列をなす棺 (論創海外ミステリ 318)

  • 論創社 (2024年6月11日発売)
3.50
  • (1)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784846023898

作品紹介・あらすじ

煌びやかな虚飾の世界で殺人事件に巻き込まれるフェン教授。映画業界を舞台にしたシリーズ後期の傑作を初邦訳!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  映画の出演が決まってとても喜んでいた女優の娘が突然自殺してしまった。そして、なぜか彼女の部屋と持ち物が家探しされており、身元の手がかりとなるような物が持ち去られていた。自殺であることは目撃証言もあって確実なのだが、彼女が自殺した理由を知られたくない誰かがいるのか。
     たまたまその映画、アレキサンダー・ポープの伝記映画の企画に参画していたため撮影所に通っていたフェン教授は、知り合いの警部に協力して事件にかかわることになる。そして、事態の推移と共に、ポープの「一族郎党不意の復讐にみまわれ、棺が列をなしその門を囲む。」という詩の文言がフェンの脳裏に浮かぶのだった。
      
     という話なのだが、今回フェン教授にハンブルビー警部は逐一の連絡はせず、フェンの出番はあまり多くないし、その特長と言われるドタバタのファルス的要素もない。偶然の事情から犯行に出くわした登場人物の一人が、暗闇の中犯人を追跡する、それをまたフェンが追いかけるといった場面が、スリルのあるヤマ場と言えようか。

     なお、解説ではクリスピンについて多角的に語られていて、とても参考になるのだが、その翻訳作品が現在ではほとんで流通しておらず読むのが難しくなっているので、本作品自体についての少し詳しい解説があっても良かったのではないかと思います。

  • 図書館
    ハードカバーは読みづらすぎる

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

本名ロバート・ブルース・モンゴメリー。1921年、イギリス、バッキンガムシャー州生まれ。オックスフォード大学在学中に書きあげた「金蠅」(1944)でデビュー。パブリックスクールで二年ほど教鞭を執ったあと、合唱曲や映画音楽の作曲家として活躍し、評論活動やアンソロジー編纂の仕事にも力を入れた。1978年死去。

「2024年 『列をなす棺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エドマンド・クリスピンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×