それでも命を買いますか? - ペットビジネスの闇を支えるのは誰だ - (ワニブックスPLUS新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847060939

作品紹介・あらすじ

ペットショップでの生体展示販売の背景にあるおぞましい現実をご存知ですか?売れ残った動物たちのその後は?殺処分ゼロの自治体が出てくる一方で、劣悪な環境で繁殖を続ける悪徳ブリーダー、動物たちをモノのように扱うペットオークション、購入の際の十分な説明責任を果たさず販売するペットショップ、かわいいというだけで簡単に購入し、簡単に飼育を放棄あるいは虐待する飼い主たち…。動物たちをめぐる悲惨なこの国の現実はじつは一向に好転の兆しを見せていません。動物愛護に人生をかけて取り組む女優、そして公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの理事長でもある著者が問題だらけの現状と、現在の取り組みを綴ります。

感想・レビュー・書評

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  • 本自体は薄く、読みやすい感じではあるけれど、内容は重く、そして杉本さんたちの伝われ!という思いが真摯に伝わってくる一冊。

    日本のペット業界の暗部、行政や国、メディア、そして買い手側に至るまで。
    これらへの問題定義と、それらに対する対処案、実際に行っている行動、そして後への展望。
    また、個人のみならず、各動物愛護団体への呼びかけなども示されている。

    色んな方に是非、読んで欲しいし、取り上げて欲しい。

    動物たちにやさしい世界をProject「しあわせなおかいもの?」の動画はこちら↓
    https://www.youtube.com/watch?v=Az0xSVFn73E

  • 子供の頃から、歩いてて足元の蟻が目に入ると、思わず足をよけてしまったものでした。還暦を過ぎ古稀に近づいてる今は、その思いはなおさらになってます。仕事してるときはともすれば人間ばかり見たり悩んだり喜んだりしてましたが、今は、自然の厳かさ、天然の美しさ、動物・植物の尊さをしみじみ感じています。杉本彩さんのご努力に敬意を表します。行政も徐々にではありますが、重い腰を立ち上げつつあるようですね~!

  • 動物も人と同じで一つの大事な命だということをビシッと伝えている本。

  • ・殺処分の減少←ボランティアの引取り。ボランティア団体の疲弊。活動費。
    ・「殺処分ゼロ」を目指すと1000から300匹となっても好転という印象になる。実際には300匹もかけがえのない命。「減らす」のではなく「やめる」。
    ・「オリンピックまでに」は人間都合。
    ・殺処分という税金の使い方。
    ・オランダ: 税金も使ってシェルターの犬の食費を賄っている
    ・行政が確認している殺処分の他に、ペット業界流通中命を落としている動物。ペット販売は約75万頭。その3%にあたる2万3000頭以上が流通過程での死亡が判明。(朝日新聞と雑誌『AERA』の調査による。)この数字も正規に報告された数字のため、氷山の一角と思われる。
    ◾︎原因: 利益のための生体販売とかわいいだけで衝動買いする飼い主。

    ・一般社団法人ペットフード協会によると、2015年の国内犬飼育頭数は991万7000頭。
    猫の飼育頭数は986万4000頭。
    2016年の子供(15歳未満の男女)は1617万人。ペットの方が多い。
    ・2013年9月の「動物愛護及び管理に関する法律」(動物愛護法)が改正され、自治体は動物取扱業者からの犬猫の殺処分依頼を拒否できるようになった。ペットショップで売れ残った動物を、処分のために保健所に持ち込むことは法律上できなくなった。→個人名で保健所に犬を持ってくる悪質な業者や、有料引き取り屋(飼い殺しや不法投棄のこともある)、メスの場合は繁殖業者に引き取り。

    ⚫︎ホームセンターなどのアニマルショップの実態
    (まめちびクラブ代表 森さん)
    ・毎日動物、生物が飼育中にストレスや病気で死ぬ
    →金魚は100匹中20匹は死ぬので、それを考慮しての仕入れ
    →死体はゴミ箱にまとめて捨てられていた。
    →あるショップでは遺体を冷凍し、ハンマーで従業員が粉々にしていた
    ・動物のセリ市場→あとから病気が見つかることもある。
    ・生後6ヶ月を過ぎると仕入れ値かそれ以下。10ヶ月を過ぎるとタダ同然。仕入れてから1ヶ月が勝負。
    ・ブリーダーの中には、病気になったりルックスが悪い動物に餌をあげず衰弱したら生きたまま捨てているところもある


    ⚫︎ペットオークションのレポート(渡辺眞子)
    ・パピーミルと呼ばれる繁殖業者もある
    ・体に障害があったり、病気の子が生まれるとすぐ処分されることもある。
    ・ペットオークションというシステムは法律で認められており、大量生産を可能としている。
    →悪質な繁殖業者の温床
    ・第1種動物取扱業として入会金と年会費を払えば誰でもオークションに参加できる。国家資格ではなく登録制。間口の広さと甘さが悪質な業者が絶えない原因に。
    ★イギリスでは、「犬繁殖法」「改正犬繁殖法」によって、
    ・犬には生涯で6回しか出産させてはいけない
    ・生後12ヶ月に満たないメス犬を交配してはいけない
    ・一度出産したら12ヶ月は次の出産をしてはいけない
    ・2013年に改定された動物愛護法は動物取扱業者に「販売に際しての情報提供を義務づけているが、実行されていない。
    日本の動物愛護法では、「職員数を踏まえ、必要に応じて繁殖を制限する」といった数値基準のない自主規制。
    動物虐待行為をしても、動物取扱業者としての登録は取り消されない
    →悪質なブリーダーを回避できない
    ・生後45日以内に競り落とされる
    →生まれたばかりの我が子と引き離される親と子ども
    ・オークション会場はもともとマスコミの取材も受けずオープンではなかった。

    ⚫︎岡山のペットショップシュシュが、犬猫愛護会わんぱーくに啓蒙され保護譲渡の場に

    ⚫︎刑法上、動物は器物=飼い主の所有財産。
    飼い主が虐待していても他が入っていけない。
    もし飼い主のいない間に虐待されている動物を助け出したら、窃盗罪となる。
    2015年10月、環境省はブリーダー業者に対して、親犬への過度な負担を避けるために年間繁殖回数を制限し、犬や猫一頭あたりの飼育ゲージの広さについても具体的な数値指標を設ける方向で調整に入った。
    改正動物愛護法41条の4で「国は地方公共団体の連携を強化に関し、必要な施策を講ずるよう努めるものとする」と定められている
    →平成24年にこの法律によって実際に起訴されたのは全国で16件。

    ⚫︎2013年に改正されている現状の動物愛護法の問題点(動物愛護法をメディアで発信されている細川敦史弁護士)
    ①動物取扱業者の登録制が形式的なものにとどまっている。登録しさえすれば良いこと。
    ②法律があっても指導監督する行政職員がいない
    ③動物の所有権
    ④動物の商業利用に関する具体的な法令がない
    →番組の撮影中に動物が怪我をしても、プロダクションと番組制作サイドの間でのほしょうもんにしかならない。人間の場合は過失致死、過失損傷になるが、動物は刑事罰の対象になたない。
    ★アメリカには、アメリカ人道協会が作成した動物を映像メディアに利用する際に守るべきガイドラインがある。日本にはない。
    ⑤ペット以外の動物(畜産動物、実験動物など)にまともな法規制なし
    →背景に大きな業界が関わっている
    ⑥飼い主の規制→免許など
    ★法律を改善するには、動物愛護法という法律が「どこを向いた」「誰のための」法律か見直す必要あり。

    ⚫︎飼う側の責任
    ・動物遺棄罪は、動物愛護法で第44条3項に「愛護動物を遺棄した者は100万以下の罰金に処する」と定められている
    →しかしこの認識は社会に浸透していない
    ★ドイツ、オーストリア?オランダ、フィンランドには犬税がある。無計画な多頭飼育に制限をかける、飼い主に責任持たせるため
    ・「しあわせなおかいもの?」Evaの啓発動画
    ・2016年8月31日まで制限年齢は生後45日、それ以降新たに法律を定めるまでの間は生後49日


    ⚫︎BBCの告発: 純血種の犬の外見的特徴を誇張するために近親交配などの結果?骨髄空洞症などの遺伝疾患が増加
    →日本メディアは面白いか面白くないかで取材判断されメディアはなかなかこのような事実は取り上げない。
    ★NST新潟総合テレビは動物愛護を局をあげてCM制作などをして活動している

    ⚫︎ペット業界一億円産業(ペットショップ、繁殖業者、オークション主催者、ペットフード、ペット雑貨含む
    ・環境省で法律規制する場合、動物愛護部会の審議員が法律改正を環境省に意見具申し、環境省はそれを受けて法律を変える。どのような人によって動物愛護部会が選ばれているかは公開されない。

    □海外
    ・「ドイツ動物保護連盟」という民間組織がある。その傘下に、16の州支部と700を超える地域の動物保護協会が置かれ、さらにこれらの協会には500以上の「ティアハイム」と呼ばれる動物保護施設が属し、80万人を超える個人会員も加盟している。

    ★高齢者とペットのマッチング
    高齢者、行政、シェルターの3つのウィンウィン

    ●動物愛護で普及活動をしている団体はほとんどない。
    しかし、啓発活動は、遠回りに見えて近道なのでは。
    どれだけ国や行政に政策提言をしても、世論が大きくなければ変わらない。

  • ペットを産業として成立させるな、というところに行くのかなあ。ヒトではだめな状態、を考えると、無理があるところにこそペットという可能性もあるようにも思うが。

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