ポッターマック氏の失策 (論創海外ミステリ 77 ホームズのライヴァルたち)

  • 論創社
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846007850

感想・レビュー・書評

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  • 倒叙ミステリの創始者らしく、良質な倒叙もの。
    犯行のうまさと、事後に発覚する齟齬の数々。
    うまさとハラハラのバランスがよく、最後まで引き込まれる面白さ。
    探偵側のソーンダイク博士も、魅力的。
    その鋭さは痛快だし、まなざしがあたたかい。
    読後感もよい。

  • 靴あとからの偽靴の作り方にしろ、盗難紙幣のばら蒔き方にしろ、手が込んでるなぁ。そこら辺の描写が詳細でなかなか面白い。まあ、あれそもそもソーンダイク博士だって気付いてたしねぇ。昔でもあのトリックが通じたのは運が良かっただけじゃないのかなぁ(検死やった人が素人だったとか)似たようなトリックは短編の方でも使われてるけど、骨格見ただけで人種まで解るとかすごいな

  • 予想以上に早く殺害してしまったので、残りのページ数がもつかと心配したのだが、読み終えてみると、その構成力の巧みさには舌を巻いた。慣れるまでは読み難かった。ひとつの段落が長いし、何事もとことん説明してくるので、そのしつこさには困惑させられた。そして何より、どこまでいっても地味なのだ。
    しかしそれもこれも、作者のフェアなスタンスを思えば当然なのかもしれない。追い詰められた犯人が次にとる動き、そこから犯罪の姿を確信する探偵──この辺りのストーリー展開に作者の自信が垣間見える。そしてラストの素晴らしさ。読者の願望をすべて実現してくれたようで文句のつけようがない。倒叙ミステリのひとつの完成形がこの時代に書かれていたとは……さすがホームズの母国。

  • ソーンダイク博士シリーズ

    銀行の出張所所長ジェームズ・ルーソンに恐喝される実業家マーカス・ポッターマック氏。無実の罪で投獄され脱獄した過去を持つポッターマック。真の犯人であるルーソンによる恐喝。ポッターマックの反撃。井戸の中に落ちたルーソン。足跡の偽造。銀行の金を持ち逃げし消えたと噂されるルーソン。ポッターマックのかつての恋人で未亡人となったアリス・ベラード。彼女との再びの恋。アリスの夫の正体。新たな死体の調達と発見。真相に近づいたソーンダイク博士のホワイト氏とブラック氏の物語。

     2011年2月22日読了

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著者プロフィール

"オースティン・フリーマン
1862-1943
本名リチャード・オースティン・フリーマン。
別名義にクリフォード・アシュダウン。
英国、ロンドン生まれ。
1880年にミドルセックス病院付属医科大学に入学。
その後、王立外科医科大学などで働く。
デビュー作は、アフリカのガーナに植民地付医師補として
赴任した際の探検を本にまとめたTravels and Life in Ashanti and Jaman
(1898)。
科学者探偵ソーンダイク博士シリーズは、第一作『赤い拇指紋』(1907)
をはじめとして、長編21作、短編40作以上を数え、
「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」の
代表格とされている。




"

「2019年 『ニュー・イン三十一番の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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