- 本 ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847019913
感想・レビュー・書評
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「人間は忘れる動物だと、どこかの国の学者が言った。
一時間後には半分忘れる。
一週間後には、またその半分を忘れる
あの夏の日、三宅島で起きた大噴火を、
みんなはもう忘れてしまっただろうか。
ぼくも忘れてしまうだろうか。
あの夏の日、ロックと過ごしたあの日々。」
2000年夏。
三宅島で起きた火山の大噴火。
ニュースで繰り返し伝えられたこの事実も、
11年の年月がたち、心の片隅に追いやられていた。
そして大震災が起こった今年に、
この本が映画として公開されたことは
とても重要な意味を持つと思う。
「かわいそうに」と安易に言うことの軽率さ。
事態が沈静化しても、
終わることのない住民への影響。
そして島への愛情と
人々の強さ。
主人公の男の子と、
わんこのロックの心の絆。
そしてなによりも男の子の、
強さとまっすぐさに心打たれました。
「お天道さま。
ぼくはあったかくて、やさしくて、
強い人間になりたい・・・」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
同名映画の小説版。三宅島に暮らす少年と犬、家族の絆の物語。
三宅島の噴火もそうでしたが、実際にそこに住んでいた人々の苦労は1年や2年で済むものでも並大抵のものでもなく、また、帰ってこれたとしても以前と同じ生活が歩めるというものではありません。そして、直接被災された人以外にはよりその記憶は急速に失われていきます。
東日本大震災から1年経った今読むと、よりそれが身につまされました。
今回は被災しなかった自分が出来ることは何か。継続した支援や防災に備えることも、まずは記憶を風化させないことから始まるのだろうと改めて強く考えました。
著者プロフィール
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