本で床は抜けるのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860112677

感想・レビュー・書評

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  • ある日ふと、自分の家の本の量に呆然とし、床が抜けてしまうのではないかと心配になる。
    著者は、実際に大量の蔵書のせいで家の床が抜けた人がいるのかを調査することから始まり、どのように本棚を配置すれば床がもちこたえるのか、大量の蔵書を残して死んだ場合残された本はどうなってしまうのか、自炊ってどうなの?、書庫を作る、家を建てる、寄贈する…さまざまな蔵書家にインタビューをしながら、自分と本について考えを深めていく。

    他人事じゃないです。
    我が家でも「本は家族だから!」と言う私の主張のせいで、処分することなくどんどん本が増える。
    だけど、本来はリラックスして過ごしたい同居家族のスペースを、私の本たちが圧迫しているとは考えたことがなかった。
    今まで、申し訳ないことしてたな。
    今さら、ま、いいか。←!

    読むだけなら電子図書でも構わないのだろうけれど、手触り、重さ、形のある本を読みたい。
    それは贅沢なわがままなのだろうか?
    どうしても自炊することに抵抗がある。
    本を裁断しなければならないというのが、多分無理。

    かと思えば、蔵書をどんどん増やして私設図書館のようにしてしまった人もいる。
    東京の西のはずれに「少女まんが館」なんてのがあるなんて知らなかったよ。
    毎週土曜の午後〈4~10月〉だけ開館なんて、近所だったら通いつめるのに。

    所有欲とは違う。
    単純に本に囲まれていたら嬉しいんだよ。
    だから、床が抜けないように、何とか工夫して生きていこう。

  • 本で床は抜けるのか。
    引っ越しで木製住宅に移り住んだことから、蔵書で床が抜けるのではないか…誰もが気になる(恐れている)そんな疑問を、「本当に本で床が抜けたことはあるのか」「多くの蔵書をもつ人々はどんな工夫をしているのか」模索した一冊。
    …まさかあんな悲しい終わり方をするとは思っていなかったので、読み終えて不安のあまり悲しくなってしまった。(本に囲まれた室内を見ないようにしながら)

  • 著者自らの借りているアパートで本の重みで床が抜けそうになったことから始まったルポ。
    床が抜けるのかどうか、という話だけでなく、「本をどのように保存するのか、本とどのように暮らしていくのか」という点から、色々な人に取材している。


    1冊を通して読んだとき、最後の部分は意外な展開だった。
    蛇足のような気もするが、でもこのテーマとまったく無関係とも言えなくもない。
    著者が、最終的に床が抜けそうなほどの本をどうしたのかが書かれている。

  • 田舎に住む私は とりあえず本の置き場所に困っていない。幸せ者です。一時は床が抜けるんじゃないかと心配しましたが。

  • 忙しい→仕事大変→家族省みない→離婚

    負の連鎖。

  • 本を大量に置いていても、意外に床は簡単に抜けないらしい。でも、多すぎると凶器になるので、倒壊対策はしておきましょう。要らない本はさっさと処分する。電子書籍は一冊しか持ってないけど、今後は増えるのか?紙依存率は高止まりだけど。本とのつきあいは生きている限り続いていく。でも、本とのつきあい方は、少しずつ変わっていくのだろう。

  • 本で床が抜ける事態を冗談ではなく真剣な問題として取り上げた本。
    書くことを仕事としていると、資料としての本は尋常ではなく増えるらしい。
    草森紳一や内澤旬子さんの本を読んでいたので、
    ちょうど話題がニアミスしたのも面白かった。
    電子化・自炊の話も、
    これまで読んでいたどの本よりも現実感のある話だった。
    物体としての本のもつ力の大きさというのも、よりリアルに感じられた。
    たくさんの取材を積み重ねて、
    最終的に、本なんかよりももっと大きな問題が
    修復できないところまで進んでいた、というのが怖い。

  • 話が色々前後することがあるので流れに乗りにくい。「なんでそこまでの量を買い込む必要があるのか。」が理解できてないから、そもそもそこの問題じゃね?って意識が常について回ってしまった。さすがにバベルの塔みたいな書庫ハウスは圧巻だった。

    意表をついて最後が本と関係ない(あるか)切ない終わり方だった…。

  • 部屋の床が抜ける前に、夫婦の土台が崩壊してしまってはどうしようもないじゃない。
    なんのための本なのか、なんのための仕事だったのか…分からなくなります。

    私は図書館を自分の本棚代わりにする人なので、そんなに家の本は増えません。
    でも、執筆活動したりするなら、増えるんでしょうね…。どうしても手許に置きたい資料多くなるでしょうし。
    となると問題は取捨選択…
    図書館と同じで、収容できるスペースに合わせて、本の方を増減するのがいいのでしょう。
    本に合わせて収容スペースをどうにかしょうとすると…際限がない。

  • 本を所蔵していることの憧れもあり、いつか自分も床が抜けてしまうくらいの本を所有したいという欲求と、本当に本で床が抜けるの?という素朴な疑問からてにした本。アパートの一室からミニ図書館並みの建物を所有する人など物理的に床がぬける問題云々より如何に所蔵本を保管し自らの収集欲を満たすかを紹介している内容に感じた。

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著者プロフィール

フリーライター。1970年(昭和45年)大阪生まれ。旅・現場・実感にこだわった作品を発表し続けてきた。近年取り組んでいるテーマは、日本が抱える国境離島の問題と防衛のあり方、さまざまな親子のかたちと共同親権、入管法改正案や移民の是非など。こうした賛否の分かれる国内の政治的な課題について、イデオロギーに追随しない、まっすぐで公平な取材・執筆にこだわっている。旧日本領のその後を訪ね歩いたルポ『僕の見た「大日本帝国」』(2005年、情報センター出版局)、書斎の床が本で埋まった体験を出発点に本と人の共存を考えた『本で床は抜けるのか』(2015年、本の雑誌社)、爆発的な経済成長を遂げた中国を四半世紀ぶりに回った『中国の「爆速」成長を歩く』(2020年、イースト・プレス)など話題作多数。

「2023年 『誰も国境を知らない 令和版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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