- Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846012007
感想・レビュー・書評
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白川静の存在はたいへん気になっているのだが、いちど彼のディープな漢字世界にはまりこんだら戻ってこられなさそう。本書なら、とちょっと覗いてみたくなった。
人にまつわる漢字が載っている。
読みながら復習。象形文字はわかるが、形声文字、会意文字ってなんだっけ。
形声文字は、意味を表す部分と音のみを表す部分をくっつけた漢字。
会意文字は、複数の象形文字を組み合わせて作った漢字だ。
しばらく日本を離れ、戻ってきた直後に漢字やひらがななどを目にすると、かなり異様な文字(というかなんかの模様!?)としてこちらに迫ってきて頭がクラクラしてくるが、本書を見るとその時の感覚がよみがえってくる。
わたしたちが使っているのは、象形文字なのだということを体で思い出す(言霊、とか言いたくなる気持ちもわかる)。
同時に、アルファベットはほんとに音声でしかない(良い悪いは関係なく)のだとも実感。いかにもロジカルな思考に向いている感じがする。
たとえば、「光」。これが「火」と「人」を組み合わせた文字だと言われると、光の"足の部分"がとたんに聖火ランナーのように走り出す。
あるいは「央」。これは、「首に枷を加えられている人を正面から見た形」だそうだ。人が、苦しそうに拷問にあえいでいる。
「北」は背中合わせ。2人の人がおしくらまんじゅうをしている姿が浮かぶ。いま書いた「姿」という漢字だって、もはや身を飾り立てて走っているようにしか見えない。
本書をめくると、文字が動きだす、踊り出すというかなり異様な体験ができておもしろい。絵があまり好きではないけれど。と小声でいっておく(何かを「言う」のは、この漢字を使うとなんだか大変そう)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漢字のなりたちがわかる絵本
人にかかわる漢字が集められている