ボヌール・デ・ダム百貨店

  • 論創社
3.65
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本棚登録 : 83
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (569ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846004002

作品紹介・あらすじ

消費社会の起源を刻明に描いた百貨店の物語。ボヌール・デ・ダム百貨店、120年ぶりに新装オープン。ゾラが見た消費の神殿。くりひろげられる魅惑・労働・恋愛、本邦初訳・完訳版。

感想・レビュー・書評

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  •  レースやリネンの華やかな描写、絢爛なディスプレイ、欲望の熱に浮かされたご婦人方のざわめき等が余すこと無く書かれていてまるで自分も実際にその場にいるかのような心地でした。
     ブラック企業を彷彿とさせる長時間労働や満足な福利厚生のない実態、新人イジメや陰湿な噂話が飛び交う職場、百貨店の進出による個人商店の壊滅的打撃、主人公の弟達のために生活を切り詰める涙ぐましい努力は多くのシングルマザーの苦境を連想させ…。こうしてみると意外な程、今日的問題の多くと共通していて驚くばかりです。

  •  経営者、従業員、客、商店主 様々な視点から「百貨店」を描いた作品。
     マクロ視点では、百貨店の豪華絢爛な描写。地域店舗を食って増築する巨大な建造物。経営におけるシステム→商品管理、店員別売上による歩合とモチベーション、伝票、通信販売、配送。
     ミクロな視点では、人間らしい醜さ→従業員同士の競争、新人や芋っぽい娘への嘲笑、才覚への妬み嫉みやありもしない噂や嫌がらせ。
     周辺商店主の苦悩や不幸なんかも。いとこ家やロビノーさんの怒涛の不幸は思わず涙(´;ω;`)

     カムバック後はまさにシンデレラストーリー!取り入ったわけでもなくむしろ逆を貫いたにもかかわらずドゥニーズに良いほうへ動き出したのは爽快! それがまた計算だと言われるのも癪に障ったが(笑
     デフォルジュ夫人は前半は自らの立ち位置(パトロンとの繋ぎ役)も理解した愛人として周りの夫人たちと比べても知的な印象だったが、後半からはもうただの嫉妬女に成り果ててしまっていた(;´Д`)
     万引きや買い物依存なんかにも言及してて、万引き夫人に対しては「この時代からこんな盗人猛々しいクズがいたのか」と思った。盗癖心理についてもよく書かれていたと思う(・ω・)
     ムーレはカリスマ性があり、莫大な力や金や女には困らないが、それ故に「愛」を知らなかったんだろうなー。忘れてたとも言うか。 ドゥニーズと出会い互いに苦悩しすれ違っていく様はラブコメ万歳でしたヽ(´ー`)ノバンザーイ
     『時給』や『シフト』などの概念が無く、『固定給』と『歩合給』の為に、繁忙期と閑散期の経費調整には必然と採用と解雇になるのもなるほど。
     SCなどのように大型建物内に外部店舗の売り場を設ける『テナント』の概念ももちろんないので共存の道は無く、専門商店主は自社運営の百貨店に食いつぶされるしか無かったのもなるほど。
     何かしら接客販売のバイト経験ある人多いと思うけど、そういう人は読んでみると面白いかもしれません(・∀・)

  • ワクワクする!
    描写の一つ一つから場面がまるで映画のように頭の中に展開して
    クラクラするほどのリアリティを持って迫って来る。
    の割りには、人物が特にドゥニーズが意味不明に感じるときがあった。
    でもこれはたぶん私の主観。
    読む価値は絶対にある。
    本がどこかへ連れてってくれることを思い出させてくれる作品。

  • ゾラという作家さんはバカロレア試験というまぁ日本でいう卒業試験を二回も失敗した、若い頃はあれな方だったのですが十九世紀では一番有名な作家かもしれません
    人一倍正義感が強かった彼は世の中の不平等が許せずに、社会の暗い部分を本にして出版する事で苦しんでいる人達の味方につきました、写真を見るとちょっと象に似た正義の味方のおじさん
    大体はアンハッピーエンドですがロマンス好きな貴方にはこれをお勧めします
    唯一明るいと言っても過言でない作品。ただし人間関係が複雑で途中でうざったくなりますがそんな時は流し読みでもしましょう
    映画を観ると言う手もありますが映画のオクターブはかっこよくないので観ないほうが懸命です
    折角ですから自分の想像力に任せましょう。

    大きな百貨店は最近増えてきましたよね、そんな百貨店の戦術、そしてつぶれてゆく小型商店の物語でもあり貧乏娘と金持ちブルジョアのラブストーリー

  • 【08.6/図書館】
    ルーゴン・マッカール叢書11巻。
    薄利多売の巨大資本に蹂躙される小商店!
    現代で言えば、総合大型店舗に席巻されていく商店街みたいなものか?
    そんな商業形態の過渡期を舞台にした……ハッピーエンドな恋愛物だなこれは(笑)
    主人公たちはハッピーエンドだが、もちろん夢物語ではない以上、残酷な現実は山のように描かれている。

    家系樹によると、オクターヴは、ある意味伯父さん(ルーゴン閣下)に似てるのか。
    そうなのか…そうかもな……。

    ボヌール・デ・ダムのモデルは、ボン・マルシェと言われている。
    (でも、物語中にもボン・マルシェ自体は存在している)
    ボン・マルシェ創業に関する事がよくわかる、講談社文庫の「デパートを発明した夫婦」を先に読むと、物語をよりいっそう理解しやすい気がする。


    ごった煮をまだ読んでない!

  • 未見なので星三つにしておきます。
    実は今一番欲しい本です。

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著者プロフィール

(著者)エミール・ゾラ Émile Zola  
1840 年生まれ。フランスの小説家。自然主義を標榜する。
1860年代から出版社アシェットで働きながら、文筆活動を開始。幼少期からの友人である画家ポール・セザンヌとともに、のちに印象派となるグループと交流。マネの作品に心酔し、《オランピア》が非難の的となったさいには擁護の論陣を張る。代表作に『居酒屋』、『ナナ』など。
対象を冷徹な観察で生々しく描写する手法で高い評価を得た。1902年死去。

「2020年 『エドゥアール・マネを見つめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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