- Amazon.co.jp ・本 (569ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846004002
作品紹介・あらすじ
消費社会の起源を刻明に描いた百貨店の物語。ボヌール・デ・ダム百貨店、120年ぶりに新装オープン。ゾラが見た消費の神殿。くりひろげられる魅惑・労働・恋愛、本邦初訳・完訳版。
感想・レビュー・書評
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ふむ
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フランスの作家、ゾラの作品
1850年ごろ書かれた、百貨店の誕生と、キャリアウーマンと、恋の話。
それまでのビジネスモデルだった古き良き小商店が、資本主義の化身である百貨店に次々と飲まれていき、新しい消費ファーストの時代が生まれていく。
また、主人公の女性は、そうした資本主義への世間の風というものを感じ取り、田舎っぺ娘から洗練されたビジネスウーマンへ成長を遂げる。
そして面白いのが、ここに絡んでくる恋の話だが、百貨店の社長であり、プレイボーイである彼の誘いを断り続けることで、彼の心を虜にしてしまう。恋の駆け引きの手引きまでやってくれるこの本、非常に面白く読めた。
実はフランス語バージョンを読んでいて、カンニング目的で図書館で借りたのだが、日本語のこちらは完全版で、フランス語の方は、半分以上省略してるバージョンだった。やはり、完全版を読む方が分かりやすいし、550ページほどあるのだが、あっという間に読了してしまった。
この百貨店の社長、ムーレの若き時の話が、「ごった煮」という本らしい。隣の区の図書館にあるようなので、借りて読んでみたい。 -
レースやリネンの華やかな描写、絢爛なディスプレイ、欲望の熱に浮かされたご婦人方のざわめき等が余すこと無く書かれていてまるで自分も実際にその場にいるかのような心地でした。
ブラック企業を彷彿とさせる長時間労働や満足な福利厚生のない実態、新人イジメや陰湿な噂話が飛び交う職場、百貨店の進出による個人商店の壊滅的打撃、主人公の弟達のために生活を切り詰める涙ぐましい努力は多くのシングルマザーの苦境を連想させ…。こうしてみると意外な程、今日的問題の多くと共通していて驚くばかりです。 -
ワクワクする!
描写の一つ一つから場面がまるで映画のように頭の中に展開して
クラクラするほどのリアリティを持って迫って来る。
の割りには、人物が特にドゥニーズが意味不明に感じるときがあった。
でもこれはたぶん私の主観。
読む価値は絶対にある。
本がどこかへ連れてってくれることを思い出させてくれる作品。 -
ゾラという作家さんはバカロレア試験というまぁ日本でいう卒業試験を二回も失敗した、若い頃はあれな方だったのですが十九世紀では一番有名な作家かもしれません
人一倍正義感が強かった彼は世の中の不平等が許せずに、社会の暗い部分を本にして出版する事で苦しんでいる人達の味方につきました、写真を見るとちょっと象に似た正義の味方のおじさん
大体はアンハッピーエンドですがロマンス好きな貴方にはこれをお勧めします
唯一明るいと言っても過言でない作品。ただし人間関係が複雑で途中でうざったくなりますがそんな時は流し読みでもしましょう
映画を観ると言う手もありますが映画のオクターブはかっこよくないので観ないほうが懸命です
折角ですから自分の想像力に任せましょう。
大きな百貨店は最近増えてきましたよね、そんな百貨店の戦術、そしてつぶれてゆく小型商店の物語でもあり貧乏娘と金持ちブルジョアのラブストーリー
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【08.6/図書館】
ルーゴン・マッカール叢書11巻。
薄利多売の巨大資本に蹂躙される小商店!
現代で言えば、総合大型店舗に席巻されていく商店街みたいなものか?
そんな商業形態の過渡期を舞台にした……ハッピーエンドな恋愛物だなこれは(笑)
主人公たちはハッピーエンドだが、もちろん夢物語ではない以上、残酷な現実は山のように描かれている。
家系樹によると、オクターヴは、ある意味伯父さん(ルーゴン閣下)に似てるのか。
そうなのか…そうかもな……。
ボヌール・デ・ダムのモデルは、ボン・マルシェと言われている。
(でも、物語中にもボン・マルシェ自体は存在している)
ボン・マルシェ創業に関する事がよくわかる、講談社文庫の「デパートを発明した夫婦」を先に読むと、物語をよりいっそう理解しやすい気がする。
ごった煮をまだ読んでない!
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未見なので星三つにしておきます。
実は今一番欲しい本です。