- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860112608
作品紹介・あらすじ
サンリオSF文庫創刊は、1978年7月のこと。「スター・ウォーズ」日本上陸に始まるSF映画ブームのまっただなか、世間ではSFと言えばスペース・ファンタジーのことだった時代に、宇宙ともファンタジーともほぼ関係のない先鋭的なラインナップを組み、一部の海外SFマニア/海外文学愛好者の間にセンセーションを巻き起こした。しかし、1987年8月、会社の事情で惜しまれつつ休刊することに……。
本書は、そのサンリオSF文庫が残した全197冊を詳細な書誌データつきで整理番号順にレビューする、史上初のガイドブック。巻頭のカラー口絵には、197冊全冊+異装版4冊のカバーをどどんとまとめて掲載。加えて、編集顧問だった山野浩一の回顧インタビュー、当時サンリオSF文庫で翻訳や解説を担当した関係者のエッセイ、サンリオSF文庫(および単行本)にまつわるコラム(予告のみで未刊に終わった作品やカバー裏の内容紹介迷作選など)を収める。
感想・レビュー・書評
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刊行されると同時に買った本である。今や幻というか伝説となったサンリオSF文庫。本書自体が、もはや伝説と化したか。Amazonでは中古で定価の倍以上の金額になっている。
発刊されたのは1978年。ちょうどSFブームの最中である。それら全冊につい解説している。執筆者によっては感想的なものもある。出版された作品は玉石混交の感もあるが、フィリップス・K・ディックとNW-SFが印象に残っている。当時ハヤカワや創元では、あまり紹介されなかった作家の作品を世に出したのは大きい。
自分も数十冊持っていたのだが、病気で休業中に生活の足しにするために多くを手放した。いまでも十冊ほどもっているが、それらは愛着があるので売らないぞ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本の雑誌社史上最速の重版を果たしたという、SF者の間では話題沸騰の書。「SF者の間」限定、というところが如何にもそれっぽいんですがヽ( ´ー`)ノ
ざっと読んでの感想は「すげーな、これ」です。だって、とっくの昔に廃刊したシリーズですよ?今さら総解説して何の意味があるの?と、フツーの人は思うんですが、懐古趣味なんぞ微塵も感じられないアツいレビューのオンパレード。傑作から怪作・駄作まで、玉石混淆のサンリオSF文庫をよくぞ全点解説したもんです。今読んだら相当キツい作品、絶対あったと思うんですけどね。
一日かけて2回読み返して、読みたい本に付箋を付けていったら、あっという間に付箋だらけ。これから古書マーケットで探しまくるぞ!
願わくは、手の届く値段であって欲しいもんです(^_^; -
未読だが、読む前に一言どうしても言いたいのだ!w
SFファン垂涎のシリーズというと、サンリオSF文庫とハヤカワSF通称銀背がある。いずれも、dこおかで復刊されていないものは、古書店で目の飛び出るようなプレミア価格で売られている。あるいは、探しても探しても見つからない。見つからないので余計読みたくなるのに、どうしても、ない。ないとなると余計に読みたくなり、面白いんだろうなあという幻想が強化される。で、結局なんとか手に入れた時、思ったほど面白くなくてがっかり……なんて事があるのだ! 本当だ! 経験した!
だからこそ一言先に言っておきたいのだ。
サンリオSFについてはもうこれで何度目かの紹介本になるんだと思うが、復刊されるわけじゃないのなら、この本は相当の覚悟をもって閲覧しなくてはならない。 -
『サンリオSF文庫総解説』
[編者]牧眞司、大森望
[執筆者]池澤春菜/大野万紀/大森望/岡本俊弥/風野春樹/片桐翔造/北原尚彦/水鏡子/代島正樹/高橋良平/田中啓文/酉島伝法/中野善夫/中村融/西崎憲/西田藍/橋本輝幸/林哲矢/姫榊楓/福永裕史/藤原義也/牧眞司/三村美衣/柳下毅一郎/山形浩生/山岸真/若島正/渡辺英樹
モデル:西田 藍
カバー撮影:齊藤 正
ブックデザイン:金子 哲郎(こぶた社)
価格:定価1,944円(税込)
2014年9月17日搬入
◆伝説の文庫レーベルが蘇る!
サンリオSF文庫創刊は、1978年7月のこと。「スター・ウォーズ」日本上陸に始まるSF映画ブームのまっただなか、世間ではSFと言えばスペース・ファンタジーのことだった時代に、宇宙ともファンタジーともほぼ関係のない先鋭的なラインナップを組み、一部の海外SFマニア/海外文学愛好者の間にセンセーションを巻き起こした。しかし、1987年8月、会社の事情で惜しまれつつ休刊することに......。
本書は、そのサンリオSF文庫が残した全197冊を詳細な書誌データつきで整理番号順にレビューする、史上初のガイドブック。巻頭のカラー口絵には、197冊全冊+異装版4冊のカバーをどどんとまとめて掲載。加えて、編集顧問だった山野浩一の回顧インタビュー、当時サンリオSF文庫で翻訳や解説を担当した関係者のエッセイ、サンリオSF文庫(および単行本)にまつわるコラム(予告のみで未刊に終わった作品やカバー裏の内容紹介迷作選など)を収める。
また、サンリオ文庫Aシリーズ(海外文学路線)も全作品を書誌データつきで紹介し、"サンリオ文庫のすべて"を立体的に浮かび上がらせる、ファン必携の1冊。伝説の文庫レーベルが、いま、華麗に甦る!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860112608.html
【目次】
カラー口絵 サンリオSF文庫カバーギャラリー201 [/](カラー7頁)
目次 [001-005]
はじめに(大森望) [006-011]
サンリオSF文庫の伝説 山野浩一インタビュー 聞き手/大森望
○エッセイ
『NW-SF』とサンリオSF文庫の青春[沼野充義]
サンリオSF文庫、天国と地獄について[鏡 明] 022
大恩あるシリーズ[山形浩生] 024
サンリオとの十年[大瀧啓裕] 232
私とサンリオSF文庫―とっても個人的な昔話―[大野万紀] 234
サンリオ文庫の回し者[水鏡子] 236
以下続刊ベスト10冊[若島正] 238
○サンリオSF文庫全解説
1−A ビッグ・タイム フリッツ・ライバー
1−B 妻という名の魔女たち フリッツ・ライバー
1−C バケツ一杯の空気 フリッツ・ライバー
2−A 辺境の惑星 アーシュラ・K・ル=グイン
2−B 天のろくろ アーシュラ・K・ル=グイン
2−C ロカノンの世界 アーシュラ・K・ル=グイン
2−D 幻影の都市 アーシュラ・K・ル=グイン
2−E〜F マラフレナ(上・下) アーシュラ・K・ル=グイン
2−G コンパス・ローズ アーシュラ・K・ル=グイン
2−H 夜の言葉 アーシュラ・K・ル=グイン
3−A 時は乱れて フィリップ・K・ディック
3−B 死の迷宮 フィリップ・K・ディック
3−C 暗闇のスキャナー フィリップ・K・ディック
3−D 流れよ我が涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック
3−E ヴァリス フィリップ・K・ディック
3−F 聖なる侵入 フィリップ・K・ディック
3−G 怒りの神 フィリップ・K・ディック&ロジャー・ゼラズニイ
3−H 銀河の壺直し フィリップ・K・ディック
3−I〜J ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック(Ⅰ・Ⅱ) フィリップ・K・ディック
3−K 最後から二番目の真実 フィリップ・K・ディック
3−L ティモシー・アーチャーの転生 フィリップ・K・ディック
3−M〜N ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック(Ⅲ・Ⅳ) フィリップ・K・ディック
3−O テレポートされざる者 フィリップ・K・ディック
3−P あなたを合成します フィリップ・K・ディック
3−Q シミュラクラ フィリップ・K・ディック
3−R 虚空の眼 フィリップ・K・ディック
3−S アルファ系衛星の氏族たち フィリップ・K・ディック
3−T ブラッドマネー博士 フィリップ・K・ディック
3−U アルベマス フィリップ・K・ディック
4−A ノヴァ急報 ウイリアム・S・バロウズ
4−B 爆発した切符 ウイリアム・S・バロウズ
5−A レベル・セブン モルデカイ・ロシュワルト
6−A 万華鏡 レイ・ブラッドベリ/
6−B ブラッドベリは歌う レイ・ブラッドベリ
7−A カインの市 ケイト・ウイルヘルム
7−B クルーイストン実験 ケイト・ウイルヘルム
7−C 杜松の時 ケイト・ウイルヘルム
7−D 鳥の歌いまは絶え ケイト・ウイルヘルム
8−A 妖精物語からSFへ ロジェ・カイヨワ
9−A・C・D・F・G 《ステンレス・スチール・ラット》 ハリイ・ハリスン
9−B 囚われの世界 ハリイ・ハリスン
9−E 大西洋横断トンネル、万歳! ハリイ・ハリスン
10−A 大地への下降 ロバート・シルヴァーバーグ
10−B 確率人間 ロバート・シルヴァーバーグ
10−C 内死 ロバート・シルヴァーバーグ
10−D 内側の世界 ロバート・シルヴァーバーグ
11−A〜B 『ザ・ベスト・オブ・サキ』『同Ⅱ』 サキ
12−A 解放された世界 H・G・ウエルズ
12−B 神々のような人びと H・G・ウエルズ
12−C ザ・ベスト・オブ・H・G・ウエルズ H・G・ウエルズ
13−A 旅に出る時ほほえみを ナターリヤ・ソコローワ
14−A 猿とエッセンス オルダス・ハックスリイ
15−A 口に出せない習慣、奇妙な行為 ドナルド・バーセルミ
15−B 罪深き愉しみ ドナルド・バーセルミ
15−C アマチュアたち ドナルド・バーセルミ
16−A 失われた部屋 フィッツ=ジェイムズ・オブライエン
17−A クローン リチャード・カウパー
17−B 大洪水伝説 リチャード・カウパー
18−A 馬的思考 アルフレッド・ジャリ
19−A〜C 《タルタロスの世界》 ブライアン・M・ステイブルフォード
19−D〜I 《宇宙飛行士グレンジャーの冒険》 ブライアン・M・ステイブルフォード
20−A ムーンスター・オデッセイ デイヴィッド・ジェロルド
20−B H・A・R・L・I・E デイヴィッド・ジェロルド
21−A バロック協奏曲 アレッホ・カルペンティエール
22−A 334 トマス・M・ディッシュ
22−B 歌の翼に トマス・M・ディッシュ
22−C キャンプ・コンセントレーション トマス・M・ディッシュ
23−A ウルフヘッド チャールズ・L・ハーネス
24−A 時は準宝石の螺旋のように サミュエル・R・ディレーニ
24−B エンパイア・スター サミュエル・R・ディレーニ
24−C アプターの宝石 サミュエル・R・ディレーニ
25−A 五月革命'86 ジャック・ステルンベール
26−A 緑色遺伝子 ピーター・ディキンスン
26−B キングとジョーカー ピーター・ディキンスン
26−C 生ける屍 ピーター・ディキンスン
27−A ナボコフの一ダース ウラジミール・ナボコフ
28−A 枯草熱 スタニスワフ・レム
28−B 天の声 スタニスワフ・レム
28−C 浴槽で発見された手記 スタニスワフ・レム
29−A 楽園の崩壊 ジョーン・D・ヴィンジ
30−A 蛾 ロザリンド・アッシュ
30−B 嵐の通夜 ロザリンド・アッシュ
31−A〜E 《ダーゼック》 ロイド・ビッグルJr.
32−A ラーオ博士のサーカス チャールズ・G・フィニー
33−A 新しいSF ラングドン・ジョーンズ編
33−B レンズの眼 ラングドン・ジョーンズ
34−A 女の千年王国 ヴァージニア・キッド編
35−A 飛行する少年 ディディエ・マルタン
36−A 不安定な時間 ミシェル・ジュリ
36−B 熱い太陽、深海魚 ミシェル・ジュリ
37−A 迷宮の神 コリン・ウィルスン
37−B ラスプーチン コリン・ウィルスン
38−A 影のジャック ロジャー・ゼラズニイ
38−B わが名はレジオン ロジャー・ゼラズニイ
38−C ロードマークス ロジャー・ゼラズニイ
39−A コンピュータ・コネクション アルフレッド・ベスター
40−A バドティーズ大先生のラブ・コーラス ウイリアム・コッツウィンクル
41−A 愛しき人類 フィリップ・キュルヴァル
42−A アルクトゥールスへの旅 デイヴィッド・リンゼイ
42−B 憑かれた女 デイヴィッド・リンゼイ
43−A 伝授者 クリストファー・プリースト
43−B 逆転世界 クリストファー・プリースト
43−C アンティシペイション クリストファー・プリースト編
44−A〜B 『灰と星』『オメガ・ポイント』 ジョージ・ゼブロウスキー
45−A ブロントメク! マイクル・コニイ
45−B ハローサマー、グッドバイ マイクル・コニイ
45−C 冬の子供たち マイクル・コニイ
45− D カリスマ マイクル・コニイ
46−A 猫城記 老舎
47−A・B・E 《ホレイショ・スタブス》 ブライアン・W・オールディス
47−C 世界Aの報告書 ブライアン・W・オールディス
47−D マラキア・タペストリ ブライアン・W・オールディス
48−A ビアドのローマの女たち アントニイ・バージェス
48−B アバ、アバ アントニイ・バージェス
48−C どこまで行けばお茶の時間 アントニイ・バージェス
49−A 殉教者聖ペテロの会 ジョン・ソール
50−A どこからなりとも月にひとつの卵 マーガレット・セントクレア
51−A コスミック・レイプ シオドア・スタージョン
51−B スタージョンは健在なり シオドア・スタージョン
52−A パステル都市 M・ジョン・ハリスン
53−A 二重の影 フレデリック・ターナー
54−A この狂乱するサーカス ピエール・プロ
55−A 深き森は悪魔のにおい キリル・ボンフィリオリ
56−A 愛の渇き アンナ・カヴァン
56−B ジュリアとバズーカ アンナ・カヴァン
56−C 氷 アンナ・カヴァン
57−A メデューサの子ら ボブ・ショウ
57−B 去りにし日々、今ひとたびの幻 ボブ・ショウ
57−C おれは誰だ? ボブ・ショウ
57−D 眩暈 ボブ・ショウ
57−E 見知らぬ者たちの船 ボブ・ショウ
58−A スリランカから世界を眺めて アーサー・C・クラーク
59−A 夢幻会社 J・G・バラード
59−B ザ・ベスト・オブ・J・G・バラードⅠ J・G・バラード
60−A 2018年キング・コング・ブルース サム・J・ルンドヴァル
61−A はざまの世界 ノーマン・スピンラッド
62−A フィーメール・マン ジョアナ・ラス
63−A 沈黙の声 トム・リーミイ
63−B サンディエゴ・ライトフット・スー トム・リーミイ
64−A 異星の人 ガードナー・ドゾア
65−A マイロン ゴア・ヴィダル
66−A フレドリック・ブラウン傑作集 フレドリック・ブラウン
67−A アースウインド ロバート・ホールドストック
67−B リードワールド ロバート・ホールドストック
68−A 去勢 キングズリイ・エイミス
69−A ジョン・コリア奇談集 ジョン・コリア
70−A ベストSF1 ハリイ・ハリスン&ブライアン・W・オールディス編
71−A マーシャン・インカ イアン・ワトスン
71−B ヨナ・キット イアン・ワトスン
72−A 夢の蛇 ヴォンダ・マッキンタイア
72−B 脱出を待つ者 ヴォンダ・マッキンタイア
73−A ドロシアの虎 キット・リード
74−A 人生ゲーム D・G・コンプトン
75−A 着飾った捕食家たち ピエール・クリスタン
76−A マイクロノーツ ゴードン・ウイリアムズ
77−A シンディック シリル・M・コーンブルース
78−A〜C 最新版SFガイドマップ デイヴィッド・ウイングローブ編
79−A〜F 《バトルフィールド・アース》 ロン・ハバード
80−A スラデック言語遊戯短編集 ジョン・スラデック
81−A 老いたる霊長類の星への賛歌 ジェイムズ・ティプトリーJr.
82−A〜B V(上・下) A・C・クリスピン
83−A 悪魔は死んだ R・A・ラファティ
83−B イースターワインに到着 R・A・ラファティ
84−A〜C 《ホースクラン》 ロバート・アダムス
85−A パヴァーヌ キース・ロバーツ
○コラム 牧眞司
サンリオSF文庫創刊時の昂奮 085
SF百科図鑑 097
異色のガイドブック『神という機械への夢』 103
訳文について 113
サンリオのSF単行本 121
未刊行作品 145
サンリオ未刊行で他社から出た作品 155
表紙絵五傑 203
裏表紙の紹介文がスゴい! 211
編集者インタビュー 215
サンリオ文庫を総まくりでレビュー(牧眞司) [220-231]
あとがき(2014年8月 牧眞司) [240-243]
この本を書いたひとたち [244-247] -
キティちゃん生誕40年だそうである。
しかし、1980年代にバリバリのSFファンだったものにとって、サンリオといったらキティちゃんやマイメロディではなくて、背に火星人のマークの入ったあの文庫のことなのである。
もちろんいまの若い人たちがサンリオSF文庫と聞いて思い浮かべるイメージは宇宙服を着て光線銃を持ったキティちゃんかも知れないし、変幻自在のキティにはすでにそんなイラストが存在していても不思議ではない。
でも違うんだ。ハヤカワ文庫と創元文庫が出してなかったディック作品を出していたのがここ。プリーストの『逆転世界』やコニイの『ハローサマー、グッドバイ』を最初に出版したのがここ。『どこまで行けばお茶の時間』とか『どこからなりとも月にひとつの卵』とか買ってないのにいまだ名前を覚えている珍妙なタイトルの本はこの文庫。ウィリアム・バロウズだのアンソニー・バージェズだのカルペンティエールだのSFとはいえない現代文学者の名前を教えてくれたのもサンリオSF文庫。再発して欲しいベスター『コンピュータ・コネクション』、ディッシュ『キャンプ・コンセントレーション』なんかが眠っているのもこの文庫。
そのサンリオSF文庫の全作品を解説したという思い入れのない人にはわけわかんない本。表紙写真も全部載せているのが泣かせる。
サンリオSF文庫が出たのが1978年。最初はサンリオの名に抵抗を覚えたことは確かだ。キティちゃんの顔がどうにも思い浮かんでしまう。しかし刊行予定ラインナップを見て期待は嫌が応にも膨らんだ。『SFマガジン』の海外情報欄などで紹介されていた注目作がいくつも刊行予定に上がっていたのだから。それらは実現されたものもあれば、いまだ未訳のものもある。そうした顛末を書いたエッセイや、刊行当時を知る人の対談など、「総解説」以外の記事も面白い。
そしてサンリオSF文庫が強く記憶に刻まれたのは1987年のあっという間の廃刊によるところも大きいと思う。それも在庫を流通させておくこともなしにすべて裁断してしまうという撤退ぶりだったという。出版文化に対する暴力というしかない。
サンリオSF文庫が自爆したあと、復興はいかになされたか。そこがこの文庫の困ったところで、是非復刊されるべき傑作から、そのまま眠らせておいて問題ない駄作まであまりに玉石混淆。上述のように復刊をとげたものは一部に留まるといっていいだろう。よって本『総目録』はサンリオ廃墟の復興のための工程表のようなものである。
つらつら眺めているといろんな記憶が蘇ってくる。シルヴァーバーグの『内死』はSFに文学を感じた体験だったとか、ボブ・ショウってなかなかいい作家だったとか。復刊希望は上に述べたほかには、M・ジョン・ハリスン『パステル都市』とその未訳の続編。超文明崩壊後の退行した世界でのニヒルで退廃的なヒロイック・ファンタジー。カッコよかった。 -
中学・高校にかけて、血眼になって京都中はおろか東京・大阪を這いずり回って全冊を蒐集したSF中毒者(当時)の私にとっては無用の長物かもしれません。
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ガイドブック。サンリオSF文庫。
存在は知っていても、地元の古本屋では全く見かけない文庫。
個人的な読書状況としては、他の出版社からの再刊で読んだのが6冊だけ。1冊だけネットで購入して積読状態。
解説の人たちが、作品の欠点を平気で言っているのが面白い。愛があっての酷評。
全作品が傑作に思えてくる不思議。
どの作品も読んでみたいが、とにかく全然手に入らないので、なんとか復刊をお願いします! -
2017.10.30 朝活読書サロンで紹介を受ける。
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あの頃、あんなにあこがれた叢書だったはずなのに…。いまさら心に響く本をあまり見つけられないという…。
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サンリオSF文庫!懐かしい!!!ブルータスの特集を立ち読みしたときには「わー、なんで今?」と思ったっけ。一時期SFばっかり読んでた時代があって、ハヤカワ、創元、そしてサンリオとSF文庫をよく買ってたよね。引っ越しやら何やらで処分しちゃったけど、取っときゃよかった。再刊されていないものに限って、また読みたいなあと思うんだよなあ・・・
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サンリオSF 197冊のガイドブック
大好きなディック作品がたくさん載っている。ティプトリーもその他たくさんの巨匠作品が載っている。図書館で借りずに保存版だなと思うが、狭い我が家には無理だから、図書館に預けることにしよう。
読みたい本がたくさん溜まった。また楽しみが増えた。うれしい。 -
端々から立ち昇る、SFへの熱(念?)。
熱心なSF読者ではないので、読んだことのないものばかり並んでいた。
中には入手困難なものもかなりあり、紹介文に惹かれ読んでみたいとの高まった気持ちのやり場に困ったこともしばしば。
SFじゃない小説は、「普通小説」であり「一般小説」になるんだなあ…。 -
立ち読みでパラパラ、図書館で借りてパラパラ、買わなきゃだ。
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「サンリオSF文庫総解説」という書名が自由国民社から出版された「世界のSF文学総解説」からきていると知って思わずニヤリとしてしまった。「世界のSF文学総解説」にもかつては随分お世話になったものだ。これを読んで買うSFを決めていたこともあった。「サンリオSF文庫総解説」を読んで、新たに収録されたサンリオSF文庫を買うことはかなわないけれど、資料として大切にしていきたい本である
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往年のファンを喜ばす素晴らしい内容を
往年のファンを遠ざけるビニ本のようなジャケで覆うという実験的な一冊。
3ヵ月憤慨した。 -
もはや伝説化してるレーベル、サンリオSF文庫から刊行された全作品(+サンリオ文庫の文学部門)をすべて解説している本。読んだことあるのは「ヴァリス」とジョン・コリア、ヴォネカット、ティプトリー・ジュニア、A・C・クラーク、あとウエルズ少し、ぐらいしかなく、SFという分野自体の読書量が極端に少ない私。にも関わらず作品の解説やこぼれ話的なものが面白すぎてたまらなかった。
P・K・ディックを広めたのはサンリオだったとか、あとティプトリー・ジュニアはCIAの創設にかかわっていたとか(本当に謎が多い人だ・・・)、予告されていたけど刊行されなかったものも多かったとか。(訳者とタイトルみただけで今からでも是非と思ってしまう)
スタニスワフ・レムの「枯草熱」(←当時はまだなじみの薄かった花粉症のことらしい)猛烈に読みたいと思ってノートにメモっておこうとしたら数年前にすでにメモっていた。アンナ・カヴァンは絶対私好きだろうな。再刊されているみたいなので読もう。積んであるディックも読もう。「ヴァリス」は大好きで数回読んでるけど他の作品読んでないし。「エーイ・コッパード訳荒俣宏」のエピソードに笑った。クリストファー・プリーストが出ていたのも意外だし(SFの人という認識がなかった)、バロウズも意外。「エレンディラ」初めて出たのがサンリオ文庫だったというのも驚き。すごいがたくさん詰まっている解説本。熱かった。 -
SF好きなら勉強用、保存用、トレード用と三冊買っておかなくてはいけない本。
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2014年9月20日、初、新品、帯無し、2014年10月1日Amazon購入
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2014/09/25/Thu.(通販購入して届いた日)
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2014/9/21購入