無意識と「対話」する方法 - あなたと世界の難問を解決に導く「ダイアローグ」のすごい力 - (ワニプラス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847095375

作品紹介・あらすじ

ひらめき!問題解決!イノベーション!協創&幸福!無意識研究の第一人者と、在米の社会システム研究者がやさしく解き明かす、新しい時代のコミュニケーション。

感想・レビュー・書評

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  • 無意識と対話する方法としての他者との対話。
    「対話とは他人と意見交換することではありません。やりとりされる言葉を、自分自身にリフレクト(反射)させ、気づきを得るためのもの」
    他者を変えよう、他の意見をねじ伏せようという議論に対して、対話とは「自身の変化」を主眼にしているのかな、と思いました。

  • 先日、某研究会でとてもおもしろく話を聞かせていただいた。前野先生の本。
    読み終わってもなんとも不思議な感じです。最近は洋書の翻訳本を読むことが多いので、多分意図されて作られているのでしょうが、全くロジカルではない。
    でも最後には納得感。これがダイアローグかな。
    日々のロジカルな世界で過ごしている中でのモヤモヤ感、無意識(古層)としての理解を、対話なかから読み取れるように構成されたのかなという感じです。
    欧米と日本人の時間の捉え方、一直線と円は面白い。でも多分私は一直線的な感じ。相当欧米的な考え方にやられてますね。
    もうすこし、また日本人らしさを考えてみようかな。

    まあ、数ヶ月に一度の自分メンテ有休、retreatの時間もとれているし。結構、無意識と対話できているんではないでしょうか?!

  • 関連した情報が多すぎてふせんだらけになり、全然読み進められなかった本。この本はこれから動き出せるような情報や知識がちりばめられているので、そこに自分からアクセスできるかどうかでこの本の価値が決まると思う。
    そしてこの本を読んでいると単なる知識本ではなくて、読みながら内省することができる。

    パワーワード
    対話とは、単なる意見交換ではなく、自分の中をリフレクティブに掘り起こしていく能力。

    ダイアローグとは、誰かと言葉のやり取りをしながら、あなたの無意識に眠っている知恵にアクセスして、直感的な気づきを得る方法。

    対話とは、単に相手と話をするものではなく、自分の外の人との対話、自分の中の小人との対話、そして、世界、社会、環境との対話の3つを含むもの。
    そんな総合的なやり取り。

    古いものは意識の湖底に沈んでいくけど、記憶のそこに「感じ」として生き残っている。

    アイザックスのダイアローグとは、ふたつのコンセプトがある。
    1・自分の主義を主張したり、議論に勝つのではなく、自分の心の内面で、気づきをもたらすような対話。リフレクティブダイアローグ
    2・フローの状態に入るためにダイアローグを利用するもので、それがジェネれーティブダイアローグ

    討論とは、予め用意された問題解決のための選択肢を取捨選択するための意思決定を行うための話し合い。
    対話とは、選択肢そのものの幅や深さ、性質を広げていくべく行われる話し合い。

    リフレクティブダイアローグとは、自分がよって立つ大義、ルールや思考の前提といった合理的判断の根拠に基づく議論を離れる。対話するのは自分と自分自身の心の深い無意識の部分。これまで抱えていた問題や疑問の組み立て方自体をより大きな支店で組み直す再組み立てのための対話。

    ジェネレーティブダイアローグでは、対話への参加者が各自の見解や立場を完全に離れ、個人としての思考の枠を取り外す。会話の流れの中に見を浸すことから、なにか新たなものが対話の集団そのもののアウトカムとして作り出される。
    フローに包まれた集団は、新しい段階に達し、それまで行ってきた対話に関する新たな理解や意味付けが生まれ、共有される。

    ジェネレーティブダイアローグは、ジャズの即興演奏。
    自分の無意識との対話、自分以外の他人との対話、取り巻く環境との対話。

    オットーシャーマーも対話とは、他人との対話、自分との対話、自分と相手を含んだその場全体との対話。

    解き方がわからないのではなく、そもそも何が問題化がわからなくて、それを一生懸命考える方法の一つとしてダイアローグがある。

    まだ意識高い系の人たちに限られている。

    日本でのダイアローグの導入は、日本にとって、平らかな対話性の復興運動。


    きちんと対話をしたほうが問題解決は早くなる。
    相互理解がないと、もし真意や糸が伝わらず、ストレスが生じても、気づくのが難しい。これがこじれると、解消するのに膨大なコストがかかる。

    日本はもともとダイアローグ的な国だった。

    心の平穏を保つセロトニンという神経伝達物質がある。セロトニンの伝わり方を決めるセロトニントランスポーター遺伝子の方によって、幸せを感じやすいか、不安を感じやすいかが決まるらしい。
    日本人は、セロトニン伝達を阻害する遺伝子型、つまり不安になりやすい遺伝子を持つ人が世界で最も多い。
    逆に、幸せな方の遺伝子を持つ人が最も多いのはデンマーク。

    ビジョンクエスト。ネイティブアメリカンのライフスタイルに戻ろうという運動に合わせて。

    無意識と対話し、自分が本当に思っている本音。それは外に出しても大丈夫なんだよという場作りができれば、もっと深いところまで行ける。

    個装の論理は、現在我々が使っている論理の範囲内では成り立ちません。たとえば、コインの表と裏があって初めてコインが成り立つと統合してしまうような考え方。

    AI(アプリシエーションインクアイアリィ)もフォーマットが強調されている。対話とないわゆるホールシステムアプローチの一つと捉えることができる。

    達人は育成するものではない。誰もがもともと達人。対話を通じて、その人がどんな達人なのかを見つけ出していく活動。

    小布施イノベーションキャンプ、小布施イノベーションスクール。対話によってイノベーションへの加速を目指すもの。

    日本では発言者を優先することのできる人が多いから、ダイアローグで聞くを強調しなくていいかもしれない。

    表層と古層を行き来できるバランスが大事。

    普段の生活の中で、自分が自然にそういうふるまいができるものを何個ポケットに入れているのか。ダイアローグは、幸せなポケットの作り方。


    幸福学での因子、第一因子自己実現と成長、第2因子つながりと感謝、第3因子は前向きと楽観、第4因子は独立と自分らしさ

    幸福学の研究で、企業内の幸福度を高めるコンサルティングや研修をやる中で、そこでわかったのは、ちゃんと対話することに尽きる。

    意識のレベルでロジカルにイノベーションの方法論を学ぶことと、無意識のレベルで自分が作り出したいことに向き合い、心持ちを前向きに感じていくこと。今を変えたいと声に出していくこと。そして声をとりあえず出してみることを恐れないこと。更に繋がり上手になること。地域や方々とのオープンかつフラットで温かい関係の構築に長けていること。地域や友人とつながっているから、自分自身の幸福度もとても高いということ。地域で素晴らしいイノベーション活動を実践している人たちは、こういう特徴をもっている。

  • ダイアローグについて、サクサク読めて、しかも様々な方法論についても知ることのできる一冊。

    一読しておけると、今後の対話の場作りに活かしていけるのではないかと思いました。

  • 前野 隆司氏が好きなので読んでみました。

    今、世界ではこのダイアローグ(対話)をベースにした理論(マインドフルネス、U理論、デザイン思考、幸福学)が数多く出てきています。

    日本においてはダイアローグは目新しいものではなくむしろ温故知新に近い感覚。

    「古層に潜る」という言葉が本文中に何度も出てきますが、この言葉がこの本の最大のキーワードになってきます。

    本のタイトルと著者だけみると脳科学の本っぽいですが、中身は今世界中が向かおうとしているコミュニケーションの本質と日本の取り組み方ついて語り合った対談。

    非常に面白かったです。

  • カタカナを減らせ

  • 無意識との対話を対話形式で綴った本。
    現在の時代の流れを踏まえて、近代合理主義や討論などと無意識との対話を比較しながら、様々な対話の方法から、対話によって得られる可能性までを幅広く解説、または推論している。
    対話は4つの行動からなる。聞く、尊重する、貯める、出す。また、内省的なものと生成的なものがあり、内省的なものは対話をしながら自身の無意識に気づくというもの。生成的なものはブレインストーミングなど、何かを産み出すためのもの。
    著者たちの知識の幅が非常に広く、とても示唆に富んでいて面白い。
    モヤモヤしている人や、協力して何かをやりたい人にオススメです。

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著者プロフィール

慶應義塾大学SDM研究科教授・ウェルビーイングリサーチセンター長、一般社団法人ウェルビーイングデザイン代表理事。1962年山口県生まれ東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、キヤノン入社。カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008年より現職。『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)、『ウェルビーイング』(前野マドカ氏との共著・日経文庫)など書著多数。

「2023年 『実践!ウェルビーイング診断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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