三時のわたし

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860112202

作品紹介・あらすじ

おかしくて少しフシギな日常をイラストと文章で記録した一年間の「午後三時日記」。

感想・レビュー・書評

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  • 2011年発表。


    午後3時に毎日何をしていたかを
    キュートなイラストとエッセイで365日綴った
    午後3時日記。



    いやぁ〜、なんと言っても
    毎日の、午後3時だけのことを記録していくという
    斬新な発想に惚れました(笑)


    仕事のイラストについてや
    趣味であるこけしや古本屋の話、
    喫茶店でムカついた話など
    ごくごくピンポイントな時間帯にあった出来事を
    ただ書き記してるだけなのに、
    なんでこんなに面白いんだろう(笑)(^O^)


    イラストの下に
    簡単な文章を書いた構成が
    まるで絵日記みたいで、
    これなら自分も書けるかもと
    勘違いさせてくれるところが
    またいいのです(笑)
    (絵が描ける点はホンマうらやましい!)


    お馴染みの脱力感たっぷりなイラストも和めるんだけど、
    それだけで
    終わらないところがこの本のミソ。


    ハルミンさんの文章は
    ハッとする印象的な言葉が
    ちりばめられていて、
    人間味に溢れている。


    そんな何度も読み返したくなる
    鋭い視点の文章こそが
    自分にとってツボだったし、

    その切り口こそが
    他の脱力本や癒やし本とはひと味違う、
    一線を画したところなんだと思います。



    退屈で同じ繰り返しに思える毎日も
    こうして365日書き記してみれば、
    同じ1日なんてないのがよく分かる。


    人間と違って
    小さな金魚鉢ですれ違う金魚の脳は、
    3秒前の出来事しか覚えてなくて、

    1度すれ違って
    3秒後にふたたびすれ違っても、
    2匹にとっては、
    すべてが新鮮なファースト・コンタクトらしいです(笑)


    だけどそれって…


    なんだかちょっと
    悲しいって思いませんか(^_^;)



    どんな平凡な一日であっても
    毎日の積み重ねが
    今の自分を作っているし、

    やっぱ忘れたくない記憶があるからこそ、
    人はその都度
    思いを
    書き記していくのかもしれないですよね。


    エッセイとして素晴らしいのは勿論やけど、
    去年1年の彼女の動向が手にとるように分かるので
    ハルミンさんのファンであれば無条件に楽しめるし、
    (まさに他人の生活を覗き見してる感覚)

    猫ストーカーで有名なイラストレーターさんなので
    猫に関する話題も多くて、
    にゃんこ好きさんにもオススメの一冊です♪

    • 円軌道の外さん

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます(^O^)

      コレ、発想が面白いですよね(笑)

      3時に限定して
      何をしていたか...

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます(^O^)

      コレ、発想が面白いですよね(笑)

      3時に限定して
      何をしていたか書くだけなら、
      なんか自分でも
      続けられそうって思ってしまうし。


      てか、maiさんは
      仕事は何されてるんかな?

      病院や介護施設ですか?


      自分も草野球の監督やってるんで
      野球の話には目がないです(笑)

      2012/06/27
    • maiさん


      そうです。
      病院関係のお仕事しています。

      野球、私すごく好きなんです。
      キャッチボールも大好き。
      汗かくぐらい本気でやり...


      そうです。
      病院関係のお仕事しています。

      野球、私すごく好きなんです。
      キャッチボールも大好き。
      汗かくぐらい本気でやりたい。笑

      草野球、いいですね。
      見に行ってみたいもんです。
      陽射しと、汗と。
      まぶしいでしょうね。
      2012/07/03
    • 円軌道の外さん

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます(^O^)


      あっ、やっぱ
      病院関係やったんですね。

      昔付き合ってた子も...

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます(^O^)


      あっ、やっぱ
      病院関係やったんですね。

      昔付き合ってた子も何人かそうだったんで、
      不規則だし
      大変な仕事だっていうのは
      聞いてます。



      あははは(笑)
      野球好きなんやぁ♪
      おっ、キャッチボールできるんですか?

      ここ最近は仕事が忙しくて
      なかなかできひんけど、
      仕事が暇になると
      毎週日曜日は朝から
      淀川で
      野球漬けでした(笑)
      うちのチームは
      商店街のおっちゃん連中と作ってるんで
      弱いんやけど、

      いい大人がドロドロになって
      ボール追っかけてる姿は
      やっぱ輝いてるって思うし、

      普段は奥さんに
      怒られてばっかのおっちゃん連中が
      野球してる時だけは
      少年のように目を輝かせて
      夢を語ってる姿って
      なんか可愛いんですよね(笑)


      2012/07/03
  • 毎日の三時に自分が何をしていたか、を一年間、イラスト付きで記録しよう、という発想がハルミンさんらしいなぁ。(*^_^*) 

    自分の定点観測(ハルミンさんは、自分を標本箱に据えてピンで貼り付けた気がする、と言われていたけど)って私もやってみたい気がする。
    日々、何をやっているわけでもなく流されている自分の方向性が見えるのでは??なんて、ちらっとそそられてもみたりするんだけど、いやいや、きっと、何も考えてない自分や、逆に結構ブラックだったりする自分が出てきて、少なくとも人様に見せられる記録にはならないだろうな、くわばら、くわばら・・・なんちってね。(*^_^*)

    ハルミンさんの三時は、仕事(イラストレーター」をしてたり、出版社の人と打ち合わせをしてたり、趣味の“こけし”を見に行ったり作ってたり、鬱っぽくて布団から出れなかったり。
    私は、「私は猫ストーカー」のハルミンさんしか知らないけど、うんうん、こういう人だったのね、ととてもしっくり読むことができた。
    女ひとり、しっかり自分の力で生きていっているけど、小さいもの、可愛い物が好きで、子どものころの思いをあれこれ持っていて、人間関係では押しの弱さのせいでイヤな思いをすることもある…。
    自由業という意味では特殊だけど、これって働く女性全般に通じる思いじゃないかしら。


    引用します。

    4月5日(月)
    台所の床を拭いていたら冷蔵庫の下に、またたびの枝がころがっていた。猫がひと仕事しなさったんだな、と思った。そういえば前に住んでいた部屋を引っ越す時、猫のひと仕事が、冷蔵庫の下や茶箪笥の裏からごろごろ出てくると思っていたのに、なんにもなくて驚いたことがあった。髪どめ、ヘアピン、使いかけの消しゴム、マジックのキャップがなくなるのは猫のせい、と思っていたけれど、あれらはどこに消えたのだろう。

    9月30日(木)
    携帯電話でMさんと話しているところ。とぎれとぎれにしか聞こえない。どちらの電話の調子が悪いのかわからないけれど、そういうとき、つい私のが悪いと思って謝らずにいられない。取調室の刑事が最も御しやすいタイプであるだろう。

  • なんだか、元ネタを頭に思い浮かべたりしてしまって(世代だなあ)、思わずくすっと笑ってしまうタイトル。

    毎日の浅生ハルミンさんの「三時」がつづられている本。食事をしたり、仕事の取材に行ったり、猫と戯れたり…と、同じ時間をたどっていても、同じ日は1日たりともない。「そんなに変わってるわけでもないけど、単調でもない」日常を、ぽつぽつと、しかもしっかりと拾っていらっしゃると思う。毎日の短文についている、キュートなイラストも素敵。ちょっと不思議なコメントがつけてあったりして、沢野ひとしさんの画文集にちょっと似たセンスのような気もする。

    出会った出来事や日常に対するコメントが、へなへなと力が抜けそうでいて結構鋭く、楽しい。シブい観察眼と着想をお持ちなんだろうと思う。手作りiPadは衝撃だったし、イブニングドレスを電車のつり革にかけてる美女には、会ってみたいよ!それに、お友達からのお願いやお仕事を大切にして、大切にしすぎて、仕事での行き詰まりや困ったことでため息をつかれていることも多いように見えるのに、そのおっとりとした喜びようや哀しみように、まったくいやみがない。読んでいるうちに、ハルミンさんはとてもお優しくて誠実なかたなんだろうと勝手に想像し、「あとがき」を読んでそれに確信を加え、ぱたんと本を閉じた。本を人にプレゼントしたりするのは難しいものだけれど、これは内容も絵柄も、あまり嫌いな人がおらず、楽しんでくれる本じゃないかとも思う。

    ほかのみなさんも感想/レビューに書かれているように、同じコンセプトでちょっとやってみたくなる感じの本。でも、私は日記が苦手で、用事があっても、手帳に「振込」「買物」と単語でしか書かない無精者なので、ちっとも面白くないだろう…しかも、絵、描けないし(涙)。

  • 著者の2010年1月1日から12月31日までの3時の様子を定点観測した本。1ページの文章量が少ないのですぐに読み終わるかと思ったけど、意外と時間がかかった。よく考えたら1年分だもんな。些細な事柄ばかり綴られているのだけど、フリーで仕事をしている著者のひととなりが垣間見えて、共感を覚えた。

  • 自営業のひとは、毎日同じ時間に違うことしてていいなぁと、代わり映えしない毎日をふと思いつつ。

  • ハルミンさんの、今日の三時、一年分。

    短い日記と、イラスト。

    読んでいる途中からわくわくわく…
    内容にも、だけど、

    「これ、わたしもやりたい!」と言う気持ちで。

    レビューをみると他にもたくさんの方がそう思っていて興味深い。

  • なんといってもこの絵が好きです。
    オチなし(ある時もある)のコラム?もいいい。2012/12/14

  • 2019/02/03読了


    二月二十六日(金)ツイッターを見ている。すごい勢いで時間を盗まれていくみたい。ツイッターをしていなかったころ、わたしはその分の時間を何に充てていたかを、もう思う出せなくなっている。毎日のように歩いていた路地の一画が突如更地になっていたとき、その場所に何が建っていたのかを、思い出せないのと似ている。
    (P65より引用)

    はっとした。


    自分の時間を持っていて自分で管理していても、思い出せないこと、忘れてしまったことはあるなと。毎日午後三時の日記とつけづ付け一年間。季節はめぐるし、その時の作者が何を考え何をしていたかもめぐり変容する。


    イラストレーター、フリーライターとしての特有の悩み、苦しみがけっこうある。
    生みの苦しみ、仕事の内容、自由であるからというのも大変なのだと。


    イラストと描く日記と。思うことはあります。人生を振り返るのに一年を通して整理してみるのも良いかと思う、不思議な本でありました。

  • 2010蟷エ縺ョ豈取律3譎ゅ↓菴輔r縺励※縺?◆縺九?繧ィ繝?そ繧、縲ゅ⊇縺ョ縺シ縺ョ縺ィ縺励◆邨オ縺ョ荳九↓荳?隕九⊇縺ョ縺シ縺ョ縲√〒繧ら樟螳溽噪縺ァ蟆代@縺ョ豈偵→蟆代@縺ョ蠕後m蜷代″繧貞性繧薙□譁?ォ?縲ゅ☆縺斐>莠コ繧?b縺ョ縺ォ莨壹≧縺ィ縺吶$縺ォ蟶ー縺」縺ヲ驛ィ螻九?迚?サ倥¢繧偵@縺溘¥縺ェ繧九?√→縺?≧縺ョ縺御ス輔→辟。縺上o縺九k縺ェ縺ゅ?√→蜿ッ隨代@縺九▲縺

  • さらさらと読めると思って読み始めましたが、なかなかこのぐらい正直な気持ちをすぱっと書けるものではないよなぁ…と思いつつ、イラストもしげしげと眺めてしまうので、思っていたより読むのに時間がかかりました。フツーの勤め人だと毎日が均一で、なかなかネタにならないよなぁ。

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著者プロフィール

浅生ハルミン(あさお・はるみん)
1966年三重県生まれ。イラストレーター。著書に『三時のわたし』『江戸・ザ・マニア』などがある。2009年に『私は猫ストーカー』が映画化。2021年、町田市民文学館にて『浅生ハルミン・ブックパラダイス』展が開かれた。

「2022年 『さだじいの戦争かるた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浅生ハルミンの作品

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