ジョン・ディクスン・カーを読んだ男 (論創海外ミステリ 68)

  • 論創社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846007515

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ。パロディ。
    海外の著名なミステリ作家の作品にまつわる短編。
    もとの作品、著者を知っていると、非常に楽しめそう。
    好きなのは、表題作、「ダシール・ハメットを読んだ男」、「読まなかった男」。

  • 凄く良かった!

    元になった作品を知らなくても面白いし、知ってると尚面白い。
    元を知らない作品も多いから、読みたい。

    全部良かったけど『G・K・チェスタトン〜』『ダシール・ハメット〜』『読まなかった男』『プラット街イレギュラーズ』が特に好き。

    あとがきにある〈ストラング先生〉シリーズも読みたい。

  • 短編集です。
    「エラリー・クイーンを読んだ男」、「コナン・ドイルを読んだ男」等、ミステリへの深い愛情と謎解き、溢れるユーモアで贈る~を読んだ~シリーズ全11編が収録されています。
    巨匠ジョン・ディクスン・カーに憧れて自ら密室殺人を企てる青年の話やクイーン顔負けの論理で謎を解く老人の話、身に覚えのない手紙を受け取ったアメリカ在住のワトスンの話等が載っています。
    表題作の「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」の結末はユーモラスでおもしろいです。
    付録としてディケンズの愛読者が探偵として事件に挑む「うそつき」等の3編も収録されています。
    珠玉のパロディ群を堪能できます。

  • 「〜を読んだ〜」シリーズを中心に編まれた短篇集。カー、クイーン、クリスティ、ドイルなどなど、次から次へと登場する巨匠の名に懐かしさで胸が熱くなる。コミカルなものからシリアスなものまで幅広い作風ながら、いずれも元ネタをうまく使ったミステリへの深い愛情を感じさせる内容。巻末の「好事家のためのノート」も読書ガイドとして嬉しい。お気に入りは表題作、「コナン・ドイルを読んだ男」、「読まなかった男」かな。

  • 表題作ほか「エラリー・クイーンを読んだ男」「レックス・スタウトを読んだ女」などの「〇〇を読んだ△△」シリーズ。アガサ・クリスティ、G.K.チェスタトンなど黄金期の巨匠の名前がずらりと並ぶ。
    ミステリを熟読した主人公が何らかの事件に当たり、お気に入りの名探偵になりきって謎を解く、というのが大方のパターン。だが、トリックを作る側に回る主人公も。いずれも軽く楽しい作品。
    既読のものがいくつかあって、実のところ大して評価していなかった。シリーズだとも知らなかった。が、こうやってまとめて読むと相乗効果のようなものがあるようだ。単品で読むよりずっとおもしろい。本家の雰囲気をどう出すかも見どころ。ミステリを読んでいる人ほど楽しめるだろう。

  •  「○○を読んだ○○」というタイトルのシリーズ、プラスアルファの短編集。有名な表題作はずいぶん昔に読んだことがあって、その味な結末に笑ったものである。シリーズとしていくつも作品があることは知っていたが、第1作のイメージのおかげで、どちらかというとミステリをネタにした小話ようなシリーズであると思っていた。今回初めてまとまって読んで(クリスティだけは以前読んだことがあった)、実は驚いてしまった。どれもきっちりとしたパズルミステリだったからである。

     それもそのはずで、この作者は「ストラング先生」シリーズという別の短編もたくさん書いていて、そちらはエドワード・ホックに匹敵するような見事なパズルミステリだからだ。こっちのシリーズも実におもしろいのだけど、まだ短編集にまとめられていないとのこと、残念に思う以上にびっくりしてしまった。

     英語を使った言葉落ちのものなどはわかりにくくおもしろみも感じられなかったが、あとはなかなかの楽しさ。特に原作を知っていると二度おいしいところがあって、個人的には実に楽しめた短編集であった。が、やっぱり表題作のユーモアが一番気持ちよかったりもして、その味が他の短編にはもうひとつ薄い感じがするのが残念である。
    2009/9/1

  • これはミステリが好きな人ほどたまらん作品でしょう。
    「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」のラストにはずっこけましたが。
    個人的には「エラリー・クイーンを読んだ男」「アガサ・クリスティを読んだ少年」「コナン・ドイルを読んだ男」がとても気に入っています。すっきりとしたワンアイデアが光り、ミステリに対する愛があふれていたように思えました。
    推理小説を短編という形できっちり展開できる作家というのは、やはりすごいですね。
    恥ずかしながら自分の知らない作家も多く含まれていたので、ここをとっかかりにいろいろ読み進めていきたいものです。

    ていうか〈ストラング先生シリーズ〉を単行本化してくれ!

  • ユーモアのあるパロディ。『黒後家蜘蛛の会』のパロディが、特にお気に入り。

  • 有名ミステリ作家に対するパロディやらオマージュやらの短編集11篇+おまけ3篇。
    表題作は大層なバカミス。脱力して苦笑。
    他、おまけ含めて13篇はパズラーとして良作。小編ながら楽しめた。
    個人的には「アイザック・アシモフを読んだ男たち」とおまけの1篇「ザレツキーの鎖」が好み。
    前者は黒後家蜘蛛の会の愛読者として思わずにやりとしてしまう作品。後者は小編でも十分格好いいハードボイルドが作れることを示していてシビレる。
    巻末についているテーマとなった各作家について簡潔に紹介した「好事家のためのノート」もよかった。
    ミステリファンにはとても楽しめる1冊だった。

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著者プロフィール

William Brittain

「2010年 『ストラング先生の謎解き講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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