緯度殺人事件 (論創海外ミステリ 168)

  • 論創社
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846015077

感想・レビュー・書評

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  • バミューダからカナダへと向かう貨客船の中で起きた殺人事件。容疑者は乗客の中の男性の誰かだと思われるが、殺された被害者が、船唯一の無線通信士だったため外部と連絡が全く取れない状況に陥る。船にのりあわせたヴァルクール警部は単身捜査に乗り出す――。

    『海のオベリスト』みたいな豪華客船が舞台ではなく、もう少しチープな貨客船上の事件なのでゴージャスさはなく、淡々と捜査が進んでいくところが地味っちゃ地味ですが、手堅い感じの作風ですね。それと1つの章が短く話が進んでいくのであまりイライラしないのは良かった。
    読んでる途中、なんでこんなタイトルにしたのかねぇ?(原題も Murder by latitude)と疑問に感じていたのですが、とあるポイントで「なるほど! このタイトルだわ!」となったのが面白かった。

  • そろそろカテゴリ詐欺と言われそうだけど…「クローズド・サークル未訳の古典!」とか言われていたんだもの(ぶちぶち
    船上で連続殺人が起こりますが、37564ではありません。「九人と死で十人だ」+「偽のデュー警部」的な。
    あと、この舞台立てならではのハラハラドキドキなピンチもあります。「シャム双子の謎」的な。
    しかしいかんせん、その描写があまりに淡々としているというか、端正にすぎるというか、みんなが今よりもう少しインテリジェントだった古き良き時代(原著は1930年刊)に合わせて書かれているので、せっかくのピンチなのにピンチ感がいまいち盛り上がらない。読み終わってから、「げっ、こんなにピンチだったの?」的な。
    そんなこんなで、ハラハラドキドキ・疑心暗鬼な閉鎖空間での連続殺人(あわよくば37564)を期待して読んだ私には、いろいろなところが少しずつ惜しい小説でした。

    とはいえミステリとしては、さすがによくできてます。伏線の張り方などもみごと。探偵役は魅力的、〆のセリフもピリッと効いて、まさしく「古き良きヴィンテージ・ミステリ」の味わい。
    読了後は丁寧な訳者あとがき、解説、そして宝の山みたいな既刊一覧にてお楽しみあれ。

    2016/6/20~6/21読了

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