混血列島論 ポスト民俗学の試み

著者 :
  • フィルムアート社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845917099

作品紹介・あらすじ

わたしたちは混血している。

サントリー学芸賞受賞の批評家が、文学、映像、フォークロア研究を交差させながら、太平洋の島嶼という視点で日本列島(ヤポネシア)に宿る文化の混淆性を掘り起こす、新たな民俗学。

サハリンから蝦夷、沖縄、台湾まで。
異なる文化の邂逅を追って。


批評、映像、民族学といった分野を越境しながら、さまざまな著作や翻訳を発表している映像作家・批評家の金子遊。
いまもっとも注目されている気鋭の書き手の最新著作にして重要論集がついに刊行。

小説家の島尾敏雄は、日本列島から南西諸島にかけての島々を「ヤポネシア」と呼び、日本国ではなく日本列島として捉えようとした。 そして、民俗学者の谷川健一は、この「ヤポネシア」全体に見られる文化や民俗を、朝鮮半島や大陸、そして台湾、フィリピン、インドシナやマレーなどの半島、インドネシアの島々との関係で考えようとした。

日本列島や南西諸島を構成する島々は、最初から「日本」であったわけではない。さまざまな種族が、さまざまな文化様式や時代性をもってまだら状に混在し、それぞれの地方における歴史は独自で異質な時間の系列を進んできた。
それが列島のヤポネシアという本来の姿であり、混淆的である日本列島人や「混血列島」のあるがままの姿なのである。

谷川健一の思想にみちびかれて、ヤポネシアとしての日本に、さまざまな異質性と重層性をはらんだ、あるがままの「混血列島」を再発見する画期的著作。

感想・レビュー・書評

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  • 金子遊×安藤礼二「21世紀の新しい民俗学のために」 『混血列島論』(フィルムアート社)刊行記念 | 本屋 B&B
    http://bookandbeer.com/event/20180617_b/

    <書評>広範な多民族の衝突と結合(評=山村基毅ルポライター)混血列島論:どうしん電子版(北海道新聞)
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/196039?rct=s_books

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    批評、映像、民族学といった分野を越境しながら、さまざまな著作や翻訳を発表している映像作家・批評家の金子遊。
    いまもっとも注目されている気鋭の書き手の最新著作にして重要論集がついに刊行。

    小説家の島尾敏雄は、日本列島から南西諸島にかけての島々を「ヤポネシア」と呼び、日本国ではなく日本列島として捉えようとした。 そして、民俗学者の谷川健一は、この「ヤポネシア」全体に見られる文化や民俗を、朝鮮半島や大陸、そして台湾、フィリピン、インドシナやマレーなどの半島、インドネシアの島々との関係で考えようとした。

    日本列島や南西諸島を構成する島々は、最初から「日本」であったわけではない。さまざまな種族が、さまざまな文化様式や時代性をもってまだら状に混在し、それぞれの地方における歴史は独自で異質な時間の系列を進んできた。
    それが列島のヤポネシアという本来の姿であり、混淆的である日本列島人や「混血列島」のあるがままの姿なのである。

    谷川健一の思想にみちびかれて、ヤポネシアとしての日本に、さまざまな異質性と重層性をはらんだ、あるがままの「混血列島」を再発見する画期的著作。
    http://filmart.co.jp/books/%e4%ba%ba%e6%96%87/konketsu/

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著者プロフィール

1974年生。批評家、映像作家。多摩美術大学准教授。

「2021年 『たぐい vol.3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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