家族という病巣

著者 :
  • セブン&アイ出版
3.22
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本棚登録 : 39
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860086626

作品紹介・あらすじ

家族が生み出すべきたった一つのもの、それは「愛着」である。「機能不全家族」という環境要因と、「発達障害」という認知機能的要因の二つの視点から、子どもの育ちにとって「家族」機能はなぜ必要かを問う。

感想・レビュー・書評

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  • 愛着障害については、岡田尊司先生の本が一番詳しいですが、こちらは有名人や犯罪者についての分析もあったり、全体的に読みやすくて良かったです。発達障害については、人生に大きく関わる事なのにあまり気づかれないままのことも多いので、もっと知られることが大切だし、著者も仰るように自己洞察が鍵だと思いました。

  • 自己分析をしたいと悩んでいたところ、知人に勧められて読みました。ノウハウ本などではなく、発達障害、知的障害などがどのような環境で歪み、犯罪を犯してしまうのか、過ちを犯してしまうのかなどのお話です。家族環境と密接な関係があるとの説明がされています。
    小さい頃に十分な愛情やスキンシップが得られないと 人の役に立って誰かから感謝されたい、自分の存在価値を認めてもらいたいという思いからしっかり者を演じる可能性があることや、最近の若い人は自尊感情が低いということにもつながるのではということがとても納得しました。私もその一人で、兄弟がいるため、下の子の面倒を見る母が自分をかまってくれず寂しい思いをしたことを思い出しました。

  • 発達障害の子供が機能不全家族の中で育つと、更に鬱などの病を発症する可能性が高くなるというのは分かる。

  • 有名な人物、犯罪者を引き合いにして自らもまた発達障害者と自認する著者が、改めて「発達障害」と「機能不全家族」を解説した内容。例えば漱石は「不安障害」チャーチルはADHDのモデルとされている。
    発達障害は先天的なものだが、早期に気がつけば是正が可能だといわれる。しかし家族にその認識がない場合にはより悪くなる可能性が高い。なぜなら発達障害の要因には遺伝が深く関わっており、親もまたその疾患である可能性が高いからだという。
    精神疾患も、その原因とされる「対ストレス脆弱性」はやはり遺伝と家族環境に起因する部分が少なくないという。しかし家族は万能ではない。
    かつてに比べ、社会でとても目立つようになってきたこういう精神的な「病み」については、もっと語られていいと思う。

  • 機能不全家族と発達障害が重なったとき、子供が大変生きづらくなる、という主張は理解できるけれど、なぜ母親ばかり責任があるような書き方なのだろうか。もちろん、父親があまり子供と接する機会がないのかもしれないけれど、それはそれで機能不全ではないのだろうか。どうすればよかったのか、が、やはり見えてこない。

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著者プロフィール

1973年、福島県立医科大学卒業、神経精神科入局。79年、医学博士。84〜85年、アメリカ・エール大学児童精神科留学。93年よりロマリンダクリニック心療内科勤務。2001年、福島県立医科大学神経精神科助教授。03年、福島学院短期大学福祉学部教授。06年、福島学院大学大学院附属心理臨床相談センター所長。1990年に大腸ガンを発症し、切除手術を受けるが、7ヵ月後に再発(肝転移)。ガンの食事療法「ゲルソン療法」を簡略化した「星野式ゲルソン療法」を考案・実践し、克服した経験を持つ。また、自らが発達障害の一つであるADHD(注意欠陥・多動性障害)であることを公表している。

「2017年 『ガンを食事で治す星野式ゲルソン療法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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