口笛探偵局―仁木悦子少年小説コレクション〈2〉

著者 :
制作 : 日下 三蔵 
  • 論創社
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846012038

感想・レビュー・書評

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  • ああ、小学生ぐらいの時に通った、モールス信号萌えや踊る人形萌え、「やきいも探偵局」を読みながら思い出しましたよ。仁木作品の凄いところはこういう大人になるとすっかり忘れているような子供の頃の感覚・価値観がさらっと描かれるところですね。
    随筆の方は、戦争に関するものが多数収録。推理作家とはまた違う、人間仁木悦子の想いが書かれていて胸を打ちます。

  • 仁木悦子少年小説コレクション2巻。

    【なぞの黒ん坊事件】アリバイ物。地名や人形を取り入れて単純にしていない。程よい距離感の兄と妹の関係も楽しい。

    【やきいもの歌】これも姉と弟が素敵。更に探偵気取りの友人が加わって、ラストの3人で探偵事務所を開こう、なんて会話は楽しそうで羨ましい。
    ミステリでお馴染みのモールス信号の使い方がおもしろい。会話から安楽椅子探偵ばりの推理をするだけでなく、暗号文のようにもなっていて凝っている。タイトルの「やきいもの歌」がどのように事件に関わるのかと思っていたらこれまた随分と可愛らしかった。

    【その時10時の鐘が鳴った】タイトルがかっこいい。トリック自体は単純だが、なぜやってもいないのに自白したのか、その理由が会話にちゃんと示されている。証言者もそうだが親子愛で締め括っていて爽やかだった。

    【影は死んでいた】この兄妹愛は良いなぁ。死体が消えたという展開はおもしろいけれど、職場や大家にあんなことを言っていたら、遅かれ早かれ暴かれた犯罪だろう。

    【盗まれたひな祭り】お店に寄った順からの推理はおもしろい。あいつ、どうしたんたんだろう?ってことで後を追ったりするのが暇で好奇心の強い子どもらしくて良いです。

    【あした天気に】動物たちがなくなった靴を探すお話。動物たちが可愛い。挿絵も可愛い。ねずみから目を逸らす猫可愛い。

    【まよなかのお客さま】可愛らしい幽霊話。人だけでなくて、ハンドバッグの幽霊とか可愛らしいなぁ。でもネズミがいちいち幽霊になっていたらそのへんに溢れかえっていそうで嫌。

    【やさしい少女たち】タイトルとはかけはなれたサスペンスホラー。プロバビリティの殺人です。悪意に満ちたサスペンスで非常に楽しい。

    【雪のなかの光】迷子の雪山で出会った男は怪しかったですが、ミステリでもなんでもない、ほろりとくる兄弟愛のお話。雪の降る寒い中でポッと光る懐中電灯の光というのが暖かい。母親はこういう風に言ってはいけないなぁ。

    【緑色の自動車】知らない人の車には乗らない賢明な少女が車に乗るこむ所をも目撃されるという謎。この作者が描く子どもたちはみんなしっかりした賢い子たちなのが良いです。

    【消えたケーキ】これは事件のきっかけや悪漢から逃げる術などすべてケーキがキーポイントになっているのが楽しい。主人公の女の子が気の強い賢い子で、悪漢や状況に対して色々突っ込んだりしているのが笑えました。
    怪しい人にそうそう情報を渡してはいけないよ、と思った少年が最後に活躍してくれたのもうれしい。

    【口笛たんてい局】口笛たんてい局の子どもたちが活躍。一つ目の事件は近所の少年の失踪なわけだが、この犯人たちの思惑というのが変わってる。そんなリスキーな、と思ったけれど、さっさと行方をくらませたら良い案なのかも?
    二つ目の事件は消えた万年筆。万年筆が盗まれた!なんて友人が騒ぎだしたら、わたしなら「失くしたんじゃないの?」とか言ってしまいそうだが、きちんと捜査するあたりは流石口笛たんてい局。
    三つ目は監禁事件。基本的にいつも口笛たんてい局の面々が悪漢に捕まっててんやわんやというお話なわけだが、この4人の子どもたちの知恵と正義感と行動力が楽しいのです。

    1巻に引き続き随筆集は作者のミステリ愛や朗らかな性格かみてとれてとても楽しい。今回は戦争への想いをとても重く受けました。

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