- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860110390
感想・レビュー・書評
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お正月明けに『さかい利晶の杜』へ行きました。展示を見ていると戦国武士の名前が出てくるし、当時の堺の人の暮らし、お茶の形式や作法の美しさなど、へぇーっと思うことばかり。利休ってお坊さんだったと勘違いしていたほど知らなかった私に、お茶に詳しい友人が勧めてくれたのがこの本。「この本はマンガだけれど、すごく詳しいよ」とは言われていたけれど、ここまで詳しいとは。マンガの域を軽々と超えています。
10ページに1回ほど出てくるコラムのコーナーには「楢柴肩衝」など有名な茶道具(私は知らなかったけれど)の説明が細かく書かれていて、それにちなんだお話もとても面白いです。
茶道具の値段が今の金額に換算されているのもあり、その価値にも驚かされます。資産となる茶道具を信長が強制的に買い上げ、秀吉が名物茶道具に固執したのが書かれています。ちなみに本能寺の変で焼失した茶道具は100億円~150億円相当!
堺商人からみた戦国武将たちは、人間臭く面倒くさい人間です。学校で習う歴史とは違う角度で当時を知ることができました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
hayatakaさんの 本棚を見て
2021.7.16読了 図書館で借りて読みました。
清原なつのさんの、少女マンガファンだったという理由で読んだ私には、情報量が多く、情けなくも、全ては理解しにくかった。手元に欲しい本。
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にゃんこまるさん
私もです。清原なつのは、とても好きな漫画家さんでした。
でも、この頃、本買いビンボーなのです……。この本、ほしいな〜。 り...にゃんこまるさん
私もです。清原なつのは、とても好きな漫画家さんでした。
でも、この頃、本買いビンボーなのです……。この本、ほしいな〜。 りまの
2021/02/03 -
りまのさん
実は猫も、4月になるまで我慢しなきゃならないのですが、、、つい買ってします(病気ですね)りまのさん
実は猫も、4月になるまで我慢しなきゃならないのですが、、、つい買ってします(病気ですね)2021/02/03 -
2021/02/03
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壮大な利休の生涯をコンパクトにまとめた漫画。清原なつのの絵が物語のテイストにぴったりでたまらん。昨年コロナのおかげ?で観ていた大河「麒麟がくる」とも時代が被る。自分が若いころお茶を習っていて、その当時先生から茶道の歴史も教わっていたが(ほとんど忘却)そこへ上塗りされた感じ。茶道は当時の政治、経済に利用され(利休も利用していたのだが)、利休はそこから離れて「茶道バカ」になりたかったのになれずに世を去る。実際はどうだったかは誰にもわからない(わからないから楽しいのが歴史)が、秀吉…どうなのよ、だ。ページの左右にワンポイント知識の枠があり、ストーリー内の茶道の解説がしてある優しいフォローも嬉しい。
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清原なつのが4年半を費やして描き上げたという、千利休の伝記マンガ。
利休の生涯と「茶の湯」大成のプロセス、そしてそこに関わる信長、秀吉ら戦国大名たちの動向が、並行して描かれていく。
清原は、趣味としてずっと茶道をやってきたそうだ。そのうえに、本作を描くために関連書籍を大量に読み込むなど、入念な準備を行ったという。
そうした努力が生かされ、読み応えのある伝記マンガになっている。
あとがきで、清原は本作について謙遜しまくっている。
《監修なしで好き勝手に作ったまんが「千利休」は、いいかげんなモノではありますが、それなりにカワイイ出来なので、》
とか、
《千利休の『芸術』は書けていません。史実と虚構や伝説をまぜて、一つの物語にまとめました。まんがという手に取りやすい形で、「千利休ってどんな人なのだろう」という謎を解く、一歩にしていただけたら幸いです。》
というふうに……。
まあたしかに、専門家が唸るような出来ではないのかもしれない。
しかし、作者に茶道に関する土台があるから、ゼロから付け焼き刃で描いたような薄いものにはなっていない。
そして、よい意味でも悪い意味でも「学習マンガ」的な作品である。
マンガにしては文字量が多く、作者が勉強した事柄を詰め込めるだけ詰め込んだという趣。
ゆえに、何度も読み込めば、「茶の湯」や利休ゆかりの名器の数々について、かなりの知識が得られるだろう。
逆に、マンガとしては情報を詰め込みすぎで、物語のスムースな流れが損なわれているうらみがある。 -
なるべくフラットな利休入門書を読みたかったという意味ではちょうどよかった気がする。茶会の記録を通じて立ち現れる生涯、立場により百人百様の描き方ができて中は空洞を思わせるところ、もはやキリストのようです。芸術としての革新性とか政治との関わりについては他の本も読んでみたい。
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織田信長、豊臣秀吉はじめ、千利休と色んな人物とのエピソードから、当時の茶の湯の持つ影響力を感じた。
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利休の生涯を綴った本。
倉庫の家業と茶を両立していた利休が、織田信長、秀吉と関わっていく。信長が茶道具に魅せられており高額な取引をしてでも収集していたということは知らなかった。また、若い頃の秀吉と利休の関係性は微笑ましかった。
茶室を4畳半→2畳へ、朝顔茶事のエピソードから、利休の持つ極限まで削ぎ取れる美意識を感じた。華美過剰か侘か、自分の生活も見つめ直してみたい。 -
清原なつのさんが資料を読み込んで描いてくれたから、織田信長と豊臣秀吉と千利休の関係性が物凄く分かりやすいです。
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清原さんの良さがイマイチ感じられない本だった。
伝記物だから仕方ないのかな。
茶道やってたけど自分と興味の範疇が違うのかも。少しクセの強い本ですね。 -
「茶の湯とは何か、わび茶とは何か、
そして千利休とは
いったい何者だったのか?
子供から大人まで楽しめる
清原なつの版千利休伝。
哲学的なSF系ファンタジーを描く漫画家として、性別を問わず幅広い読者に親しまれている清原なつの。その清原なつのによる(わび茶)の完成者・千利休の伝記漫画です。財力も権力も手に入れながら、茶の湯の境地も開拓しつつ、しかし常に「いったい自分は何者なのか」を自問し激しく葛藤し続けた人間・千利休を、清原なつのならではのソフトでコミカルな筆致としみじみする思索的な深みをもって描いています。
著者自身による解説(歴史的なイベントや茶器・茶碗など)も充実しております。」