういう生活が見えるやつとても好き!!

  • 作家、画家などの習慣を紹介している本。
    午前中に創作活動して、午後は散歩が多い。
    毎日強制的に書き続けている人も多い。

  • 天才と称される人々日常生活を掲載。161人とボリューム満点で面白い

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