正解のない難問を解決に導く バックキャスト思考 - 21世紀型ビジネスに不可欠な発想法 - (ワニプラス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847096754

感想・レビュー・書評

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  • この後に出版された本とほぼ同じ内容・・

  • フォーキャスト思考の反対概念としてのバックキャスト思考。制約の本質を見誤らないとか、障害を内に取り込んでとことん考えてみるとか、ヨシタケシンスケの「あつかった脱げばいい」じゃないが暑かったら温度を下げようとするのでなく立場をひっくり返してみるとか、いずれも大事なことで、いいこと書いてあると思う。
    しかし、バックキャスト思考のアプトプット例として繰り返し自画自賛されているのが泡の浴槽なので、正直ちょっとずっこける。

    P030 私たちの脳はフォーキャスト思考に陥りやすい仕組みになっている【中略】報酬系の望む「素早い解決」が容易になっている分だけ「制約を受け入れる」というじれったさへの抵抗感は強まってしまうでしょう。

    P043 「温室効果ガスの排出量を増やさない」という制約も「ひとまず今よりも減ればいい」というレベルにとどめるか、「国の定める目標値を達成する」とするか、または「ゼロに可能な限り近づける」と考えるかで、導かれる解は全く異なるでしょう【中略】一見単純なように見える成約でも、その背後にあるものを厳しく見極めていけば、本質的な「真の制約」が見えてきます。バックキャスト思考においては、この「真の制約」を見出し受け入れることが非常に重要です。

    P49 バックキャスト思考は、理論上、25年~75年後というタイムスケールを想定するのが最も有効だとされています。
    ・複雑で、長期的な社会動向や外部的な要因に左右される問題
    ・現在の延長線上ではなく、解決のためには大きな変化が必要な問題

    P053 制約は、フォーキャスト思考においては、一刻も早く排除されるべきものでした。しかしバックキャスト思考における制約は、「問題点を明らかにするための原点」となります。

    P075 シンプルクエスチョンを効果的に行うポイントは、論理性、正当性について問うことです。「将来予測」「解決策」「事実の確認」についての問いかけはシンプルクエスチョンとして有効ではありません。
    論理性
    〇矛盾していないか
    〇原因、仕組みは何か
    〇なぜ改善していかないのか
    正当性
    〇なぜそうなるのか
    〇あるべき姿に反していないか
    将来予測
    ×将来どうなるのか いつまで続くのか
    解決策
    ×~するのは可能か どうしたら解決するのか
    事実の確認 
    ×事実関係はどうなっているのか ←問いではなく制約の確認にのみ使う

    P142 震災による心の傷が何年経っても癒えていない人は少なくないと思います。しかし、その行動はたった100日で元に戻ってしまうのです。【中略】「生活価値の不可逆性」を肯定したうえで、厳しい制約の中でもワクワクドキドキできる魅力的な解を導き出すことが大事なのです。

    P202 長期の経営戦略で描かれている社会は、どの企業のものも驚くほどそっくりです。秘密保持契約がなければ、一堂に集めて展示会をしたくなるくらい、本当に同じものばかりなのです。そうなってしまうのは、これらの絵がすべてフォーキャスト思考で描かれているからに他なりません。【中略】もちろんバックキャスト思考が絶対善とは限りません。フォーキャストとバックキャストの両方の会を並べ、よりよいものを選べばいいのです。大事なことはバックキャスト思考ができるようになると視点が変わるということです。

  • あまり得るものがなかった

  • タイトル通り、バックキャスト思考とは何かを解説した本。
    目の前の制約(問題)を肯定して受け止める、というのが肝。その制約の中で解を見つけるのが正しい思考法だそうで、勝手な理想の未来(ゴール)を想定して逆算する考え方や制約を我慢するのは間違いだそうです。
    22ページにある上述の定義と1章の終わりにある「バックキャスト思考の基本手順」を立ち読みすれば、本書は十分です。

    自然に学ぶ、という事例はバイオミメティクスの話なので、ちと違うかな、と思いました。

  • 新しい視点での考え方としては面白いのですが、実際に自分がその思考をどう実現していけるのかイメージしにくかったです。

  • 重要なことを言おうとしているみたいだけど、大元の構成から悪いせいか、全く理解できず、得るものも少なかった。

    制約を排除するのではなく、制約を受け入れて、その中で解を出す。制約はバックキャスト思考の大前提となるものであり、徹底的に詰めていき、真の制約を見つけ出すことが重要である。

  • フォーキャスト思考とバックキャスト思考の違いを説明していたが、書いてある具体例はフォーキャスト思考の産物である感覚がぬぐえなかったため、すっきりとしない読了感であった。

  • 事例が豊富で読みやすい。単に帰納法的問題解決と捉えていたバックキャスイティングだが、著者曰くフォアキャスト視点での制約条件を許容することからスタートする思考。目線が変わって面白い。

  • フォーキャスト思考とバックキャスト思考の違いについて冒頭部分でわかりやすく記載してくれています。
    ・制約(問題、課題)を排除する=フォーキャスト思考
    ・制約(問題、課題)を受け入れた上で、豊かに過ごす、プラスにかえていく=バックキャスト思考
    となります。

    最初の数ページでバックキャスト思考がどういうものかというのは掴めて良い。後半はほとんど「地球環境」「エネルギー資源」が制約となって考えることになるので、ITサービスをやってる私からするとなかなか一致しない部分も多かったし、途中の問題(実習)ページでは、バックキャスト思考で考えたらもっと違う解決策になるのでは??と思ったり。

    とはいえ、正解はないものですし、全体通して、バックキャスト思考の正解を学ぶのではなく、ニュアンスをつかみ自分なりにバックキャスト思考していくのには良いと思います。

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著者プロフィール

環境探究学研究会会長。地球村研究室代表。東北大学名誉教授。京都大学特任教授、星槎大学特任教授などを歴任。小学校の教科書を含め多くの書籍を執筆。「バックキャスト思考によるライフスタイル」や「ネイチャー・テクノロジー」などを提唱している。現在は、沖永良部島のジャングルの中に「酔庵塾」を開き、塾長として島の発展に尽力している。

「2022年 『学校教育の未来を切り拓く 探究学習のすべて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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