甲賀三郎探偵小説選 (論創ミステリ叢書 3)

著者 :
  • 論創社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846004071

作品紹介・あらすじ

本格派の愉悦。猟奇とユーモア、理智の円舞曲!科学者作家の冷徹なる実験精神が、闇に嵌まった都市のパズルを解きほぐす。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の探偵小説、ミステリーの原点といわれているらしい甲賀三郎の作品。とあるきっかけで読んでみました。昭和初期の薫り漂い、言葉遣いが純文学みたい。ドロドロしてない横溝正史のようです。ミステリー読み慣れた目からすると可愛らしさすら感じる展開ですが、昭和初期に書かれたことを考えると、かなり冒険的な作品だと思います。町の様子や小道具がすべてアンティークでいい感じ。

  • 『電話をかける女』
    恋人・時子に電話をかけようとして先に電話を取られた竹友。女の会話を聞くうちに近頃はやりの恐喝犯と確信する竹友。脅迫の相手は竹友の叔父。電話をかけた女を伯父の秘書。自殺した伯父。かつて取り扱った殺人事件の裁判について恐喝されていた伯父。伯父と時子の関係。

    『原稿料の袋』
    酔った勢いで浅草までやってきた探偵小説家・土井江南。浮気相手を殺害するという老人に連れられてやってきて家での殺人。血塗れのナイフ。脱獄犯・由利鎌五郎の情婦。怪盗・葛原の狙い。

    『鍵なくして開くべし』
    謎の女に家にかくされた財宝を探すように依頼された土井江南。富豪の老人の死。老人の残した鉄の箱の秘密。怪盗・葛原の手紙。

    『囁く壁』
    謎の女に預かり物を頼まれた探偵小説家・土井江南。直後に殺害された謎の女と男。事件後に江南の家を訪れた謎の男。囁く壁の謎。壁の事を公表しろと迫る男。

    『真夜中の円タク』
    新聞に載った被害者不明のバラバラ殺人事件の調査を行う土井江南。メモをとり調査を進めるが・・・。

    評論・随想編
    『「呪はれの家」を読んで』

    『印象に残る作家作品』

    『探偵小説はどうなつたか』

    『探偵小説の将来』

    『実は偶然に』

    『本当の探偵小説』

    『エレリー・クイーンの「和蘭陀靴の秘密」』

    『漫想随筆』

    『新探偵小説論』

    『探偵小説と批評』

    『探偵小説とポピウラリテイ』

    市川図書館
     2010年10月4日読了

  • 050122

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著者プロフィール

1893年、滋賀県生まれ。本名・春田能為。1918年、東京帝大工学部化学科を卒業後、農商務省臨時窒素研究所技手となる。23年に雑誌『新趣味』の懸賞応募作「真珠塔の秘密」でデビューを果たし、以降、「琥珀のパイプ」(24)や「ニッケルの文鎮」(26)など理化学トリックを使った作品を数多く発表する。28年に窒素研究所技師を退任して専業作家となり、様々な分野へ創作活動の幅を広げていき、32年に新潮社の「新作探偵小説全集」へ書下ろした長編『姿なき怪盗』は代表作となった。33年から35年まで文藝家協会理事を、42年から44年にかけて日本文学報国会事務局総務部長を務める。44年10月から日本少国民文化協会事務局長に就任。1945年、公務で訪れた九州からの帰都途中、急性肺炎のため岡山県内の病院で死去。

「2020年 『甲賀三郎探偵小説選 Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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