脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ
- フィルムアート社 (2021年1月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845919253
感想・レビュー・書評
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映画のシナリオで従来から定式とされているものが脳科学に裏付けされていることを示したユニークな書。とはいえ、脳科学の性格上(未解明な部分が多い)、脳科学とシナリオの関係が腹落ちするほど明解ではなかった。
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タイトルの通りに、これは映画の脚本家を目指す人の
ための文章なのかもしれません。
ただ、脚本家目指す人ではなく、監督や、映画業界を
目指したい人以外にも、興味深く読める一冊だと思いました。
脚本を成す展開、シチュエーション、構成など
様々な視点から精神心理学を用いて検証、解説されている
各チャプターの内容は、どれも
「言われてみればそうだよね!わかるわかる!」
とふんふん頷きながら読むような、
難しい言葉の羅列ではない文章となっていました。
さらに、『世界にひとつのプレイブック』
『アラビアのロレンス』『トイ・ストーリー』などなど
具体的な作品を挙げながらのシーン説明は、
観たことがある作品が出てくると尚更、
ぐっと実感を込めて読み進めることができました。
脚本を書きたい、と思っていた訳ではない私でも、
映画が好きだからという理由で、
読んでみて良かったと思いました。 -
読むのにかなり時間は要しますが、それは内容の濃密さによるものと考えます。人の認知がどのように働くのか、重要な情報をうまく伝えるにはどうしたら良いのか、注意を保ってもらう方法、視覚などの情報の特性などについて書いてあります。
実際脚本を書く人でなくても、映画を見る時の楽しみが少し増える一冊であると思います。 -
ちょっと翻訳が読みづらいかな。内容的には興味深いのだけど、題材に出てくる映画を見たことがなかったりもするのでなんとなくしかわからない部分も多かった。脚本やストーリーを本気で作り出そうとしている人が読むと違うのかもしれない。
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難解でした。翻訳のせい?
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認知心理学も加味した、シナリオ術。
面白いのだが、引用される映画を知らんから。
んで、毎度の翻訳本の、不自然さ。たまらん。
でも、最後の章、スターウォーズの説明で、シナリオ術の全部をひっくり返すのはよく理解できた。 -
産経新聞2021411掲載
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認知神経科学の観点から映画の脚本を分析した一冊。一応は優れた脚本の書き方・映画の撮り方の教科書なのだが、見る側の人間が読んでも映画の見方に新たな気づきを与えてくれる。個人的にコントラストは今まで全然考えたこと無かったので次から見る際に意識してみたい。第5章の時系列操作の話は「物語のゴールは結果を知ることなのか?」という根源的な問いに繋がっていて興味深かった。難点は原文がそうなのか翻訳の問題なのか読みやすいとは言いがたいところ。