本を読むときに何が起きているのか  ことばとビジュアルの間、目と頭の間

制作 : 山本貴光  細谷由依子 
  • フィルムアート社
3.55
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本棚登録 : 430
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845914524

作品紹介・あらすじ

カリスマ装丁家が読書における想像力の謎に迫る、かつてない「文学×デザイン×現象学」の探究の書物。

感想・レビュー・書評

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  • 本を読むという中で、どう理解しているのか?
    文字を読んで言葉を視覚的に理解しながら考えている。
    文字も順に追っていくだけでなく、行ったり来たり、あるいは飛ばしながら読む、それでもだいたいを追いかけられる。登場人物の描写が(最初にあると限らない)そこまでのイメージと合うやいなや、読み返すことも。。
    挿絵やあるいはドラマ化、映画化されているならばそのイメージに引っ張られるだろうし。。

    挿絵や、フォントが美しく、いろいろ考えさせられる本。
    面白い。

    というか本を読みながら、自分は全く他のことに想いを馳せることもあるし、いろいろ自分の中の思考へ展開することも。
    本というものの不思議さ、考えさせられた本。

  • 読書中の私たちの頭の中では何が起こっているのか、再現しようとしている本。面白い試みだと思うけど、それ自体が難しいからか文章がわかりづらく、読むのが少々つらかったです。
    挿絵(というかデザイン画?)がとてもおしゃれで、デザイン画集として楽しむのでもいいかも。

  • 「読書」について現象学的に捉えようとした本。だが、
    理論を振りかざそうというのではなく、読書するときに
    起きていることを追体験するように詳述しようとした本
    と言えるだろうか。本を読むときに何が起きているのか
    を本に書くという難事にタイポグラフィーを駆使して
    挑み、ある程度成功していると思う。

    ただ、ここで主に採りあげられる「本」が小説のみで
    あることはやや物足りない気がするし、書かれている
    形式も手伝い、全体を通して「理解する」本ではなく
    「感じる」本となっているのは惜しいところ。

    小説読みを自認する人は、一度読んでみると面白い体験
    が出来るだろう。

  • 読書をするということを、改めて考える機会となりました。
    著者が米人なのであたりまえですが、引用も訳書になりますが、日本的な考え方ではどうなのかしら・・と‥
    本を読む時に私たちは何をみているのか?
    読書を楽しみとしている私は、頭の中で思い描くことが愉しいのかな・・どういう読書を続けていく事になるのでしょう!

  • あきらかにふざけている。馬鹿がつくほどまじめに。
    著者の語る冗談があまりにも強力なため、読者の思考ははるか遠くに投げ飛ばされる。だが著者に救済を求めても不毛である。彼の目的は読者の心に漂流と欠落感を呼び醒ますことなのだから。むしろ、充実した読書体験はそうしたドリフト感に執拗なまでにつきまとわれる。私たちは著者と読者の区別を超え、内省という名の無様でぎくしゃくしたダンスを演じる。その忘我の状態こそ、私たちは「読んでいる」と言えるのだ。

  • 著者は装丁家。
    タイトルから学術書かなあ・・・と思ったら、確かに学術的な示唆も多く含んでいるんだけれど、本自体はなんだろう、コンセプトブックというのもおかしいけれども、凄い豊富なビジュアルイメージを含んだ、文章も1ページ1ページレイアウトが全然違うし、図像も色々入ってきて、それが著者の言いたいことを象徴している、というデザイン本みたいな本。
    雰囲気としてはA・マングウェルとクラフト・エヴィング商會を混ぜてこねた感じ。

    主として文学作品を読むときに、人はどう読んでいるのかということについて、当たり前のように思っていることが実はそうではない、ということを色々示していく。
    例えば人は登場人物のビジュアルをどう処理しているのか。考えて想像している、ようでいて、具体的には描いていないことが多いことを指摘していく。だから挿画や映画化などビジュアルを出してしまうことは大きな影響を持つし、カフカは『虫』について、装丁に虫を出すことを絶対にするなと禁じたりしている。

    一見分厚いけれど、かなりグラフィカルなので、内容はそんなに長くない。ただし、豊富でないという意味ではない(1枚でずっと考えこんだりも出来うる)。

    今やっている研究に直接関わるわけではないので今回はパワー・ブラウジングで済ませたけど、また時間を作ってゆっくり読んだりしたい系の本だ。

  • 言葉は何かを指し示すだけ。読者は言葉によって自分の記憶を引き出す。小説によって描写されるものは、読者の記憶を想起させる。つまり、読者の記憶で構成された想像は、作者が想像するものではない。
    読者は、キャラクターを描写ではなく行動で理解する。描写が増えれば、後から自分の想像のキャラクター像に付け足していく。

    小説を書く際に気をつけること。
    最初に長々とした描写はあまり意味ない。むしろ、行動を描いてから、描写した方が効果的。行動によってイメージを作るから。
    もう一つ、読者の記憶を想起させるのが言葉であるので、対象読者を想定して、読者の記憶を想起させない言葉つつしむべき。むしろ、比喩などをふんだんに使って、読者の記憶からイメージを引っ張り出してくるのが吉。

  • -

  • 本来的な本の面白さは何によって支えられているのかというようなこと、様々な読書体験があり様々な方法論や表現形式があるなかで、読書本来の輪郭を改めて丁寧にとたえてくれる。それが、様々な種類のテキストが通過していく中で損なわれ気味な読書感覚を蘇らせてくれるようなところがある。とにかく抜群に面白かった。★10でもいいくらい。

  • 本書は科学者ではなく装幀家が書いたものである。本書により僕は読書体験が可能であることの奇跡を改めて感じた。読書体験は本がページでできていることと強く関連する。著者はこの点、明確には述べていないのだが、本書事態、ページでできていることを最大限利用している。ページという制約は人間の想像力を換気するのにちょうどよい。ページは書物の番地であり、ほんの厚みは読書の道のりである。電子礎石の便利さは、想像を刺激する制約を解いてしまった。さて、本と想像力の未来はどうなるのか。(岡ノ谷一夫)

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