死せる案山子の冒険 (論創海外ミステリ 84 シナリオ・コレクション 聴取者への挑戦 2)
- 論創社 (2009年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846008925
感想・レビュー・書評
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2021/07/31読了
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エラリー・クイーンのラジオドラマ。
当時、アメリカではレコードに吹き込みもあったとか… 「ネロ・ウルフの冒険」のB面らしいけどw
紙媒体では魅力半減かなあ。 -
ラジオドラマ版、クイーンの冒険のシナリオ集第2弾です。
国名シリーズとライツヴィルもの両者の要素を備えた表第作を含む7編が収録されています。
密室、ダイイングメッセージ、オカルト等バラエティに富んだ作品ばかりです。
ラジオドラマのシナリオなのでほぼ台詞で話が進みます。
読みやすいです。
私は「〈生き残りクラブ〉の冒険」が1番気に入りました。
郵便ポストに向かって走り、車にひき逃げされたビル・ロッシは殺人が起きると言い残して死んでしまいます。
そんな中、彼の所属していた生き残りクラブでは配当金の分配が真近に迫っていました。
そして、遂にクラブの祝いの席に用意された酒に毒が仕込まれます。
本作は以外な犯人な素晴らしい犯人当て作品だと思います。 -
1つだけ読者へのサービス作品が
あります。
よほどの人ではない限り
ある事柄が起こった時点で犯人は
一人に絞られるはずです。
もうひとつは既出ではあるけれども
人間の習性ゆえに事件が看破される
ものもあります。
すでに使われている方法ですが
なるほど、と思わせてくれるはずです。
珍しく解ける事件があって
うれしい限りです。 -
全編すべてが台詞とト書きだけなのでさくさく読める。お馴染みのメンバーが事件に遭遇するパターンは同じだが、中身はバラバラで種類豊富。なんとなくのほほんと進んでしまいがちだが、よく読むと悲惨な展開に平気でもって行ったりと、いろんな意味で大胆なことをしでかしている。あくまで“犯人当て”がメインなので、意味不明な動機や危なっかしいトリックには目をつぶる必要があるかもしれない。しかし何と言っても、この時代にここまで完成された推理ドラマが存在したこと自体が驚きだろう。