喰らう読書術 ~一番おもしろい本の読み方~ (ワニブックスPLUS新書)

著者 :
  • ワニブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847065507

作品紹介・あらすじ

「人間が発明した物の中でもっともよい頭(精神)の栄養、(他人の経験が詰まった)いわば頭の缶詰みたいなものが『本』です」。-「第一章」より。本書では、「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千、何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、荒俣宏さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    荒俣 宏(あらまた ひろし、1947年7月12日 -)は、日本の博物学研究家、図像学研究家、小説家、収集家、神秘学研究家、妖怪評論家、翻訳家、タレント。元玉川大学客員教授、武蔵野美術大学造形学部客員教授、サイバー大学客員教授、京都国際マンガミュージアム館長、日本SF作家クラブ会員、世界妖怪協会会員。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    「人間が発明した物の中でもっともよい頭(精神)の栄養、(他人の経験が詰まった)いわば頭の缶詰みたいなものが『本』です」。-「第一章」より。本書では、「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千、何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。

    ---引用終了


    知の巨人の異名をもつ方は数人いると思いますが、その中の一人、荒俣宏さん。
    やはり、知の巨人の読書術というのは、一味違うものです。

  • 本の虫を地で行く博覧強記の荒俣宏氏が、長年培ってきた本の読み方について紹介する本。
    「アラマタ流読書術」とはいったいどんなものなのか?

    読書という行為はすなわち「精神の食事」だと考える彼は、人間が発明した物の中で本が最もよい頭の栄養物だと言います。

    上手な摂取法は4点。
    ①本はなるべく「まるごと」食べる
    ②本は自腹で買う
    ③本は「目から鱗が落ちる」快感があるのがいい
    ④本はクズや毒でも、思いがけない価値がある

    そのセオリーのもと、彼は〝知の大食漢〟となり続けているというわけです。

    読書のすばらしさを語りつつも、「本を読んでいたから、妄想の大家になれた。いじめられている自分を相対化できた」という氏の言葉には、むしろ本を救いにしていた感があります。
    セルバンテスの『ドン・キホーテ』やゲーテの『ファウスト』など、本の虫が現実不適合で悲劇(喜劇)を招く例を挙げられると、本の読みすぎの功罪に多少不安感も生じますが。

    「読書のただ一つのメリットといえば、人生に退屈せずに済んだこと。」
    この一文はかなり響きます。たとえたったひとつしかメリットがないにせよ、とても大きな魅力であることにまちがいありません。

    氏のように思いきった読書をすることは、それだけ日々を楽しく過ごせるだろうと納得できる内容になっています。

  • 以前見たTVで荒俣先生がものすごい博覧強記であることを紹介していたので、どのような読書を重ねてきたのだろうと興味あったため購入。帯に荒俣先生の幸せそうな写真があったのも購入のきっかけだ。
    内容は、荒俣先生の読書遍歴等であるが、中年になって読書好きになった私などとは違い小さなころから本当にいろんな事に興味をもち、沢山の本を読んできた荒俣先生の読書スタイルには本当に驚かされる。これだけの読書をどのようにこなしているのだろう?寝てないのではないか?と思った。
    また、本好きの方の意見に多いのだが、荒俣先生も電子書籍には否定的であることが分かった。私も紙、電子両方活用しているが、やはり紙のほうが好きだ。読み返す時に、パラパラとめくって、自分が線を引いたり書き込んだりしたところが一気に短時間に目に飛び込んでくる感覚が好きだ。
     一番興味を惹かれた話は、今から5億4200万年前のカンブリア紀に多様な生物が爆発的に誕生したが、その理由は生物に「目」が誕生したことだとする説を紹介している箇所だ。ほかの雑誌で、最近私たちをとりまく電子機器(パソコン、タブレット、スマホ)ほぼすべてに目(カメラ)がついていることとカンブリア紀の生物大爆発の関係を論じた文章を読んだばかりであり、タイムリーであった。読書が繋がっていくことを実感した。
     たくさんの本が紹介されていたので、面白そうな本を読んでみたいと思った。
    難しい内容も多く、私の理解が追いつかない箇所があったので★は3つとさせていただきましたが、頭のよい方が読んだらきっと★5つだと思う。

  • 悪魔に魂を売り渡す様な読書…わかるわかる(笑)
    非常に楽しげに書かれているので、
    博識な知人と有意義にひと時を過ごした気分になれる
    なかなか贅沢な一冊です。
    誰かにお勧めしたくなるような一冊、
    と云う感想が持てない辺りも評価すべき点です。
    ごちそうさまでした。

  • 「たとえ悪魔に魂を売り渡しても、知りたい、教えてもらいたい、
    この世の秘密を少しでも解きたいという渇きが、私の魂を揺するからです」
    これが荒俣氏が本を読む理由だと言う。
    悪魔に云々というのは大げさにしても、それ以外は全く同感。
    私も常々そう思っており、好奇心が満たされることが何より嬉しい。

    荒俣氏の博識ぶりを聞いてはいたが、彼の本を初めて読んで、
    それが想像を遥かに超えていたことにびっくり。
    彼の本への愛(特に蔵書の数)は、もはや常軌を逸しているとも思えるが、
    そんな突き抜けた荒俣氏に、すっかり魅了されてしまった!

  • 読書術というよりも、荒俣先生の趣味の方向に走っている感がありますが、それだけに面白かった!クスクス笑えるところもあって。怪奇・幻想文学に関するエピソードが非常に少なかったのが、ちょっと残念。読書初心者よりも読書経験がそれなりにある方が、楽しめると思います。これからも堂々と積読を増やしていこう!と決意させられた点では、罪な本です。

    • 夢で逢えたら...さん
      こてつさん、はじめまして。遅ればせながら、お気に入り登録有難うございます。
      この本をこてつさんの本棚で発見し、興味を惹かれ読みました。
      ...
      こてつさん、はじめまして。遅ればせながら、お気に入り登録有難うございます。
      この本をこてつさんの本棚で発見し、興味を惹かれ読みました。
      チャーミングなエピソードでくすりと笑ったり、「へぇー」と感心したり、とっても楽しめました。
      これからも本棚参考にさせていただきますね。短いですが、お礼を言いたくてコメントしました。
      2014/10/06
    • こてつさん
      夢で逢えたら...さん、はじめまして。こちらこそ、コメント&お気に入り登録ありがとうございます!私もこの本は感心するところが多く、楽しく読め...
      夢で逢えたら...さん、はじめまして。こちらこそ、コメント&お気に入り登録ありがとうございます!私もこの本は感心するところが多く、楽しく読めました。これからもよろしくお願いします。
      2014/10/06
  •  読書をしても「聖人にも、悪人にも、また偉い物識りにも、なれません。ただ一つ、メリットといえば、人生に退屈せずに済んだことです。」という著者の言葉に強い説得力を感じる。好奇心の赴くままに様々なジャンルの本を食事するかのように読んでいく著者の楽しそうなことといったら、こちらの読書欲までそそられた。好奇心旺盛さや探求心が思いもよらない本へ著者を導いていく様子が面白く、本の海はとてつもなく広いなぁと改めて思ったので、これからたくさん読書していきたい。

  • 初めてなんだ、、、読書術の本。

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    「「知の巨人」荒俣宏、初めての読書術本!
    ノウハウ本のような通り一遍さはいっさいなし!
    おすすめ本をただならべるのではなく、荒俣ファン垂涎の知的好奇心にあふれる語り口で「本」の細部の面白さを濃縮して例示。
    その中で、
    ●世界の見方を一変させる「目から鱗」の本の探し方
    ●本の良し悪しを一目で見分けられる、「読書感度」の磨き方
    ●読書をおもしろくさせる「おもしろ感度」の鍛え方 など」

  • 面白かったです。私が真似できるとは思えないけど、これからも本を読むぞ!と思いました。

  • 面白いが、紙に偏重している。
    荒俣さんは本オタクでもあるが、より、情報オタク、知識オタクなのだと思う。好奇心が引っかかるところが、誰も知らない、レアな情報という人なのだろう。

    情報と情報から知識を生み出す部分には、あまり興味がないようだ。

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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