行った気になる世界遺産

著者 :
  • ワニブックス
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本棚登録 : 1335
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847083129

作品紹介・あらすじ

はじめての旅行記、書きました。行ってないけど。--- 世界遺産に詳しいことでも知られる俳優・鈴木亮平が、熱い想いをめぐらせながら自ら絵・挿絵を描き下ろし、妄想爆発で文章も全て書き下ろした前代未聞の<旅行記>が完成!この本を見て読むだけで、世界遺産を旅した気分になれる夢のような1冊。これを機会に、いままで知らなかった<人類共通の宝物>の数々を、鈴木亮平とともに味わってみませんか? 圧巻の絵とオリジナル紀行文が、あなたを未知なる世界遺産旅へと導いてくれます。雑誌『プラスアクト』での連載に新たな挿絵や記述等も加え、計288ページにも及ぶ大ボリュームで堂々完成!

感想・レビュー・書評

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  • 想像力。

    それは、さまざまな制約の中で生きている人たちが抱くことができる「楽しみ」であったり、目の前に聳え立つ壁のような困難に立ち向かうための「原動力」になっている。

    俳優の鈴木亮平さんが本書、『行った気になる』旅行記を書いた。

    一般的な感覚とは逆に、この本の制約上、鈴木さんが、“実際に行ったことのある世界遺産“は、行ったことがないよう、しかもその文章に嘘がないよう書かなければいけない。

    そんなジレンマが含まれる可能性を考えると、思わずニヤニヤしてしまう。

    俳優という職業と、架空の旅行記。

    「想像力」という強い絆で結び付いていて、それが、本書30の物語に添えられた鈴木さんの描いた素晴らしい絵に表れている。

    実際に行ったことがない分、「世界遺産検定1級」という資格以上に、事前に調べ尽くしていると思う。

    しかもそれは、興味の赴くままに。

    本書で特に気に入った物語は、

    「14.ワルシャワの旧市街」
    「27.ドレスデン・エルベ渓谷」

    力を合わせて、あるいは、想いに報いるために、という地域の人々の一つになった意志の結果、できあがった“もの“。

    この旅行記は、コロナ禍という制約下で書かれた、とのこと。

    鈴木さんの今までの生き方を垣間見れた気がする。

    いい本だ。

  • フィクションとノンフィクションの間のフィクションだな、というのが率直な感想です。
    海外旅行は得意ではないというか日本から出たくないタチなのですが、いってみたいなーとおもうところをいくつも見ました。
    表紙を剥がしても美しいのでずっと手元に置いておきたい本になりました。

  • 私も行った気になりました。
    知らなかった世界遺産がたくさん紹介されていて、
    行ってみたくなった場所もあったり、楽しく読めました。

    シリアの「ミスター・パルミラ」と呼ばれたハレド・アサド氏のお話は胸が痛みました。
    今も戦争、紛争が続いています。人間はいつまでこの愚かな行為を続けるのか。
    一刻も早く、平和で穏やかな日が戻ることを祈ることしか私にはできないのが辛い。

  • 鈴木亮平さん、凄い!
    行ってないんですよね、妄想ですよね。
    知らずに読んだら絶対行ってるって、って気になります。
    文章上手すぎ。旅する目線っていうか、あと空気感とか。
    それから絵も上手。
    いや~才能ある人は何でも出来るんですね。
    すっごい素敵な本でした。

  • 鈴木亮平さんの絵と文章の才能と、そのキャラクターのチャーミングさに驚きの連続の1冊。30もの世界遺産の絵とそれにまつわるストーリーは、まさか創作とは思えないほど。もう本当に生きている間に出来ることなら全部行ってみたいと思えた。
    パラオやウズベキスタンなど、以前から気になっていたところは更に行きたくてうずうずしたし、今は既にISに爆破されなくなってしまったパルミラ遺跡のストーリーについての巻末の解説には胸が痛みました。
    ワルシャワの旧市街のエピソードには、涙がこぼれそうに。

    彼の抜群の想像力による創作の旅行記の後には巻末にまとめて分かりやすい解説があり、そこではクスッと笑ったり胸が痛んだり。
    あとがきも心に響きました。

    巻頭に「この旅行記は、フィクションです」と書かれているのですが、1番最後のクレジット(?)ページには、
    「*この本は小社刊の雑誌『プラスアクト』における鈴木亮平さん連載『行った気になる~~』を加筆し、~~~「あとがき」等を加えたものです。
    *実際の旅行記ではないため、妄想部分が多々含まれます。*掲載した世界遺産は実在しますが、記述については行ったことのない鈴木亮平の想像によるものです。」
    と、しれっと大真面目に記載されていて最後の最後まで楽しい本でした。
    我々の閉塞感を優しくふわっと和らげてくれ、想像の翼を広げてくれた良作でした。

  • 実際に訪れた旅行記みたいに、詳細に鮮明に描かれていて、とても読み応えがあった。
    あとがきに、「通な人」のように旅行についてのプラスアルファのお勧めが書いてあったのが嬉しい。

    世界遺産検定を受け始めたのも、鈴木亮平さんの影響が大きいので、拝見できて良かった!

  • 鈴木亮平氏が世界遺産検定1級をお持ちだということは随分前から知っていた。
    テレビ番組で本書のことをご本人がお話しされているのを今年の1月頃に聞いてすぐに図書館に予約してから約7ヶ月待ちだった。

    今回、ずーっと以前に購入して以来積読になっていて、たまに調べ物をする程度に使っていただけの蔵書『21世紀 世界遺産の旅』(小学館)を横に置いて照らし合わせることと、グー◯ルマップを見ることをしながら、本書を熟読した。

    その私の蔵書の方は2007年12月発行の初版本なのだが、そちらには載っていなくて鈴木亮平氏の本書に載っていたのは3件だった。
    ①表紙及びNo.17…ミクロネシア連邦のナン・マトール
    ②No.23…パラオの南ラグーンのロックアイランド群
    ③No.29…ミャンマーのバガン

    2007年の蔵書とは状況が変わっていることを本書が教えてくれたのは2件。
    ①No.19…シリアのパルミラ遺跡
    ②No.27…ドイツのドレスデン・エルベ渓谷

    それにしても鈴木亮平氏、文章も絵も本当に上手い。
    蔵書の写真よりも、鈴木氏の絵の方がイメージがつかみやすい上に、遥かに美しい。
    インドネシアのボロブドゥール遺跡などは、本書を読んでやっと、「ああそういうことか!この部分にこれらが乗っているのか」と、小さな写真ではわからないことが理解できたほど。
    (蔵書の方を批判しているわけではない。
    そちらは851件も説明文と写真を収録しているのだから仕方ないことだ)

    本書の気取らないが素敵な各文章からは、エキゾチックな匂いや温度湿度や音まで感じ取れる。
    ポーランドのワルシャワの旧市街については私は全くその歴史を知らず、本書の鈴木氏の文章を読んだだけでウルっときてしまった。
    あとがきにある説明を読まないうちに、本文の文章だけで既にウルっと…

    本書が2020年に発行された後にミャンマーの状況も変わった。
    アフガニスタンのバーミヤン遺跡が何年も前に破壊されていたことは、恥ずかしながら今週のニュースで初めて知った。
    本書がやっと借りられたので今週読んだら初めて知ることがたくさん有った。
    そんなこんなで、世界遺産検定のホームページも初めて見てみた。
    世界遺産の、そもそもの理念や成り立ちを今まで知らなかった。(本を持っているくせに)
    「綺麗な景色、観光名所」くらいの捉え方だった。
    申し訳ない。

    検定ホームページの問題を解いてみたら結構いけた。
    なぜならコロナ禍のステイホームで始めたイタリア語やヨーロッパ(主に西側)の歴史の勉強をしてきた最中に件の世界遺産の本で確認したり、オリンピック選手の国の位置が自分の頭の中の世界地図で曖昧だとすぐに地図で調べたりしていたからだと思われる。

    ということで、ちゃんと勉強して(何ヶ月か先に)世界遺産検定を受けることにした。
    たぶんこれからなかなか海外旅行は難しそうだから、私も「行った気になる」ように。

  • コロナが拡大して以来、好きな旅行に行けていない。そんなフラストレーションが溜まっていた中で見つけた本書。著者はちょうど好きな俳優さんである鈴木亮平さん。しかも、旅行記なのに行ったことがないとのこと。行った人の旅行記なんて読んだら羨ましくてどうにかなってしまいそうだと思った自分にはまさに打って付けの本だった。
    しかし、結果は真逆。旅行に行きたくて仕方なくなってしまった。本当に行ったことがないの?と尋ねたくなるくらい熱量が伝わってくる文章で、鈴木亮平さんの世界遺産にかける思いの強さを全力で感じることができた。妄想でも旅をできるんだということを教えてくれた一冊。

  • 行ったことのない世界遺産の旅行記を、鈴木亮平が妄想で書いた、と聞いて、何それ面白そう〜と軽い気持ちで読んだのだけど、文章も絵もうまっ!!
    誰かや何かを踏みつけにしないか、意識して気を配っているのも伝わってくる(そしてそれが炎上が怖いからなどではなく、人や文化を大事にしたい真摯な気持ちからであることも)。
    「イグアスの滝」が特に好き。

  • Mr.世界遺産の鈴木亮平さんが世界遺産の本を出した!しかも妄想の笑。
    まず着眼点が面白い。
    というのも今世界遺産は1121ヶ所あり、死ぬまでに全て絶対に巡れない。しかも一般人立ち入り禁止の世界遺産もあるくらいだ。じゃあどうするか?想像するしかないのだ。
    私も鈴木亮平さん同様世界遺産検定1級を持っているので、世界遺産と妄想というコンビにすんなり入ることができ、あっという間に読破した。
    一番妄想が炸裂しているのは、イタリアのヴェローナだろう。なんと旅先で恋に落ちる予感が描かれているのである!一人旅経験のある男子なら誰もが妄想する旅の恥はかき捨て恋。私もひとり旅は何度もあるが、全くいい感じにならない笑。それを亮平さんは満たしてくれるのだ。
    あと最高なのが、ちょくちょくダイビングのシーンが出てくるのだが、後書きを読むとダイビングもやったことがないそうだ。行ったことがない上に、ダイビングまで妄想なんかーい!と清々しい笑。
    このコロナ禍で旅行に行きたくてウズウズする中、妄想でも気持ちを世界に旅立たせてくれた鈴木亮平さんに感謝!

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著者プロフィール

NPO法人バルーン(urban design partners balloon)

「2021年 『住まいから問うシェアの未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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