「歪んだ経済」で読み解く中国の謎 ~習近平と中国は何を狙っている?~ (ワニブックスPLUS新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847060625

作品紹介・あらすじ

尖閣問題で日本を挑発し続ける中国。習近平体制になり、その姿勢は日ごとにその強硬さを増している。激しい貧富の差、深刻な環境問題、不動産バブルの崩壊と経済の失速など国内に待ったなしの大問題を抱えながら、軍備増強に走る「迷惑で巨大な隣人」はどこへ向かおうとしているのか?われわれ日本人には奇異に映る中国が操る論理、そして政治状況、社会情勢。著者・石平氏によれば、それら「中国の謎」はすべて、経済の問題で説明できるという。この1冊で、迷惑大国・中国の真実と日本の対応策がなるほどスッキリ見えてくる!

感想・レビュー・書評

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  • 中国のバブル崩壊の実情。国内流民が驚異的に多く、革命の引き金となりかねない。富裕層の大部分は他国への移住を済ませているか、準備している。そんな中、中国の指導者トップは民衆の不満の矛先を政府に向けないように画策するしかなく、反日キャンペーンもその一環である。
    日本は尖閣諸島での武力上での衝突は避けられそうにないが、軍備を整えれば抑止力になる。中国包囲網を構築する安倍外交は、成功している。
    とのことで、長く続いた安倍首相だからこそ出来た外交政策だっただろう。

  • 歪んでいるのは経済だけではないと思いますが、現在の中国は経済抜きに語ることはできません。

    著者は新聞等の解説などでお名前を拝見しますが、本を読んだのは初めてでした。

    すでに日本に帰化しておられるのですね。あまりにも日本寄りな切り口に、さもありなんです。そこまで言っていいの?という感じで。

    現在はネットの普及や経済成長に伴う、海外旅行の体験から、とっくに閉じられた情報ではない中国です。

    この石平さんの発言も逐一中国語に訳されて、ネットに出回っているとのこと。

    本書に出てくる話しではありませんが、新唐人テレビなどはニューヨークに本部を置いて中国語で発信しており、本国の検閲も受けないらしいです。

    中国の経済破綻もカウントダウンに入っているとかは、新聞・ネットでもかなり以前から言われていますが、どうなんでしょうね。

    中国富裕層の海外流出が止まらないとか。中国共産党は有事の際には財産を守ってくれないのが見えてるという理由です。

    当然、金を持っている中国人民は良いものがほしい。

    となると、海外製品である。直接日本や欧米諸国に買いに行く。中国国内消費は伸びないまま。

    人民の経済格差もどんどんと広がって行く。

    不満が爆発。発展に伴うジレンマ・負のスパイラル。

    で、とりあえず、共通の敵を作ってしまえ。一番手っ取り早いのが加害敗戦国家「大日本帝国」だ・・・と。

    本書によると、反日デモの際、集まった人民は反日云々でもなく、日頃の鬱憤晴らしに参加しているようです。現在の出口の見えない経済格差よりも、みんな平等に貧しかった鄧小平の昔を懐かしむ人が多いそうです。

    はっきり言って、尖閣諸島など、明日の、いや今日のメシと較べたらどうでもいいことでしょう。

    本書に明記されていることで重要なポイント。中国においては政府も軍も関係ない。何が何でも共産党そのものが唯一絶対の存在であるということ。

    これが共産主義という一神教の宗教であれば良かったのですが、それが求心力を失いつつある今、もっとはっきり言えばITによる情報の共有化・コモディティ化で、その神通力を失いつつある今、不満の噴出を抑えられずに一気に崩壊しないのが、むしろ不思議ですらあります。

    中国経済の失速は止められないのでしょう。

    手負いの巨龍は怖い存在です。

    素人目に見ても、アンバランスに成長した国家ですから、ムリがくるのも当たり前かと思われます。

    それはともかく、東アジア全域で考えると、暢気に構えている場合でもありません。

    運命共同体的な部分も少なくい、と言うか大いにあります。

    特に中韓について言えることですが、あまりにもお互いのメンタリティの差をおろそかにし過ぎではないでしょうか。「お互いに」です。ある意味近親憎悪とも言えます

    ネットなどを見ていても、ヒステリックになりすぎているのは否めません。

    それは欧米や中東(特にイスラム圏)なども同様なのですが、やはり隣国なので。

    「日本人は、古代中国には深く大きな尊敬の念を抱いているけれど、現代中国(第二次大戦後に建国された中華人民共和国)には敬意を持てない」というのが大方の意見のように思います。

  • 中国の現状や今後の辛苦など、日本のマスコミからは得難い脆弱で惨めな中国が書かれている。石平さんが中国に対し批判的であることは知っていたが、あまりに片寄っているようにも感じた。
    最近になり中国経済が張りぼてであったことが白日の下に晒され、今後10年の国際地位や経済力は今までの10年と比べ大きく変わることは容易に想像できる。日本が考えるべきは、いかにして中国からの“八つ当たり”に対処するかだ。軍事的圧力としてアメリカとの同盟関係強化、そのための集団的自衛権、さらにはTPP加盟という経済的圧力。安部政権で行われる大改編は中国という脅威に対しては絶大の効果を発揮すると考えられる。
    次に中国関連の本を読むならば、アメリカとロシアの立場から書かれた本がいい。

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著者プロフィール

評論家。1962年、中国四川省成都市生まれ。1980年、北京大学哲学部に入学後、中国民主化運動に傾倒。1984年、同大学を卒業後、四川大学講師を経て、1988年に来日。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程を修了し、民間研究機関に勤務。2002年より執筆活動に入り、2007年に日本国籍を取得。2014年『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)で第23回山本七平賞を受賞。近著に『漫画でわかった! 習近平と中国』(かや書房)、『世界史に記録される2020年の真実 内患外憂、四面楚歌の習近平独裁』(ビジネス社)、『中国五千年の虚言史』(徳間書店)、『日本共産党 暗黒の百年史』(飛鳥新社)などがある。

「2021年 『中国 vs. 世界 最終戦争論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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