「最後」の新聞 ~サッカー専門紙「エル・ゴラッソ」の成功~ (ワニブックスPLUS新書)

著者 :
  • ワニブックス
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847060298

作品紹介・あらすじ

「サッカーだけが載っている新聞を新しく作れないか?」2002年日韓ワールド・カップの決勝戦の日、閃いたこのアイデアを実現させるために、"ずぶの素人"が、新聞発行に向けて猛進し、遂には週3回発売、発行部数20万部の「エル・ゴラッソ」が出来あがります。世の中では、すでに新聞メディアの衰退、危機が囁かれて久しく、そんな時代に、なぜ敢えて、どのような方法で「新聞」は甦ったのか。いや、それは、本当に「新聞」の再生なのか。

感想・レビュー・書評

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  • 一言。つまらない。この人がネット上で書いていたサッカー批評はとても参考になったし刺激的だったのに残念だな。

  • エルゴラ創刊までは面白かったが、後半のメディア論は要らない。

  • 現在新聞業界は暗いニュースが多い。
    若者はネットでニュースを知り、その結果部数は落ち、広告収入は減り、自慢の流通網も様々な自業自得の足かせで有効活用じまい。
    そして電子化対応にも追われ、明るいニュースがない。
    だからこそこの煽るようなタイトルに出版社が行き着いたのもの頷ける。

    さてそんな極めて閉鎖的で暗いニュースが多い新聞業界にて、確かにエル・ゴラッソの存在は興味深い。
    まずは専門性の高い媒体だということ。
    他の全国紙がなくなっても、日経新聞が生き残ると唱える人たちと同じ意味合いだろう。
    専門性の高い媒体はほとんどキヨスクではお目にかかれない。
    次にサッカーというジャンルだけの新聞が閉鎖的な業界の流通網に乗っかったこと。
    そしてやはりサッカー(特にJリーグ)という題材だけでビジネスとして成り立っていること。
    以上マスコミの常識で言えば、全て否定されかねない特異性で成り立っている点がこの媒体のすごさだろう。

    成り立ちももちろん面白い。
    個人ウェブサイト(ルモンド・ド・トルシエ)から著者はサッカーとの関わりを持ち、その後日韓ワールドカップ決勝でフリーのファンマガジンを配布したりすることで現在のアイディアにたどり着く。
    途中パイロット版をサッカーライターやマニアから感想を聞くべく意見交換会を開いたりと、当時としてはとてもソーシャルな動きを経て、オールドメディアと言われる新聞にたどり着いたところがおもしろい。
    理由としては安くつくれる点と世界にもまれな日本の新聞社の配送システムと、土日の試合を中心とする周期で進行するファンのライフスタイルにマッチするということだが、ここでのマーケット分析は的確なものだろう。
    しかしただ頭脳的に攻めただけではなく、もちろん閉鎖的な新聞業界に切り込む際の熱血体験談も記されている。

    さて、ここまで書くとこれは新聞業界にとって一寸の光とみえるかもしれない。
    違う分野で専門性の高い新聞を創刊できる!と思う人も現れるかもしれない。
    もしかしてファッションや釣りや映画か音楽など何か違う分野かもしれない。
    しかしスポーツに限って言えば、やはりこれがサッカーのすごいところ。
    競技人口、サポーターの数、世界レベルでの戦い、支えられている人数と話題に事欠かないところがやはりビジネスとして成り立つ理由だろう。
    例えばバスケやバレー、ラグビーなどでは話にならないだろう。
    野球はスポーツ新聞で事足りているとしたら、残るはゴルフかもしれない。

    しかし本書にも出てくるが、近い将来最大の心配事をこの媒体は抱えている。
    それはタブレットの存在だ。
    新聞とは違うDTPでつくられているエル・ゴラッソの自慢の一つにページのレイアウトがあるのだが、この点も含めiPadなどで展開されようものなら、優位点であったユーザーエクスピリアンスでは簡単に負けてしまうのだ。
    他の点でも問題が生じてくる。
    即時制はもちろん、深い内容でも簡単に凌駕されてしまう可能性が高いのだ。
    筆者もそれをわかっていて、今後スポーツニュース通信社になるような展開やさらなる編集能力のアップを唱えているが、果たしてどうなるのだろう。
    正直私の脳裏には買収という二文字が浮かんだ。
    どこか大きなウェブ企業に飲み込まれないかが心配だ。
    気付けば東京で一世を風靡したR-25もウェブ上ではヤフーの中で存在している。。。

    私のアドバイスとしては、コンテンツを全てネット上に掲載するのではなく、お客様との関係値をネットに載せることをお勧めする。
    それはどういうことかと言えば、お客様とのやり取りをコンテンツを軸にネット上で活性化させる。
    つまりは、ネット上の編集者/ファシリテーターを配置し、サッカーのネタや提言、アイディアをどんどん語っていく場の提供をお勧めする。
    そうすることで紙との相乗効果が図れると思う。
    そしてそれが専門性の高い媒体の専売特許でもあると思うのだ。

    いずれにせよ、遠くない将来バスケの新聞、ラグビーの新聞が創刊されていたら、夢のような話である。
    なんて幸せな毎日だろう。
    そのためにも女子サッカーの裾野もワールドカップ優勝を機にどんどん広がってもらいたい。
    そうすることでエル・ゴラッソの読者は増えるだろうし、エル・ゴラッソの活躍が他のスポーツにも影響を与えていくのだから。

  • エルゴラがどのようにして出来たか、がよく分かった。まさに最後の新聞だろう

  • サッカー新聞「エル・ゴラッソ」の社長さんが、創刊の経緯、紙面の方針、新聞の未来などについて語った本。

    エル・ゴラッソの紙面を読みながら感じていたことが、実は理屈があることなんだなと分かって、興味深かった。

    たとえば、新聞と雑誌の中間みたいなレイアウトと内容。
    あるいは、月・水・土という刊行日。
    そして、サッカーを伝える上での新聞という媒体の長所・短所。

    インターネットからスタートして新聞にゴールするという経緯も面白かった。

    あっさり読める良書です。

  • メディアのいま現場にいる人の声と考え方。考え方のひとつとして、おもしろかった。

  • 残念ながら現在住んでいる愛知県では購読できないのだが、東京時代はよく買って電車の中で読んでいたあの「ピンクの新聞」成功秘話。

    この本で書くように、日本の新聞の流通システムはデジタル配信を除くコンテンツの配布方法としては、一番効率がよいシステムである。それを現在の嗜好が多様化する時代にうまく適合させたのがエル・ゴラッソなのであろう。

    少し残念だったのが、途中からエル・ゴラッソの企画プレゼンのような内容になってしまっていること。他の大手スポーツ紙でも、ジャーナリストでもいいが、客観的にエルゴラッソのことを語る人が出てきてほしい。経営的にも、メディア的にも、本当に成功と言えるのか?そこが気になる。

  • 体験できないからあこがれる。
    エルゴラッソというサッカー専門新聞を朝から読める環境にない、地方のサッカーファンにとって、エルゴラッソは、まだ見ぬ憧れの人のようにまぶしい。
    そのエルゴラッソをビジネスとして成功させた筆者が、その経験を生かして、紙メディア(新聞)の可能性を語っている。
    エルゴラッソは魅力的だが、紙メディアとしての発展は筆者がいうように明るいのだろうか。
    電子ブックの登場で、エルゴラッソも先祖がえりとなる可能性もある。
    地方人にとっては、最初のインターネットコンテンツであって欲しかった。有料のコンテンツとして存在し、電子メディアに行って欲しかった。

    「情報は無料になりたがっていない」という考え方は正しいと思う。
    情報だけではない、すべてのものが無料になりたがっていないはず。それを無料で配布するビジネスモデル(フリーペーパーや無料お試しなど)を考えた人は、商品への愛がないのだろうと思う。広告代理店やビジネスコンサルタントの罪は大きい。

    エルゴラッソの姿が見えて、恋焦がれる熱は醒めた。

  • エルゴラのここまでの経緯を社長自らがまとめてます(献本を頂きました)。正直、間近で見ていたエルゴラ創刊への軌跡ですが、改めて読むと情熱に裏打ちされた奇跡ですね。

    山田さんの文体が淡々としてるので、スッと頭に入りますが、どんだけ大変なことしたんだよと、突っ込みたくなります(笑)

    紙なのにネット的。ネット出身なのに紙で発行と。業界内の橋渡しになり得るような分析もあり、「サッカーの本ではなく、ビジネスの本」として媒体とわず、メディア関係の方には特にお勧めっす(2010.12.28読了)

  • なぜ、新聞なのか、なぜ、サッカーなのかという問いに対して、思い込みだけではなく、各メディアとの比較を交えながら解説されていて、とても読み応えがあります。
    新聞というメディアの外身と中身をきれいに整理して見せてくれる分析は、サッカーファン向けというよりメディアに興味がある人向け。

    日頃、偉そうなことばかり言って、何もしてない自分には、面白い以上に、ただただ悔しくて、自分が情けなくなる本でもありました。

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